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いたずらって悪いこと?

「いたずらするな!」

テレビでも漫画でもよく耳にするこのセリフ。

もちろん日常生活の中でも身近な言葉になっていますよね。


しかし、はたして「いたずら」は絶対悪なのでしょうか?

今回は、ボクの体験談をもとに「いたずらって悪いこと?」について深掘りしていきたいと思います。


A君の話

ボクは、12年間小学校の教員として働いてきましたが、それはもう数々のいたずらっ子に出会ってきました。

その中でも、印象に残っているA君の話をここでご紹介します。


普段からあまり落ち着きがなく、クラスでも目立つ存在だったA君。そんな彼に出会ったのは、A君が4年生の時でした。

前学年の担任からは、A君の数々のいたずらについて聞かされていました。「これから一年どのようにして付き合って行こうか」と不安を抱えながらのスタートだったのを覚えています。

最初は、静かにしていたA君でしたが、2ヶ月ほどたった頃でしょうか。ボクは、クラスに入る前に異様な雰囲気を察知します。

「ガラガラガラ」教室のドアを開けたその瞬間

ボクの目の前を何かが通過します。


そう、A君の筆箱です。


つまり、A君はボクが教室に入ろうとした時に、頭の上に筆箱が当たるようにいたずらを仕掛けていたのでした。(テレビでよく黒板消しを仕掛けるあれですね)

「コラ!」と叱るかと思いきや、意外にもボクの口から出た言葉は

「惜しかったね」

の一言でした。

A君は少しニコッとした後にとても不思議そうな表情で筆箱を拾いに来ました。

そしてボソッと「なんで当たらなかったんだろう」と一言。

それからA君は、筆箱の中身の量を調整して落下速度を変えてみたり、挟む位置を少しずらしてみたりと仮設検証し始めたのでした。

「もう一度入ってみて」

A君の実験に付き合いながらも、ボクはこんな一生懸命に学ぶA君の姿に「いたずらのもつ可能性」を肌身をもって感じたのでした。

「先生を困らせてやろう」というような悪意はそこには微塵もありませんでした。


子どものいたずらへの対応方法

「いたずらは子どもの思考力を伸ばす大切なもの」

だからといって、「どんどんいたずらしましょう!」なんて言えないですよね。

では、どのように子どものいたずらに対処していけばいいでしょうか。

先ほどの例の場合、ボクは散々仮設検証して満足したA君に最後にこんな言葉をかけました。

「うまくいってよかったね。ただ、先生痛いのはやっぱり嫌だから柔らかい筆箱にしてね。あと、怒る人もいるからその点はしっかり考えるんだよ」と伝えました。

A君は笑顔で「うん」と頷いて席につきました。


ここでボクがA君に伝えたかったのは

①危険かどうか
②相手が不快に思うかどうか

の2点でした。

なんといっても相手はまだ子どもですので、そこら辺の判断は甘くなります。

大人としての視点で今のいたずらは、危険だったか、相手が不快に思ったかについて判断し、教えてあげる必要はありますね。


まとめ

ここで言いたかったのは「子どものいたずらは絶対悪ではない」ということです。

いたずらには、子どもの興味関心が詰め込まれています。子どもにとって学校の授業よりも何倍も楽しい学びなのです。

しかし、先述したように、やはり①危険ではないか②相手にとって不快だったかどうかの2点は大人がしっかりと判断して伝えていく必要がありますね。

以上をまとめると

「子どもの興味関心に寄り添いながら、大切なことは教えていく」というスタンスがベストだ!というのがボクが導き出した答えです。

決して、頭ごなしに「コラ!」と叱ってはいけませんよ。

子どものいたずらを「良い学びのチャンス」という目も持ち合わせながら子育てを楽しんでいきましょう。


以上、ガクせんでした。

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