銀座から新橋のレトロ建築(近代レトロ建築-06)
多くの人がショッピングで行き交う華やかな銀座。新しいビルが並ぶ街並みの中で、ひときわ渋く存在感を示しているのが点在する近代レトロ建築です。銀座を代表する和光時計台は別格としても、実はあまり知られていないレトロ建築が数多く存在しているのですが、気がつく人は多くはありません。
今回はそんな銀座の近代レトロ建築に焦点を絞って銀ブラします。
マップが見えない方(iPhoneのsafariでは警告が出る)はこちらのリンクから。
前回の記事では京橋から歩いてきているので、その続きで銀座を京橋側から新橋方向へ歩いていきます。奥野ビルへは、京橋駅、もしくは銀座一丁目駅からアクセスするのが便利です。
奥野ビル
竣工年:1932年(昭和7年) 設計:川元良一。
旧名「銀座アパートメント」で銀座屈指の高級アパートでした。2つの建物が左右対称に連結しています。
米井ビル
竣工年:1929年(昭和4年) 設計:森山松之助。
上層階は直線を強調したオフィスビルで現代的な外観ですが、1階部分は中世ロマネスク様式になっているのが特徴です。
鈴木ビル
竣工年:1929年(昭和4年) 設計:山中節治。
上部の窓は馬蹄形、その他の窓はデザインが異なっているのが特徴。竣工当時は公演などの貸しスペースだったようです。
鈴木ビルの右隣も詳細不明ながら、相当なレトロ感がある建築です。
教文館ビル
竣工年:1932年(昭和7年)設計:アントニン・レーモンド。
現在の外観は竣工当初のアール・デコ様式の面影は全く無いということで、正直、街並みに溶け込み過ぎてあまりレトロ感が感じられませんでした。
そこで、も少し調べてみました。
竣工当初の写真を探してみました。この写真を見るとが、当時の街並みとこの建築の存在感がわかりました。
和光時計台
竣工年:1932年(昭和7年) 設計:渡辺仁。
旧服部時計店。誰でも知っている銀座を代表するビルです。基礎工事にかかった直後に大震災が発生しました。そのため構造は鉄骨鉄筋コンクリート、外壁は強靭な御影石へと変更されたといいます。
交詢社ビル
竣工年:1929年(昭和4年) 設計:横河時介。
交詢社は福澤諭吉が提唱して結成された日本最初の実業家社交クラブ。そのクラブの本拠地として建てられたのが交詢ビルディングとのこと。慶應義塾出身者がメンバーの中心で、ビル前の道路は「交詢社通り」という地名にもなっています。
そんな歴史的建造物でしたが、2004年の再開発により建て替えられ、地上10階の商業ビルになっています。新しいビルの正面の一部に交詢社ビルのファサードがかなり大きく保存ざれて残っています。
丸嘉ビル
竣工年:1929年(昭和4年) 設計:森山松之助。
袋物商の老舗の丸嘉商店だった建物。外壁は改変が著しく、今風のオシャレなビルに変身してしまっています。辛うじて壁面の装飾や屋上の造作に当初の面影を認めることができます。
電通銀座ビル
竣工年:1934年(昭和9年) 設計:横河工務所 。
当時の銀座の高さ制限31m上限で建てられ、和光より高く銀座随一でした。
エントランス上部に電通の社章とレリーフが見てとれます。
中央区立泰明小学校
竣工年:1929年(昭和4年) 。
震災後のいわゆる復興小学校と呼ばれる建築です。空襲にも耐えて、校舎の壁にはツタが絡み、表現主義と呼ばれる建築様式のアーチ窓などの特徴があります。
また入口には、卒業生である北村透谷と島崎藤村の記念碑もあります。
旧新橋停車場 鉄道歴史展示室
竣工年:1872年(明治5年)。
日本最初の鉄道路線の起点として開業した新橋停車場の駅舎を当時と同じ場所に、開業当時の外観で再現しています。裏側には当時のプラットフォームも再現されています。
堀商店
竣工は昭和7年。昭和初期の折衷様式オフィスビルの典型とされ、交差点に向けられた曲面の正面玄関は重厚で独特の趣、見応えがあります。今も現役で活躍しています。
静岡新聞・静岡放送 東京支社ビル
戦後の竣工でレトロ建築という訳ではないですが、丹下健三設計ということで載せました。1967年(昭和42年)竣工のオフィスビル。
「メタボリズム」の代表的建築として、広く知られています。近くにあって、既に解体された黒川紀章の中銀カプセルタワーと同じコンセプトで設計されています。濃い茶色の円筒形のコアから箱状のオフ ィスが張り出す独特な構造で、複数のコアを空中に渡した床で連結可能な構造です。
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この記事は、私の「東京レトロ街歩きガイド&マップ」サイトのエリア別「Ar-01丸の内から銀座を歩く」、更に詳しくはテーマ別「Th-07今に残る近代レトロ建築」を基に街歩きをしています。記事の内容以外にも街歩き検証はまだですが、All in Oneのガイド&マップになっています。こちらもぜひ参照ください。
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