設計事務所は高いのか??住宅の設計料について考える
マイホームを考えるときに、設計事務所を選択肢としてあげる人は少ないと思います。
私は住宅の地震被害の調査で100件以上を訪問しましたが、多くがハウスメーカー、次いで地元の工務店、1件だけ設計事務所が設計したものでした。
それほどまでに設計事務所を選択する人が少ないのが実情です。
理由としては2つ考えられます。
一つは設計事務所という存在自体がマイナーであるということ。二つ目は敷居が高く感じられることです。
一つ目は設計事務所は知っていても、住宅はハウスメーカーや工務店が建てるものと思っている場合もあると思います。
敷居の高さは、設計料が高いというイメージ、設計士はクセが強いというイメージがあるからかもしれません。
設計士はクセが強いことが多いのは事実だと思います。だからこそ最初に自分の要望をきいてくれる人かどうか見極める必要があります。
今回は設計料について考えてみたいと思います。
設計料とは何か??
設計事務所に依頼する場合は工事費とは別に設計料がかかります。
住宅の場合、設計料とは設計業務と監理業務の2つの対価として支払われる報酬です。住宅の場合としたのは、大きい建物の場合は設計料と監理料が分かれている場合が多いからです。
設計とは、文字通り設計をする行為です。具体的には要望をきいて工事に必要な図面を作成することを指します。
監理とは馴染みのない言葉だと思います。工事の現場管理の「管理」と文字が違います。
工事の際は施工会社が職人さんたちをまとめ、工事の工程管理、安全管理、品質管理を行う現場監督が存在します。監理とは工事が図面通りに出来上がっているか、現場監督とは別の立場で確認することです。
高い品質を確保するためには設計だけでなく、監理業務も非常に重要な役割になります。
設計料の相場
設計事務所の設計料の相場は工事費の10%前後としている事務所が多いです。また面積に対して金額を決めている事務所もあります。
工事費が2000万円の場合
設計料200万円
総額2200万円+税
ハウスメーカーや工務店は見積金額に設計料の記載がないか、あっても数十万円と設計事務所に比べて低く記載されています。
そのため、設計事務所に設計をお願いすると、ハウスメーカーや工務店と比較して設計料分高くなるように思ってしまいます。
ただし、同じ建物の仕様、間取り、品質で比較した場合はそうなるわけではありません。
分かりにくい工事費
住宅の工事費は大変分かりにくい構造になっています。
まず会社によってお金の出し方が違います。さらに細かく工事費が分かれていない場合もあるため、何にいくらかかかったか分からないです。
設計料と仮に記載されていなかったとしても、設計をする人は存在します。そのお金は経費の中に含まれているか、工事費に案分されているかのどちらかです。
設計事務所の設計業務の中には工事費の確認・調査業務も含まれているため、工事費一つ一つを精査します。また複数社から工事見積をとりその妥当性の確認を行います。
そのため設計料と工事費の総額で比較した場合は、必ずしも設計事務所が高くなるとは限りません。むしろ、メーカーの制約がない分細かな調整が可能です。
そもそも比較できない
以上のように設計事務所の設計料は高いわけではないということが分かります。ただし、そもそも同じ建物の仕様、間取り、品質で比較することはできません。
ハウスメーカーや工務店の多くは、仕上や工法に決まりがあります。それは効率性や大量に仕入れることによるコストダウンが理由です。
ハウスメーカーや工務店のHPにあげられている建物が好みの場合は、設計事務所に同じような建物を設計してもらっても総工事費は高くなります。それは効率性やコストダウンのハウスメーカーならではのメリットを享受できないからです。
代わりに、自分だけの暮らしにあった間取り、仕上、工法などを設計者とい一緒に考えたい場合は設計事務所がおすすめです。
アトリエ ユルリ
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