3.用法容量を守って、正しくお使いください。
幼稚園にはたくさんの絵本がありました。紙芝居も入れると相当なものです。
毎日、数冊絵本を選びます。そして、その中でも必ずメインとしての一冊があり、それはどんなに忙しくとも読む一冊です。
その一冊は、日々の子どもたちの様子や、季節、興味関心を踏まえて選びます。みんなに向けての時もあれば、たった一人のためをおもって選ぶ時もありました。
そんな時一番気を使うのは、怖い、悲しい、切ない、などマイナス感情に訴える絵本の取り扱いです。ここには災害などの本も入ります。
東洋経済ONLINEにこんな記事がありました。
なぜ子どもはこんなにも「おばけ」が好きなのか
せなけいこさんが語る、子どもとおばけ
取材を受けているのは、せなけいこさん。絵本好きなら勿論、絵本好きでなくとも、「あーあのおばけの絵本の人ね!」と思う方も少なくないでしょう。
読むと、うんうんと思うことがたくさんのお話で、そんな気持ちで描かれた絵本だから子どもたちも繰り返し見たがるんだろうな、と納得です。
強く共感できた文を下記に引用させていただきました。
あんまり怖すぎちゃいけませんからね。読んだ後に子どもがうなされるようではダメなんです。だから私は家族が死んでおばけになる、というお話は書きません。
いつの時代も、子どもは「怖い、怖い」と言いながら、怖い物に興味があるんですよ。それはきっと、今も変わらないはずです。
ただ、100パーセント怖かったら、子どもは見てられません。
子どもたちの興味関心は多岐に渡ります。けれど、同時に想像力も大人より遥かに深く、豊かです。夜のトイレに行けなくなる、って経験、皆さんもあったかと思います。
絵本は子どもたちの心の栄養であり、お薬です。様々な、状況にあったものを読んでいきたいなと思います。必要な物は、時には楽しいや面白いなどといったプラスの題材ではない場合もあります。
けれど、過剰すぎては消化不良を起こしてしまうかもしれません。用法容量を守って正しく使うことが大切で、それを判断できるのは周りの大人たちにしか出来ません。
話題の本でも、ベストセラーでも、読みたい子に合っているか、必ず一度、下読みしてから読み聞かせることがおすすめです。
おばけの入門として、また怖がりさんへの一冊としてあげるとすれば、こちらでしょうか。せなけいこさん独特の怖かわのおばけの絵を歌いながら楽しめます。
おばけなんてないさ
え せなけいこ
ポプラ社
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