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「UFO情報リーク問題」をポーカーで考える

昨日、アメリカ下院の公聴会で、デイビッド・グローシュという元空軍の情報局員だった人物が証言して話題を呼んだ。ただし、とくに目新しい情報は出てきていない。

グローシュ氏自身は、直接の目撃者ではない。情報部員として何十人もの関係者を聴取した結果として、

政府はまちがいなくUFOの残骸を隠している

と確信したと語っている。彼自身は肝心の情報にはアクセスできなかったそうだ。

本人は信じている

正式な公聴会で宣誓を行って証言したのだから、偽証とわかれば罪に問われるわけで、本人が確信を持って語っているのは、まちがいない。

すでにいろいろな報復攻撃を受けているそうだし、彼に証言してくれた人々も物理的な危害を加えられていると語っていた。

こうしたことが騒がれること自体は悪いことではないと思う。これまでならタブロイド紙のネタだったことが、権威ある新聞やテレビで報じられるようになったのだから。

ぼく自身の見解

そのうえで、ぼく自身の見解を書いておきたい。あくまで

こういう見方もできる

ということです。

グローシュ氏やその他の人々は、もちろん純粋な気持ちに動かされての告発だろうが、その上で政府に利用されている可能性も否定できないとおもうのだ。

ポーカーのようなゲームの理屈から考えればそうだとしか思えない。

UFOは脅威なのか

さて、公聴会では、参加者が口々に

UFOは安全保障上の脅威だ

と答えていた。

はたしてそうだろうか?仮に何かが飛び回っているとしても、これまでのところ特に国民の安全を脅かすようなことは行われていない(誘拐されたと言ってる人々はいるけど)。

その意味では、未確認の物体が飛んでいるというだけで議会が大騒ぎするのはちょっとおかしい。とはいえ、脅威が存在しないと言いたいわけではない

中露へのけん制

もし仮に、人類レベルを超える高度なテクノロジーを持った地球外生命体がいたとしたばあい、アメリカにとって一番の一脅威は、そうした存在が

ロシアや中国とつるむ

ことだろう。

ウクライナ戦争ですらあれだけ必死になって支援しているのに、もし異星人の高度なテクノロジーがロシアの手にわたったら・・と想像したら、米国の中枢にいる人々は夜も寝られないほど怖いはずだし、この可能性は、絶対に考えているはずである。

UFOが存在する可能性をわずかでも捨てきれない場合、米政府にとって一番の悪夢はその存在そのものより、それが中露の手にわたることだろう。

ポーカーにおけるブラフ(はったり)

ポーカーでは、もし手札に何の役も付いていなかったとしても、あたかもなにかを持っているかのように装うのが常道だ。たとえ無役でも

なにもありまっせん

などと正直に答えるプレイヤーはいない。ワンペアしかもってなくても、フルハウスを持っているような顔をするのがは駆け引きの基本中の基本といえる。

公には何も認めるはずがない

もちろん、公には何も認めるはずがない。これもポーカーと同じで、相手のプレイヤーから

手札はどう?

などと聞かれて正直に答えるヤツはいない。

ダメダメ。今日はついてないっすね・・

などと自信たっぷりに言われるのがオチである。そう言われるとかえって

こいつ何か持っているのではないか?
この勝負は降りたほうがいいのではないか?

などと疑心暗鬼に陥るわけで、そう中露に思わせることを米政府が考えていないとは思えない。

駆け引きとしてのUFO

なので、アメリカ政府がもし何も隠し持っていなかったとしても、

われわれはエイリアンに関する重要な情報を隠蔽している

という印象を醸し出し、とりわけ中国やロシアに対してそういう印象を植え付けることで、心理的な優位性を保とうとする努力は怠らないはずだ。

ワンペアの場合はツーペア

以上は「何も持っていなかった場合」で、米国政府がかりに何かを持っていたとしよう。たとえば、残骸のきれっぱしとか。その場合、彼らはこう考えるはずだ。

アメリカにきれっぱしがあるのだから、中国やロシアには丸々あるかもしれない(汗)

と。なのでその場合は

われわれも丸々隠し持っているぜ

くらいの雰囲気は醸し出すはずである。

さらに、もしナゾの生物の死骸を持っていた場合は

すでに地球外知的生命体とコンタクトしてるぜ

くらいのハッタリはかますだろう。

以上をまとめると、どんな情報がリークされるにせよ、それはある程度水増しされたものと考えるのが理屈に合っているということだ。

結論

仮に、米国が異星人とのコンタクト(業務提携的なもの)を行っていた場合、そういう情報はまったく表に出してこないと思う。手札にロイヤルストレートフラッシュを持っているのと同じことだから、余裕を悟られないために必死になるはずだ。

逆に言うと、仰々しい情報が出てくるということは、実際にはたいした手札をもっていないのだと思える。

ポーカーなどの駆け引きのセオリーからすれば、そうとしか思えない。したがって現在、

UFOをリバースエンジニアリングしている

と証言する告発者が出てきたということは、おそらく

きれっぱしくらいしかもっていないのだろうな・・

というのが現時点での僕の推測です。その手の情報を下っ端職員に掴ませて、正義感からリークするように仕向けているのかもしれない。

この推測が当たっているなら、今後もさかんに告発者は現れるし、そうした告発者に危害を加える人も暗躍するだろうが、肝心のモノは何も出てこないだろう。


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