読む飯テロ「うどん屋のおでん」
(Twitterでのツイートを加筆修正してこちらに転載しています)
香川にある讃岐うどん店の主役はもちろん「うどん」なのだけど、影の主役は「おでん」だと思っている私。
夏にうどん屋に行くじゃん?
夏なのに銀色の鍋にぎっしり詰まったおでんがグツグツ煮られてるじゃん?うどんを注文するじゃん?
そそくさとお皿を持って、おでんを選びに行くじゃん?
味が染みて茶色くなった玉子、厚揚げ、牛すじ、蒟蒻なんかの串をとるじゃん?
ファーストフード扱いされてるうどんが出てくるまでの刹那の待ち時間、おでんを楽しむのよ。すぐ口に入れるのよ。ハフハフってさ。
夏なのに、熱々のおでんってwwwって思いながら食べるのよ。うまい。これがめちゃうまい。
何がうまいって、もはやかたくなってるんじゃない?ってくらい煮込まれてるので味がしみっしみ。
私が好きな具は玉子。半熟トロトロ玉子?それはうどんや天ぷらに任せるわって感じで、黄身は完全に加熱されたまっ黄色。だが、それがいい。
あむっと頬張ると、出汁色に染まった白身の強気な塩味をボソボソっとした黄身が加熱したからこそ得られる玉子らしいコクで包み込む。
うまっ!もう1個食べたい!けど、うどんがくるしなーとセーブがかかって食べすぎない。
それがまた次来た時に絶対おでんの玉子食べよっていう前向きな気持ちにさせる。
まだうどん来ないじゃん、いける!って思ったら、牛すじの串に手を伸ばす。忘れてはいけないのが、おでん鍋の横にある壺に入っているやけに黄色いカラシを皿の端っこに乗せておくこと。辛子をチョンっとつけた牛すじをんぎッと噛みちぎる。
醤油の濃い味に辛子がアクセントを与えて、んまーい!!
さすが牛すじ、煮込まれまくってもちょっとゼラチン質のプルプル感残ってるやーん!
1串なんて一瞬よ!一瞬!
皿の上に順調におでんの串が増えていく。
おでん鍋の湯気を眺めながら、水をちょびちょび飲んでると「はい!肉うどんね!」とおでんの真っ黒な汁と対照的に澄んだ出汁に浸かったツルッツルのうどんが出てくる。肉うどんなので、甘辛く煮込まれた牛肉の細切れがどっさりとのっている。
「牛スジと肉うどんで牛肉がかぶってしまったな」なんて思う間も無く、うどんはするすると口の中に入っていく。食べ進めるほど、黄金色のお出汁の上を牛肉のきらきらとした脂が散って、うどんをデコっていく。
ま、言うてね?ちょっと健康も気にするし?お汁は全部飲まんよ?
ごめんね…と、丼の底の方に申し訳程度のお汁を残し、完食。おでんを食べた数は串の数を数えて、セルフで申請して、伝票に加えてもらう。お会計をして、お店を出る。
あー、美味しかった。また来よう。
ね?おでんも結構主役級でしょ?
おわり
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