ひきこもりを数年やってみた結果、得られたモノもあるという話
たまには元ひきこもりっぽいコトを
書こうと思う。
僕は一応、元ひきこもりガチ勢である。
ガチ勢…が、どの程度のものなのかは
各々ラインが違うのかもしれないが
少なくとも僕は
数年ほぼ部屋から出ていなかった。
とは言え、コンビニに行くことはあったし
年に数回、友達と遊ぶ機会はあったけども…。
それは勿論、決して楽しいものではなく
苦行のような日々だったと記憶している。
さて、そんな時代を振り返って
自分なりに学び取ったモノについて
考えてみようと思う。
当然、ただの持論なので
個人差はあるし参考程度にどうぞ。
1.謎の我慢強さ
よくひきこもりと言えば、
根性がないというのがステレオタイプだが
僕は逆だと思っている。
ひきこもりは我慢強い。
勿論精神的に…という話である。
フィジカルは長期のひきこもり生活で
当然衰えるのだが、
繰り返しになるけども
ひきこもりの生活というのは苦行である。
そりゃ、生命の危機に至るひきこもりは
日本では少数派だと思うが…
長期のひきこもりは
社会的な生死で言えば危機的な状況だ。
これから、どうすればいいのだろうか…
数年の空白期間がある自分を雇ってくれるマトモな会社なんてないだろうし…
親とは気まずいし、友人とは疎遠になるし…
と、ネガティブな……
しかし妄想的とは言えない現実的な思考が
一日中頭の中をぐるぐる回る。
自分が、社会的に死んでいくのを実感しつつ
1日1日噛み締めて
しかし生命的には終わる事なく、生きていく。
正直、戻りたくないあの頃…である。
そんな中で精神のバランスをギリギリ保ち、
特に精神病と診断されることもなく
やり過ごせていた自分は幸運であり
おそらく、精神的に結構強い方なのだろう。
実際に、社会復帰後は
もうひきこもり無職には戻りたくねぇわ…
という思いもあり
同じバイトを5年くらい続けられたし
同時に、
入学から卒業するまでに脱落してしまう人が
半数以上いる夜間の学校も
曲がりなりにも卒業することが出来た。
その後のパワハラが横行する職場も、
(まあ超だるかったけど)一応、乗り切りはした。
自業自得な面もあれど
社会的な深淵を味わったことで
胆力が身に付いたのは確かだと思う。
2.プライドを捨てる能力
ひきこもりになると
おそらくプライドを捨てることになる。
長期のひきこもりというのは
基本的に持たざる者である。
無職なのでお金はない。
社会的な地位もステータスも当然ない。
学歴や華々しい学生時代の経験…
そういったものがあっても、
空白期間や社会からの厳しい目に上書きされる為
長期ひきこもりにとっては、殆ど意味がない。
半強制的にミニマリストのような
生活をすることになる。
欲や、世間体、ステータスへの拘り
そして、そういうものに対するプライドは
全て捨てる…
というより捨てざるを得なくなるのだ。
結果として
世間体や地位やステータスに依らず、
良くも悪くも
素手で、無頼で生きていく決意が出来たと思う。
おかげで自分の場合は
「大卒なら大卒っぽい仕事をしたい」とか
ニートになる前は思っていたけれども、
職業選択……
というか生業を選ぶ上での視野が広がって、
曲がりなりにも、
型にはまらない生き方が出来るようになった。
副次的な作用として、
節約スキル…というか
自分にとって必要なモノを取捨選択する力も
身に付いたかもしれない。
3.内省力とメタ認知
ひきこもりは毎日部屋で何をしているのか?
ただ単にゲームをしたり
YouTubeを見たりしているだけではない。
先ほども書いたが
毎日ひたすら考え事をしている。
自分は本当は何がしたいのか…
どう生きていきたいのか……
自分にとって本当に大切なものとは?
自分は何故今辛いのか?
現実的な対策は?それに伴う感情は…?
などなどだ。
勿論、明確な答えは出ないことが多いが
ひたすらに毎日自分と向き合っている。
イメージ的には
禅などのスピリチュアルな修行に近いのかも…。
毎日自分と向き合った経験がある人は、
意外と少ないのではないだろうか。
少なくとも、ひきこもる前の自分は
ただ何となく生きていた。
毎日内省し続けることに何の意味があるの?
と思うかもしれないが
僕は意外と大事だと思っている。
大局的には、自分の生き方を自分で選ぶために
ある程度必要な作業だと思っているし
細かいテクニックとしてみても
物事や出来事
そして自分自身を俯瞰して見る癖がつく事には
メリットがある。
例えば、仕事で何か嫌な事があった場合
自分は何故今ムカついているのか…
その怒りは正当か不当か?
考えすぎか、そうでないのか?
どうでもいいのか?
怒る必要はある?ない?スルーする?
その結果どうなる…?
などと考える事は
アンガーマネジメントに役立つし
上司の小言をスルーしたり
ポジティブに捉える際にも役に立っている。
完全に自分自身を理解し
感情に縛られず、
自分を操ることが出来る域には
僕は到底至っていない……が
子供部屋で365日毎日、
くよくよと考え事をしていた経験は
無駄じゃなかったなと、今は思っている。
以上、大まかではあるが、
ガチひきこもり経験で得た
スキルのようなものについてまとめてみた。
多分他にもたくさんあると思う。
履歴書上の空白期間は
決して無駄な空白ではないと思うけど
まあ面接なんかじゃ、
理解してくれる人は少ないよね〜(笑)
最後までお読み下さり、ありがとうございます。
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