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病名という殻

水野しずさんのブログがすごく好きで、っていうわけではないんだけどたまたまTwitterで回ってきた記事の言葉を私はむちゃくちゃ刻んでる。

"認めない。お前の社会から疎外される性質を切り取って名前をつけたものをお前だとは絶対に認識しない。そんな人間私の脳からは消してやる。”

水野さんご自身、障害を持っていらっしゃるらしいのだけどそんな水野さんの「ファン」の一部から届くメールを取り上げた記事から抜粋したこの言葉。メールの一言目に「自分は発達障害で」、「統合失調症を患っていて」など病名を名乗る人が多いそう。

水野さんはそんな一部の「ファン」に対して、〇〇という障害を抱えているあなたではなく、”あなた”個人は誰なのか、を聞いてるんだろうなぁ…と当時、記事を読んで思った。


私の周りにも、もちろん私自身も精神疾患を患っていたり発達障害を抱えている人が多い。

語弊を承知でいうのだけれど、病名をつけられて安心してしまう人のほとんどは確かに精神疾患や発達障害の症状はあれど、「なんとかしたい」とはあんまり思っていない場合が多い気がする。

そう思えなくなってしまうことがすでに病気、と呼ばれるものなのかもしれないけれど、どれだけ周りが必死にサポートしようとしても結局殻に閉じこもってしまう。

病名という殻の中に。

うつ病だから、統合失調症だから、発達障害だから。そんな言葉を枕詞に持ってきてはいろんな手を断ち切ってしまう。でも誰かにわかってほしい、聞いてほしい、助けてほしいと永遠と自分で断ち切ってしまう手を求めている。

そうしていつの間にかひとりぼっちになっている知り合いを何人か見てきた。

切実に願うのは、どうかあなたに伸ばされている手はあなたが病気だから差し出されているわけではないことに気づいてほしい。

あなたを支えたいと思う人やあなたの言葉に共感してくれる人。あなたの歌が好きだと言ってくれる人や”あなた”を好きだと伝えてくれる人のことをどうか、自分自身で断ち切らないでほしい。

病名という殻からでることは決して治癒することではない。

あなた自身が”自分”を知りえることなのかもしれない。


水野しずさんのブログはこちら



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