見出し画像

髪を切っても何も変わらない【ちいさな日常】

髪を切った。

「失恋したら髪を切る」なんて言うけれど、失恋しなくても髪は切る。そして、何か変わるんじゃないかと期待するけれど、変わらないことのほうが多いことも、知っている。

ストレート、カラー、カット、トリートメント。

美容院代はいつも高い。果たして自分という人間にそこまでお金をかける価値があるのか、といつも思いながら、お金をかけている。

こうやって書くと、髪を切ることは宝くじを買うことと、似ているような気がしてきた。もしかしたら当たるんじゃないか、でもどうせ当たらないだろう。

そしてやっぱり当たらない。こんなもんだよなあと思いながら、少し諦めきれない自分もいる。

美容院はそんな場所でもあるかもしれない。

美容院にいくと、普段読まない週刊誌や洋服の雑誌を読み漁る。自分で買うほどではないけれど、読めば読んだで面白い。あれって、自分の家とか本屋さんで読むと多分そんなに面白くないんだけど、美容院で読むと面白いのって何でだろう。

たまたま広末涼子について書かれた記事に目が止まったので読んでいると、こんなことが書いてあった。

私、願いというものが悉(ことごと)くかなってしまうのだ 
週刊女性

素直にいいなあ、と思ってしまったけれど、そのあとを読むと、叶ったら叶ったでそれに抗いたくなるというか、ツマラナくて、また別の方向に向かいたくなる、というのが人間の性なのかな、というようなことが色々書いてあった。

いずれにしろ、表面だけで人を判断するものではないんだよな、と思った。

満たされているようで、満たされていなくて、そんな曖昧さで日々を過ごしていいのかもしれない。

お盆休みも、しっかり現実を生きている。銀行とか郵便局に行ったり、役所に手続きに行ったり。ある意味普段行けないところに、毎日行っている。どこかで思いっきり羽を伸ばしたいな、という気持ちもあるけれど、正直羽の伸ばし方がわからない。

けれど、そんな淡々としているところにふっと想像を超えるようなことがたまーに起こるから、心のカメラはいつも構えておかないといけないな、と思っている。

まあそんなに力入れずに、のんびりと、お酒でも飲みながら。

ありがとうございます。文章書きつづけます。