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61歳FIRE生活#7 :専業主夫の平日ルーティーン...主夫としての家事は手伝いとしての家事とは違うに気付く。

38年間のサラリーマン生活から解放されて、自由に気楽に過ごす日々。当初は、やることがない暇な生活を恐れたが、意外に忙しく(サラリーマン時代の忙しさとは質が違うが)、アッという間に一日が終わる。


平日のルーティーン

平日も休日も関係なく、毎日が日曜日のようになると考えていたが、意外にそうでもない。

まず僕は、フルタイムで働く妻に代わって、掃除・洗濯・料理といった家事一切を引き受けることにした。小さな戸建での夫婦二人暮らしなのだが、家事と言う漠然とした業務には、毎日けっこうな時間を取られる。

morning

当然のごとく、専業主夫は先に起きて風呂を入れることからスタートする。
簡単な朝食をつくり、働く妻を笑顔で送り出す。

午前中に掃除・洗濯を済ませて、少し本でも読みたいと思うのだが、気になると徹底してやりたくなる性質が困りもの。
長年適当な掃除で済ませていた水回りや家中に貼り巡らされた目地などに手を出そうものなら、あっという間に午前中は終わる。

そう言えば、現役時代にはパワポの提案書の細部にこだわり、夜遅くまで飽きずに手直しをしていたものだ。性格は変わらない。

この3カ月で隅々まで綺麗になった我が家に、今や大黒柱の妻の喜ぶ姿が、少しうれしい。

lunch

昼食は、節約志向で外へ食べに行かず、残り物で済ませることに決めている。お金に困っているわけではない。FIREの計算にも狂いはないはず。
しかし、毎月の収入が途絶えることのインパクトは大きい。

なんせ、38年もの長きにわたって、毎月25日にはまとまった給与が振り込まれていた。パブロフの犬が如く身についた習慣が途絶えるのは、分かっていた事とは言え、言い知れぬ寂しさと不安を感じさせるのだ。

とは言え、残り物ランチは苦ではない。昨晩の残りに若干の工夫を施し、新たなメニューにうまく変身させた時の小さな喜びも悪くない。

afternoon

ランチ後は、気の向くままにではあるが、けっこうなボリュームの業務を日々粛々とこなしている。

断捨離で始めたメルカリ。これが思いの外に楽しい。
商品紹介の文章を凝らし、絶妙なラインで設定した価格で売れた時の喜び。
長年のマーケティング経験を活かすチャンスとばかりに悦に入ってやっている。

本棚を占領していた二度読まないであろう本たち。
クローゼットの奥にしまわれていた四半世紀前のカバンたち。
そこら辺りのスーパーの周年事業でもらったエコバック。
見栄で買った音がうるさく場所を取るワインセラー。
仕事でガンガン使っていたヘッドセットやACアダプター。
何で買ったのか?全く使わず放置されたモノたち。

まとめて捨てるしかないと思っていたモノたちが、売れていく不思議な世界。手放す寂しさはあるが、エコサイクルの中で再度役に立つのなら、モノたちも幸せだろう。
近頃、メルカリのビジネスモデルに感心しきっている。メルカリへの投資を考えたいくらいだ。

動画編集という業務もある。
僕が所有するのは、DJI Osmo Action3というGO PROみたいなアクションカメラ。これで趣味のスキーやダイビング、カヤックの様子を撮影している。
撮影は簡単なんだが、見やすく編集するのは一苦労。
凝り始めるとキリがない世界だが、最新ソフトを使った編集作業の奥は深い。その気になれば、商売になりそうな気もする。

撮るだけ撮って放置された動画の山を前に、いつか動けなくなった時の老後の楽しみのために、日々編集して悦に入る。

そして、気まぐれに書き始めたnote。
これだけ長く生きてきたので、何か価値ある情報を残せないものかと思うのだが、有料note記事でお金をいただくほどの才覚はない。

たまに、「♡スキ」をくださる皆さんがどういう人なのか、何を気に入っていただいたのか、気になって仕方がない。これも長いマーケティング経験がなせる業か。

せめて読んでいただく方がいるだけでもありがたいと思いつつ、今日もキーボードを叩いている。

こんなことをしていると、あっと言う間に夕方になる。
座りっぱなしは体に良くない。ジョギングついでに晩ごはんの買い物に出かけることになる。その前に、洗濯物を取り入れるのを忘れてはいけない。

evening

多摩川の土手を夕日を見ながら走ることが多い。今の季節は空気が澄んでいて富士山が綺麗に見える日が続く。

まだ17時過ぎなのに、意外に若い人とすれ違う。どういう職業の人なんだろう? 今日はリモートワークだったのか?
僕もリモートワークサボり組と思われてるのだろうか?
なんて、どうでもいいことを観察しながら走っている。

結局のところ、自由に生きる無職FIRE主夫生活に慣れることができず、傍目を気にしている僕なのだ。

dinner

5kmのジョギングの後にスーパーに立ち寄る。
この3カ月で学んだことは、食品の値段は、日によって大きく変わるということ。鶏もも肉なんて、60円台の時もあれば180円台の時もある。日ごとに3倍近い値幅があるなんて、株式投資を遥かに超える価格変動ではないか。

この大きな価格変動によって、僕の献立はいつも予定変更を余儀なくされる。本日の特売品を柱に据えて、あらためてクックパッドさんに相談するのだ。

アレコレ考えながら晩ごはんの支度を始めると、妻からLINEでカエルコール。急がなければ…

これまで、家事はほとんど妻がやっていた。
僕が帰宅する時間には、晩ごはんの用意はできており、洗濯物はたたんであった。もちろん妻は以前からフルタイムで働いていた。

感謝、感謝しかない。

令和になっても多くの女性が、家事を一身に背負っているのではないだろうか。リモートワークや時短勤務は充実してきたが、それだけでは女性の家事負担軽減には十分とは言えない。

男性の家事参画が進まないと根本解決には至らないことに、今更ながらに気付いたのであった。

FIRE専業主夫となって3カ月。地に足ついた生活スタイルになるには、もう少し時間がかかりそうだ。

第八話につづく

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