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定年後でも楽しめるアウトドアスポーツ 6,000年の歴史のカヤックでゆく静かな冬の三浦半島(小網代湾〜城ヶ島)

シーカヤックの虜になって一年。
大海原へ小さな舟とパドル一本で漕ぎ出した。

風と波にもて遊ばれ、太陽を全身に浴びながら、人力で漕ぎ進む爽快感。

ふと太古の歴史に思いを馳せる。何千年も前にこのカヤックで海を渡り、日本に辿り着いたであろう人たち。

12月初旬の土曜日。気温は低いが、風波穏やかな好天に恵まれ、のんびり三浦の海上散歩を楽しんだ。

カヤックの歴史

カヤックのような乗り物は、ずいぶん昔からあるようだ。
なんと6,000年も前に、ユーフラテス川流域でシュメール人が使っていたとか。その昔、世界史で習ったメソポタミア文明時代で、場所は現在のイラク近辺であろうか。

それ以外にも、アメリカ大陸ではインディアンが、太平洋の島々でも先住民が、カヌーを使っていたらしい。

なんともロマンのある話ではないか。

カヌーとカヤックの違い

ところで、カヌーとカヤックは何が違うのか。
ざっくり言ってしまうと、カヌーは丸太をくり抜いて作ったオープンデッキの舟で、カナディアンカヌーに代表されるもの。

カヤックは、足から腰までが艇の中にすっぽり入り、お腹のあたりで密閉されている舟。
このカヤックも、地域によって、アリュートカヤックやイヌイットカヤックなどと呼ばれて、デザインや作り方が違うようだ。

シーカヤックは寒い地域の乗り物

北極圏では寒さは大敵。
冬の海に落ちたら命はいくつあっても足りたものではない。
シーカヤックは、約3,000年前から北極圏の寒い地域の乗り物で、なるべく艇内に水が入らない構造となったようだ。

先住民たちは、骨や木で骨組みを作り、「皮舟」と呼ばれるアザラシやクジラの皮を張った船体をつくった。この工法により、波や風に強く、沈みにくい特徴を持たせたようだ。

こうして作られた艇の中には、足から腰を入れ、アザラシの皮をなめした防水服や浮き袋を着用して、寒さや水濡れから身を守り、海で狩猟や移動を行っていたらしい。
現在のドライスーツやライフジャケットさながらのギアを、自然界の動物から得ていた知恵と技術には驚かされる。

そして、万一の沈(転覆)があっても、自らのパドルと腰を使って、"エスキモーロール"という素早く反転する技で危険を回避していたと言う。

因みに、このエスキモーロールは、現代のカヤックにおいても危機回避に重要な技。僕も何度となく練習し、最近ようやく安定して回れるようにになってきた。

と言うことで、シーカヤックは、夏のマリンスポーツのイメージがあるけれど、元々は寒い国の乗り物。そして現在も、春夏秋冬一年を通して楽しめるスポーツなのだ。

アリュートの3人乗皮舟 市立函館博物館から引用

ネイチャーラバー海のお散歩へ

小網代湾から外洋へ

そんな遠い昔に思いを馳せながら、澄んだ三浦の海を漕ぎ進めた。

小網代湾から外洋へ

12月というのに、海水温は意外に暖かい。気温より高い17℃。
パドルを漕ぐ手が海に触れる。暖かい!

諸磯崎灯台 付近

諸磯崎灯台

油壺湾を越えると、凛々しく佇む諸磯崎灯台が見えてくる。

夏は海水浴やシュノーケリングで賑わう諸磯崎。
祭りのような賑わいの去った静かな磯に、冬を感じる。

今日はここでお昼休憩。

諸磯崎でランチ

城ヶ島 付近

さらに南に進路を取り、城ヶ島へ向かう。
狭い水路の両側にはたくさんの釣り人がいた。

城ヶ島

本日はここまで。小網代に戻ります。

アラ還の皆さんにもお勧めです

澄んだ青空と冬ならではの透き通る海。
色とりどりの帆をなびかせる美しいヨットの数々。

海中を覗くと、沢山の小魚達が群れをなして縦横無尽に舞い踊る。
イワシ達かなぁ。

艇の前では、トビウオが大きな翼を広げ、優雅な低空飛行で飛び去った。

全てが絵になる静かな冬の三浦半島の海。
還暦FIREでの自由に感謝しつつ、シーカヤックならではの絶景を楽しんだ。

では、また次の旅で!
bon voyage

↓↓↓ こんなダイビングの旅動画もあります。

https://www.youtube.com/watch?v=l4toYaH45cY



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