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ケアマネの業務範囲

先日、利用者のワクチン接種に同行した。通常はご家族の対応をお願いすることだけれど、キーパーソンが県外(緊急事態宣言の対象地)在住の甥・姪なので、ケアマネの対応するのが現実的という判断で行った。
賛否両論あることだけど、集団接種の会場の様子をみると、多分一人では混乱するし、係員も対応に苦慮して接種までこぎ着けるのは難しいと思われるので、自分としては同行して良かったと感じた。

受診の同行とか各種手続きに関すること、時々は自宅環境の整備(平たく言えば大掃除)等、ケアマネの業務の範疇に入れるか、入れないか微妙な判断を要することがある。

ケアマネの仕事は基本的には要介護の利用者が介護保険サービス、その他の資源を利用し、その有する能力に応じて自立した生活を営むことができることを目的として居宅サービス計画を作成し、調整していくこと。

この記事を書くために、運営基準にサラッと目を通してみたが、医療機関への同行とか介護保険外の手続きの申請など具体的な支援を促している部分は自分には読み取れなかった。*受診同行した場合に報酬算定可能となったけれど*
計画には、社会資源全般、必要なものを盛り込むように配慮するとか、日常生活全般に対しての配慮なども定められていて「必要な便宜の提供」「連携」という文面が、多分そういう行動の根拠となるのかもしれないけれど運営基準が定めているのは「計画作成」についてのみ、という印象を受けた。

ケアマネの業務は一連のケアプラン作成プロセスと給付管理、施設入退所以外には具体的な支援内容って示されていなくて、その業務の全てが個々のケアマネの「ケアプラン作成のために必要なこと」って解釈になるのだろう。
そのケアマネの考え方で、必要・不要の判断となるから、やり過ぎとかやらなすぎとかの意見の相違が出てくるんだろうな~

というわけで、受診同行とか、日常生活の中でやらかしてしまう行為についての可否の明確な基準は見つけられず、グレーゾーンはやっぱりグレーだなって自分は感じる。


そこで、ケアマネとしての自分の方針を考えてみた。結果、必要なことはやっていく。本人が自立できること、ご家族が対応できることは当然利用者にやっていただくように促す。自費のサービスとか社会資源でできそうなことは繋ぐ。それでも現状、誰もできなくて、ケアマネの対応が合理的・現実的ならば、ケアマネが行う。頻回になりそうなら改善策を見つける努力をする。
ここで、注意しなければならないことは、ルールを定めること。その利用者が可哀想とか好き、嫌いとかの感情とか、事業所や家族になんやかんや言われてうるさいからとか、そういう自己都合や不平等ではなくて、合理的に考えた必要性で判断すること。
できることは文句言わないで行うことだし、できないことはできないって伝える勇気と公平性を持つようにしたい。

ケアマネが何でも屋的な取扱いになるのは良いことではないと思うけれど、代替手段が見つからない、社会資源がない、サービス事業所の支援内容に柔軟性がない状況下でも、利用者にとって死活問題になり得るニーズがあってそれはケアマネが担わざるを得ないのかな、って感じる。
生活課題の全てを、既存のサービスや社会資源で賄うことは難しく、その利用者に応じた解決策を考える中で、グレーな支援は必要悪かもしれないと今は思う。
次に来る正論は資源の開発とか行政への働きかけ、地域活動になるんだけれど、ここでは割愛

何でもやってしまうことの弊害と本当に必要な支援について、個々のケアマネジャーとかサービス事業所が、運営基準とか職業倫理に基づいて検討し続けて、行動することが大事だと思う。