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ひと目で分かる"交通の要衝"【都道府県シリーズ第2周:山形県 三川町編no.1-1】

都道府県ごとに地形・地質を見ていく「都道府県シリーズ」。
2周目をしばらくお休みしてしまっていましたが、最近ようやく復活!
福岡県の次は山形県です!!


はじめに

山形県は東北地方の南西部にあります。
宮城県仙台市在住の私にとっては身近なお隣県ですが、地理が苦手な方々のために、位置関係の図を貼り付けますね。

山形県の位置
山形県の位置②:スーパー地形画像に筆者一部加筆

赤色が山形県です。

山形県地形図:スーパー地形画像に筆者一部加筆

山形県は山間地域が多く、ところどころに盆地があります。

山形県地形図 市町村境:スーパー地形画像に筆者一部加筆

そんな山形県は35市町村に分かれています。
ちなみに山形県のかたちが左を向いている人の顔に見えることから、このかたちを顔にした「ゆるキャラ」があります。


山形県市町村一覧表:筆者作成

市町村名は上の表のとおり。
35市町村なので6分割し、3回サイコロを振って決めました。

山形県市町村一覧表②:筆者作成

「6」→「4」→「5」で三川町(みかわまち)です!

三川町ってどんなところ?

では山形県東田川郡三川町とは、どんなところでしょう?
まずは場所を確認。

山形県東田川郡 三川町の位置:スーパー地形画像に筆者一部加筆

三川町は上図の着色箇所です。
まるで横顔の「目」に見えますよね(笑)

山形県東田川郡 三川町の地形図:スーパー地形画像に筆者一部加筆

拡大図です。
これを見れば一目瞭然ですが、三川町はなんと全域が平野です。
山形県の中で「山が無い」唯一の市町村だそうです。
四方を囲むように複数の河川が流れており、水の豊富な平坦地なので、ほぼ全域が田園地帯になっています。

一方で、北は酒田市、南は鶴岡市と隣接しており、交通の要衝としての役割もあるようです。
その証拠の1つとして、県の出先機関である庄内総合支庁が三川町に所在しています。

交通の要衝を目で感じよう

三川町は全域が平野であり、地質は全域が約1万年~現在の河川堆積物です。
そのため三川町内で地形・地質的特徴の違いを語るのは非常に難しいので、周囲の市町村と比較しながら、三川町の特徴を見定めてみましょう。

山形県東田川郡 三川町周辺の地形図:スーパー地形画像に筆者一部加筆

上図の赤色が三川町です。
周辺の平野である庄内平野のほぼ真ん中に位置しています。
南と東に山地があり、南の山地から流れて来る川が三川町に達しているのが分かります。

山形県東田川郡 三川町周辺の地形図②:スーパー地形画像に筆者一部加筆

分かりやすいように川筋をなぞってみました。
これを見ると、確かに南の山地から流れる河川が三川町を通っているのが分かると思います。
現在のような車社会になる以前は、物流の中心は水運でした。
そう考えると、南からの河川の大部分が通っている三川町は、まさに交通の要衝と言えると思います。

ちなみに、庄内平野から日本海へ注ぐ主要な河川は2河川です。
1つが三川町の真ん中を通る赤川(あかがわ)、もう1つが三川町の北を流れる最上川(もがみがわ)です。

なお最上川は山形県最大の河川で、内陸のほぼ全ての盆地・主要都市を通過して日本海に至ります。
最上川沿いは多数の紅花産地があり、紅花は江戸時代は染料や化粧品として重宝されていたことから、最上川から日本海を通じて京都・大阪へ流通していました。
そのような歴史的背景からも、庄内地域は商業が盛んだったとイメージできます。

山形県東田川郡 三川町周辺の地形図③:スーパー地形画像に筆者一部加筆

庄内地域でも特に商業が盛んだったであろう最上川は、三川町内を通過こそしていませんが、実は藤島川を介してつながっています。

上の図を見てみましょう。
三川町の東を流れる藤島川は、その下流で京田川に合流し、その京田川が最上川に合流しています。
このことから、南の物資を最上川経由で県外へ送るのはもちそんですが、逆に、最上川に集まった物資を南へ運ぶ際の中継地点にもなっています。

まさに交通の要衝ですよね。

次回は三川町と水害の関係についてお話ししたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。

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