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"好き"の原動力

この秋、初めて1人で関東圏外の地に赴くことになった。場所は福岡北九州。
目的は「推し」に会いに行くためだ。


今まで1人で関東圏から出たことがなかった。
新幹線に乗ったのも、退職後の旅行のときが初めて。それも関東圏内。
誰かと一緒なら別だが、方向音痴だし長時間の移動は疲れるし、関東圏内にも魅力的なスポットはたくさんあるから、よっぽどのことがなければ出なかっただろう。
おまけに今は無職。収入もない。
交通費と宿泊費だけでも軽く5万は飛ぶ。

それでもどうしても行きたい理由があった。
私の推しが今回のツアーをもってグループから卒業してしまうのだ。



推しはじめてから2年弱、ご時世柄もありライブやイベントに行ったことは一度もない。
それでもいつか絶対に、生で観たいと思っていた1人だった。
チケットも特に関東圏内となるとそう簡単に取れるような倍率ではないので、今まではライブビューイングに甘んじていた。


しかし卒業ともなれば話しは別だ。
収入はないが時間はいくらでもある。
ツアーなので行けそうな場所に手当たり次第チケット申し込みをして、現段階でなんとか勝ち取れたのがこの福岡公演だ(欲を言えばもっと近場の行きやすいところが当たってほしかった)。


5万円以上の出費、往復12時間の移動。
それだけかけて行ってもゆっくり観光している余裕はない。
それでも推しをこの目で観たい。
ただそれだけのシンプルな動機。


「好き」の原動力は偉大だ。
「好き」だからたった数分のアトラクションのために3時間でも並べるし、「好き」だから推しメンのために同じCDを何十枚も何百枚も買えたりする(私はそういう推し方はしないが)。



この概念で言えばやはり、「好き」を仕事にできたら最強なんだろうなと思う。

高校時代進路に悩んでいたとき、担任に
「好きなことでお金を稼げる人は一握り。ほとんどの人が何かしら妥協している。仕事は仕事で待遇で選んで、それで稼いだお金で趣味を楽しめばいいと思う。」というようなことを言われた。
たしかに、と思い私は地元でそれなりの企業に就職した。

実際待遇はよかったと思う。ボーナスが求人票に載っていた額をだいぶ下回っていたこと以外は。
もちろん繁忙期など大変なこともあったが、私はそれなりにホワイトな待遇の中で働けていた。
まあそれでも無理なものは無理だったが。



紆余曲折あって辞めた今、やはり次は少しでも「好き」を感じられる仕事がしたいと思う。
仕事内容でも、一緒に働く人でも。

そのために日頃から、自分の「好き」に忠実に、感度をあげて日々を過ごしていきたいと思う。


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