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雫が水面に馴染むように

10月、ラグタイム、スリルミーと、連日で続いていたのですが、さらに、のだめカンタービレもありまして。
絶対ムリだろう…とダメ元でチケットを申し込んだら、ありがたいことにすんなり取れて驚愕しました。
都合上、弾丸日帰りで東京ということで、できるだけお安く行くためにも早朝に東京へ。
開演は午後からなので、せっかくだし午前中にどこかに行こうと、直前に検索していました。
いろいろ魅力的な特別展があるなぁと迷ってたら、たまたまTOKYO NODEのオープニング情報が流れてきたのです。

一瞬で鷲掴みです、もう。

新しい虎ノ門ヒルズステーションタワー。
TOKYO NODEは、その高層階にある展示空間。
そのオープニング企画として、RhizomatiksとELEVENPLAYによる約1ヶ月間だけの観客没入型ダンスパフォーマンス「syn:身体感覚の新たな地平」があるとのこと。
「ステーション」タワー、つまりは駅ビル…超絶方向音痴でもたぶん行ける、わからんくても駅で訊ける、大丈夫…!
ということで、チケット価格に慄きながらも、いや、これ、行かなかったら延々と後悔し続ける自分しか見えない…何のために働いているのか…えぃっ!と、前日にチケットを取りました。

*以下、ネタバレを避けたい方はそっと画面を閉じてください。

ステーションタワー=駅ビル=改札から直結だろう、という予測通りに、無事、TOKYO NODEに到着し、ロビーで少し待機。
会場階には、見晴らしのよいロビーやカフェ、コインロッカーもちゃんとあるようでした。
私の場合、朝一番のうえ、まだ新規オープン直後でタワー全体が完全に機能していなかったため、混雑もなく、広々とした景色を眺められるし、ゆったりした空気が流れてました。

synは、1日17公演で、1回あたり20〜30人くらいで区切られての鑑賞になります。
演出上、途中で離脱できません。
所要時間70分ですが、最後のフロアがある程度自由退出なので、私は結局、90分くらいかかったように思います。
簡単な写真撮影、短い時間の動画撮影もオッケー。
展示室はいくつかのフロアに分かれていて、順番に歩いて進んでいく形式。
誘導もダンサーさんの動作で進んでいきます。
入場してすぐ、もうすべてが始まっている感じで、ドキドキキョロキョロ。

目の前でダンサーさんが踊られて、シチュエーションの一部になる観客。
いや、これ、踊れるひととか観客にいたら、いい感じに即興で混ざっちゃってもおもしろそうだなという場面もあり、一方で、緻密に描かれた設計図の線を引くみたいに鮮やかなパフォーマンスもあり。
途中、なるほど…私たちも巻き込まれてましたか…ということなども。
30分間隔で次のグループが入場するため、それすらも計算してパフォーマンスされていて、まるでDNAのように螺旋状に延々に続く世界が展開されていきます。
ダンサーさん、すごすぎる…
装置もパフォーマンスにあわせて動きますし、3Dメガネや不思議なグラスを覗くこともあります。
ダンサーさんと映像と美術装置と音楽と、その見事な融合に圧倒されました。
きっといろんなメーカーさんの最新技術が搭載されてるんだろうなぁ。

妙な一体感、というか、すっかり雰囲気に入り込んでいるため、ラストのフロアでは急に解放された感があって、戸惑うという。
最初に感じたそわそわが急激に戻ってきて、でも、少しずつまた馴染んで世界に沈み込んでいく。

融け込んだまどろみの中から分離して、後ろ髪をひかれながら外に出てくると、しばらくぼんやり、ロビーから明るい景色を眺めていました。
どこか身体がふあふあ、軽くなったような気持ちになりました。

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