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『エスパー・小林の大予言』がおもしろかった

今日は『エスパー・小林の大予言 すでに見えている未来』というがおもしろかったのでその話をします。

・手に取ったきっかけ
・エスパー小林はホンモノか
・本の紹介

この順序で。

偶然出会った

実家にいるあいだは本を買わないようにしている。荷物になるからだ。しかし、今日、友だちの車で移動している際に、かれが「おしっこをしたくなった」ので、モールのトイレに入ったのだった。

ついでに、という感じで久しぶりにヴィレッジヴァンガードという書店に入ってみたところ、面積が狭い割にはオカルト・スピ系が充実していた。充実といってもたかだかだが、それがいい。

都内の大型書店にいくと、スピ系本が膨大にならんでおり、売り場で背表紙を見ているだけで

世の中にはこんなにキ〇ガイがいるのか・・

と思ってその時点でおなかが一杯になって手にとる気になれない。

そういうぼくにはヴィレッジヴァンガードがちょうどよかったんだけど、その中でもなぜかまずエスパー小林さんの本に目が行ってしまい、開くとあまりにおもしろいので、そのままレジにもっていってしまった。

エスパー小林(小林世征)さんというのは霊能者である。

ちなみにこれまで小林さんの本を買ったことはないし、ファンでもないし、そもそも友だちが「おしっこ」と言わなければ店にすら入っていなかった。なぜ小林さんの本を手に取ってしまったのかも自分ではわからないのだが、この手の偶然には逆らわないようにしている。

なんだか気になったとしか言えない。この感じは、去年の秋にゲッターズ飯田さんの未来予測動画が気になったパターンと似ているので、とりあえず、読んでみたのだが、これが相当おもしろかった。

小林世征(としまさ)氏が本物かどうか

小林さんが本物か偽物かは知らない。実際に会ってみればある程度はわかるかもしれないけど、DVDで拝見したことしかないのでよくわからない。

しかし、そもそも本物/ニセモノにきっぱりとわかれるかどうかもよくわからないし、100発100中以外はみなニセモノだと言われれば、全部ニセモノだといえる。

たとえば、イギリス人のサイキックとして有名なクレイグ・ハミルトン・パーカーは調子のいいときで的中率30%くらいだと思うのだが、これも

7割外れているのでニセモノだ

ということもできる。とはいえ他のサイキックにくらべれば抜きんでて的中率が高いので、かなり頼りになるという言い方もできる。

その上で小林さんについては、10年ほど前に出た北野誠さんの心霊DVDを思い出す。うろ覚えだが、番組の中で北野さんが霊能者を連れてある事故物件を訪ねるくだりがあった。その霊能者が誰だったか思い出せないのだが、現場に行ってみるとすでに別の霊能者が「処理のようなこと」を施した後だったのである。

そこでスタッフか誰かが「これは小林世征氏にやってもらったんです」みたいなことをいうと、その霊能者が「なかなかしっかりやっていますね」みたいなことを答えていた。

同業者の目というのはきびしいものである。ぼくも他人の翻訳を読む時にかなりきびしくなってしまうし、大工さんがリフォームに入るときに前の業者の腕をとやかく言うのも聞いたことがある。

それを踏まえたうえで、小林氏の仕事を同業者が「なかなかしっかりやっている」と評していたということは、なにはさておき、まあまあの仕事をしているひとなのではないかなあ・・とおもってはいる。

そのうえで、本書の中でご本人は、震災も、コロナも、ウクライナ戦争も、安倍さんの殺害も当てたとおっしゃっているが、ネット上では「見てもらったけど当たりませんでした」と言っている人もいるのでそのあたりを踏まえて、ほどほどにとらえてください。

なお、小林氏はかなり変わった人物で、本書でも

「未来は知ってしまった時点で変わる」
「未来を見るのは霊を祓うほどエネルギーを食わないのでラク」
「何事もバランスが大事なので、霊視のスイッチを切ってニュースもよく見る」

などなど、独自のかんがえかたがあっておもしろい。

予言内容

全部書いてしまうと営業妨害になるので、さわり程度にとどめます。

小林さんのやり方が面白いと思うのは、たとえば「巨大地震のある・なし」を見る場合に、もちろん地球のエネルギーみたいなものも霊視するらしいが、彼は人相も見れるので、その地域の住民の人相も確認するのだ。

死相はだいたい死の3か月前くらいから顔に表れると小林さんはいっている。ある地域に大地震が迫っているなら、その地域に死相の表れる人が増えるそうなので、気になる地方に出向いて、街ですれ違う人の人相を見るのだそうだ。死相の表れている人があまりいない場合は、

大地震はないな・・

と判断するらしい。

人相見 水野義人

このやり方は戦時中に日本軍に協力したと言われる人相見の水野義人氏からヒントを得ているそうで、この話もおもしろいので書いておきたい。

水野氏は終戦を予知した人として知られているそうだが、元々は海軍に徴用され、特攻に向くパイロットを人相から「甲・乙・丙」の3種類に選別する仕事をしていたのだそうである。

ところが、1945年の3月になると、特攻隊員の顔から死相が消えたという。「特攻隊員が死なない」ということは、飛行機が飛ばない、つまり戦争が終わるのだとわかったという話だ。

ちなみに水野氏が人相に目覚めたきっかけは、こどものころ、関東大震災の直前に銀座を歩いていると、死相の出ている人が多い。しかも下町に行くほどその数が増えるので「これは地震だろうな」と思ったという。

彼は太平洋戦争の開戦も当てている。東京の街で、夫を失う「後家相」をした女性がいきなり目に付くようになったので「これは地震ではなく戦争が起こるのだろうな」と思ったそうだ。

さて、以上を踏まえた上で、小林氏は「今、日本全国に大勢の人の死の匂いのする場所はない。電車に乗っていても若い人から死の匂いをかんじることはまずない」と言っており、さらにご自分の霊視を踏まえて「すくなくとも2024年までに首都直下型地震が起こる様子は見えない」と言っている。まあ、あくまで参考程度に。

日本脱出計画を立てるべきか

小林氏は、日本脱出をあまりお勧めできないといっているが、詳しくは本書を読んでいただきたい。なるほど、という感じのことが書いてある。

日本の未来についてもかなりリアルに描いており、日本のどの土地がお勧めか、ということも名前をあげて書いてある(東京も悪くないそうですよ)。

かれの視た日本の未来にはあまり悲惨なヴィジョンはないのだが、1つだけ特筆できることがある。米中戦争についてだけはかなり独自の見解を展開している。台湾有事は視えないそうだが、それとはまったく異なる理由で戦わざるを得なくなるそうで、地震よりこっちを心配した方がいいと再三にわたって警告している。

肯定するにせよ否定するにせよ、頭の片隅に入れておいても損はないだろう。

おもしろいので、もう1つだけ

小林氏は、「プーチンにも金正恩にも影武者はいる」と断言しており、その理由がおもしろい。

本物と偽物は背後霊がちがうから

わかるんだそうである。金正恩については「最近の映像で本物を見たことがないので、死んだかもしれない」といっており、プーチンについては「他国の首脳と会っている時の映像以外は背後霊が異なる」といっている。

・・とまあこんな感じで、気候変動のこととか、アメリカ次期大統領のこととか、食料危機が起こるのか、巨大台風が起こるのか、AIが社会をどう変えるのか、日本の首相に誰がなるのか、原子力の未来は?、中国がこれからどうなるか、ウクライナ戦争の今後、GAFAMがどうなるのか、EV車でトヨタは伸びるのか、株を買うならどの分野か?地震兵器があるのかないのか、新型コロナがいつごろ収束するか、核戦争は起こるのか、それぞれ独自の見解が書いてあっておもしろい。

とりわけ気候変動については「CO2は関係なくて別な要因だ」と断言しており、ぼくが「別なソース」から聞いた話と酷似しているので、まるっきり眉唾だとは思えない。

それにしても本はコスパがいい

小林氏はかつてTwitterやHPで活動していたんだけど、今では有料のサロンや、有料の動画配信以外では活動していないみたいだ。そして、そういったサイトに登録するにはそこそこお金がかかる。

今はいろんな有名人がネット上の有料サロンや動画配信などにシフトしており、いちいち登録していたらお金が持たない。その点、本はこれだけ盛りだくさんの内容でありながら891円で読めるのでコストパフォーマンスが抜群だと改めて感じさせられた。

「受け入れる・受け入れない」は別にして、ほとんどの話題についてかなり独自の見解が網羅されているので、1回目を通しておくのは無駄とは思えない。ぼくにとっては大変参考になる本だったし、今後いろんなことで「とても」と役に立つと思う。おすすめです。


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