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アイルランドと北アイルランド

アイルランドへ。

パリで父を見送ったあと、僕はアイルランドのダブリンへ向かった。まだ行ったことのない国であったし、ラグビーワールドカップや2000年の日韓共催のサッカーワールドカップでは、自分の住んでいた市がアイルランド代表のホストタウンだったので、アイルランドへの渡航を決めた。パリからこの時期で往復、エールフランスで2万5000円程で飛ぶことができた。ロンドンからはLCCが頻発しており、さらに安く渡航することができるのだとか。

アイルランドと北アイルランド

北アイルランドとアイルランドは、全く別の国だと現地に住む人に言われた。島の中に、イギリスとアイルランドが共存しているのは知っていたが、“全くの”という発言には驚いた。

アイルランド島にはたくさんの古城がある。5世紀にケルト人が渡り住み、そこからノルマン人などが入ってきたとされる。彼らが思い思いの場所で城を建て、小さな国を確立させていたのだと思う。これは小さな国が共存し、城が各地にあった日本と似ているのではないか、と思った。そのあと11世紀にイギリスの国王がアイルランドの多くの豪族を400年近く支配して、そのあと島内で独立に向けた戦争が何度も起こり、最終的に1つの島に2つの国があるという形に1900年代になってから決まったのだという。そんなことすら知らなかった。

しかし、昨年行った東ティモールとインドネシアや北朝鮮と韓国といい、至近距離で国が別れることがあり得ることが最近になって普通のように思えてきた。どれも新たな勢力が侵攻し、2つに分かれるというところは全て一致している。アイルランドにも独自の文化があり、アイルランド人は自国に強いプライドがあるのも話をしていて印象に残った点でもある。

アイルランド島でやったこと

アイルランドでは、アイリッシュウィスキーで1番販売数が多く知名度も高い、ジェムソン蒸留所やアイルランド最古?世界最古?と呼ばれる蒸留所と呼ばれるオールドブッシュミルズを見学。ギネスの工場も見学した。北部にあるジャイアンコーズウェイにも行った。ツアーで回るのが効率的でいいと大半のブログには記載があったが、ハプニングがなさそうで面白くなかったことから公共交通機関だけで訪問した。

結果として、確かに行ってみたかったところ二ヶ所はいく子とができず、バスが2時間に1本しかなかったので歩いて次の場所に向かうなどしてトラックにひかれかけ、羊にはメーっと笑われた。

それでも、足止めを食らったところで現地の人と会話をすることができ、ツアーで見る表面的なところだけではない部分を垣間見れたようにも思う。ツアーではなく、1人で訪れる面白さはこういったところでもある。

北アイルランドのベルファストには、映画に有名になったタイタニック号の造船所があり、そのドッグの前にとてつもなく大きなタイタニック博物館があった。入場料も、さすがイギリスと思ってしまうほどとてつもなく高かったが満足度はそれなりに高く、日本の博物館がしょぼく感じてしまうほどの設備であった。(内部にディズニーランドのようなゴンドラに乗って回る設備まであった!)

タイタニック号はここで起工され3年もの月日のあと竣工した。その1年後に沈没する。

アイリッシュな食事

アイルランド島の食も楽しんだ。アイリッシュシチューは肉やじゃがいも、人参などをハーブ類と一緒に長時間煮込んだもので、アイルランドといえば、という代表的な料理でもある。あとは以外とハンバーガーも有名で、何の差があるのかが、いまいちよくわからなかったがアイリッシュハンバーガーと呼ばれている。また市場に行くと生牡蠣をその場で剥いてくれて食べさせてくれるシステムがあり、これも面白かった。

その他にもアイリッシュウィスキーを入れて飲むアイリッシュコーヒーやカッテージパイというマッシュポテトが綺麗に盛り付けられたグラタンもあつあつで美味しかった。

お酒が側にある生活

前述した通り、アイルランドにはギネスビールを使う料理も多く存在する。街を歩くと必ずと言っていいほどパブがあり、お酒が側にある国なんだな、と感じる。

ブッシュミルズのパブで1人飲んでいると、地域のおじさん、おばさんたちが集まってきて、「Hey!ジョージ!元気か‼︎」と挨拶しあっているのが印象的で、パブが街のサードプレースになっているんだと思った。東京近郊では、チェーン店になり、システム化されてしまってそういった場所が少なくなっており、地方に行くとまだまだそういった居酒屋さんが多いことから、みんなが集まる飲食店やカフェなどがコミュニティの場になるのは、万国共通なのだろう。

アジア人に向けた差別と日本への印象

まだまだアジア人に対しての差別はあるみたいで、「ヘイ!チャイニーズ!」とダブリンのパブが多い通りで、酔っ払いのおじさんに中指を立てられた。

それでも、出会った何人かのアイルランド人は日本を絶賛している人もいた事実もある。

電車の切符売り場のおばさんは「この間、日本で行われたラグビーワールドカップをテレビで観たわよ。日本がアイルランドに勝つなんて思わなかった。アイルランドのキャンプ地だったホストタウンの子どもが、アイリッシュダンスを踊っててね、それが本当に可愛かったわ。アイルランド代表の選手たちも日本のホスピタリティに感動した、とこちらのテレビで言っていたわよ。ありがとうね。それのおまけよ。」と両手でグッドポーズをして2パウンド=300円おまけしてくれた。

バスを待っているときに話した女性は「一昨年、日本に行ったわ。最高にエキサイティングな国だった。特に印象深かったのは、マクドナルド。スマイルが無料って。最高だった。マクドナルド以外も笑顔が素敵な国だったね。」

もし明治維新が失敗していたら、東日本国と西日本連邦共和国にでもなっていたのだろうか。アイルランドと北アイルランド、名前はほとんど一緒なのにな。

バスの窓からポートラッシュというゴルフの聖地も見れた。芝生が多く、山も海も綺麗で、僕がちょうど帰るときに国を挙げて植林するというニュースがあって、自然と共存する国なんだな、と思った。

https://www.ecoist.life/ja/news/1589

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