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61歳FIRE生活【マンション派、戸建派、運命派】 24.7.17 Wed.

存分に楽しんだ八丈島の旅から自宅に戻った翌朝。
「なんだかよく寝たな~」と言う思い。

遊び疲れたせいもあるけれど、旅から戻るといつも感じることがある。

やっぱり我が家のベッドが一番だ。

この安心感、この寝心地、この家にしてホントに良かったと、一人ほくそ笑む。

この戸建を買ったのは僅か四年前の2020年春。
コロナ禍初期の混乱期で、世界中がパニックになり始めた頃。

新卒採用者の取消し、突然のリモートワーク、外出抑制、飲食店の休業、テレビは朝から晩までコロナ特集だった。

転勤族だった僕は、20年ほど前に当時の勤務地 大阪に分譲マンションを購入したものの、長くは住めなかった。
海外勤務から帰国し、もうこの先は大阪で、なんて思っていたが、そうは問屋が卸さない。

再び東京への転勤。
まさか東京で2軒目を買うわけにもいかず、ずっと賃貸マンション暮らしが続く。その内、大阪に戻る見込みも途絶え、分譲マンションは売却した。

やがて50代半ばにもなると、やっぱり持ち家は欲しくなる。
あちこちのマンションモデルルームを見に行った。

これからの老後を考えるとフルフラットのマンション一択。

妻からの要望は、窓の多い角住戸で駅徒歩5分まで。
僕の希望は、地震に強い地盤と洪水津波に強い場所。
そして、カーテン嫌いの僕は、外からの視線を気にする必要がない高層階が理想だった。

しかし、東京都内では、そんな条件のマンションは、とんでもない価格になる。

マンション販売の営業マンの値踏みするような視線を感じながら、買う気は失せるばかりだった。

ある日、顧客先での仕事の帰りに、見知らぬ街を歩いていた。
高台にある清楚な雰囲気の住宅街。高級住宅が整然と建ち並ぶ。

道路を挟んで緑に包まれた公園に面した一画が、更地になっていた。立派な屋敷が建っていたのだろう。南向きの間口の広い、大きな敷地だった。

「うん???」

よく見ると、敷地は半分に区切られ、どうやら2軒の戸建てが建設されるようだ。

運命を感じた。
「なんだ、この立地は…」

緑に包まれた公園、高台、静寂、駅近。この土地のことが頭から離れない。

その日から、工事看板に書かれた建設業者を追いかけ続けること8カ月。
ちょうどコロナ騒動で全ての経済活動が止まろうとしていた時に、僕はこの物件を買っていた。

自らの心の声が聞こえる。
あれっ、老後を見据えてのフルフラットは? 高層階は? 
そもそも、とんでもなくお高いでしょ?

何人もの友人に忠告される。
いやいや、そんな事より、この先の経済がどうなるか分からない未曽有の混乱期に、本気でそんな物件を買うのか!

でも買ってしまった。
これは運命の出会いとしか言いようがない。

不安と喜びが混ぜこぜになったような妻の顔を見ながら、自ら「大丈夫、きっと何とかなる」と言い聞かせたのであった。

あれから4年。
専業主夫となった僕は、今日も家の隅々まで掃除に余念がない。

つづく。






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