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自分らしい暮らしについて考える

「自分らしく」という言葉があります。素敵な言葉だと思います。
でもこの言葉の意味を考えると、なんとも曖昧な感覚を抱きます。
自分らしくってどういうことでしょうか?

他人とは違う自分ならではの特徴でしょうか?
でも何も意識しなくても私は私であなたはあなたです。
仮に自分とはこういう人間です、と宣言したとしても来年には変わっているかもしれません。
また宣言する事によって自分の人生を制限してしまう可能性もあります。
特徴的な自分とは流動的です。
だから私は自分らしくという言葉には慎重に使うようにしています。

ですが、住宅を提案する上で「自分らしい暮らし」という言葉を使う事があります。
ここでいう自分らしいとは、特徴的な自分のことではありません。

自分の頭で考えたり、何かを主体的に感じる事を指します。
私たちは普段からたくさんの情報の海の中にいます。スマホの登場により、それは身体の一部となり、SNSにより情報に接する頻度は加速しました。
すると自分で考えたり感じたりする機会が減ってきたような気がします。

今の情報社会からたくさんの恩恵私たちは受けています。それにより主体的に物事を考えなくなり、他者の考えで行動する危険性も一方で出てきています。
最近ではAIによるチャットで検索そのものが変化し、AIが答えを出してくれるサービスも登場しました。まだ間違いは多いようですが、今後はAIに判断してもらうことが一般的な世の中になるのかもしれません。

そんな現代で、自分らしい暮らしを考えた時に私は「余白」のある暮らしがそれにあたるのだと思います。
必要な機能で全て満たされた空間だけではなく、どこかに余白のある空間。
そんな余白は、少しの間主体的に考え感じる時間を与えてくれると信じています。

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