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【三方五湖周辺の地形と歴史:神社の名前も変わりゆく】ゆるく楽しむ月曜地質学:2023年6月19日号

仙台市では先週から梅雨入りしましたが、例年よりは晴れの日が多い気がします。仙台の梅雨は、ザーザー降りではないにしても、霧雨が降ったりやんだりで10日くらい太陽が出ない状態になり、その間に家庭菜園の野菜が病気になるんですよねぇ。
今年はせめて4日に1日は晴れるくらいでとどまって欲しい!

由緒ある神社

ここ最近は三方五湖のとある地域について紹介しています。
今回も同じ地域の歴史についてお話ししましょう。

三方五湖周辺地形図:スーパー地形画像に筆者一部加筆

今回も水月湖の北東の地域です。

水月湖北東部地域の古地図(若狭国より抜粋):国立公文書館アーカイブより

古地図の赤丸に「〇〇大明神」と書いてあり、その隣には、鳥居と神殿の絵も描かれています。
これまで古地図を見る限り、全ての神社が記されていることはなく、例えば名古屋市の熱田神宮などのように、大きくて由緒ある神社が、このように絵が描かれている印象です。

この神社も由緒ある神社なのでしょう。

おそらく「上瀬大明神」と読むのだろうと、現在の地形図で確認してみたのですが・・

水月湖北東地域の地形図:スーパー地形より抜粋

「上瀬大明神」も「上瀬神社」もありません。
上図赤丸のように、「上瀬」という地名はあって、その上に「宇波西神社」と書いてあります。
「もしや?」と検索してみたら、やはり「宇波西」と書いて「うわせ」と読むようです。確かに由緒ある神社でしたが、過去の名前についての記載は見つからず・・

以下のサイトでやっと見つけました。
地元の人々からは「上瀬大明神」と呼ばれているそうです。

なお現在は神社の前を流れている川が「宇波西川」ですが、もともとが「上瀬大明神」だったとすると、昔は上瀬川だったのでしょうか?

確かに、いくつかのサイトでそのような説明があったのですが、そもそもこの場所は、1662年寛文大地震以前は気山川(きやまがわ)だったハズ・・。
もともと気山川は支流で、本流が上瀬川だったのか?
それとも地震で流れが変わったので上瀬川と改名され、その後、神社の改名と一緒に宇波西川と再改名されたのか?

このあたりは、地元のお年寄りに聞いてみないと分からないのかも知れませんね。

最近では市町村合併等で地名が変わることがあり、否定的な意見もありますが、案外と昔から、様々な理由で地名が変えられる事例は多そうです。
大切なのは「地名を変えないこと」ではなく、その時代に応じて地名を変えるにせよ「改名の歴史を記録し、後世へ伝えていく」ことなのでしょう。

今週の予告

今週も金曜の投稿を目指して執筆予定です。
先週は土曜日が体調が悪く、結局は日曜日になってしまいましたが(;^_^A

〇6/23 金曜日:日本の歴史と地形・地質
絶体絶命の挟み撃ち:「金ヶ崎の退き口」を地形・地質的観点で見るpart6【合戦場の地形&地質vol.3-6】
※タイトル変更の可能性あり


では、今週もよろしくお願いいたします。

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