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自分なりの逃げ道を用意しておく

たしか佐賀県の話だったとおもう。
それまで過疎地だったところにイオンができてまわりに宅地が広がったのだそうだ。

とある夫婦も定年を期にイオンの近所に家を建てて引っ越した。しかし、その後イオンが撤退してしまう。

地元の商店街はつぶれてすでにない。クルマで30分くらい走って隣町に行かないと買い物もできないので困っているという話だった。いま全国でこういう例が増えているらしい。

社会学者の宮台真司氏のウェブ記事にも、似たような例が載っていた。

3.11以降、被災地の自治体の多くが経済復興のために大手ショッピングセンターを誘致したそうだ。そして地元の商店街がテナントとして入ったんだけど人口減少が続く中で今後ショッピングセンターは撤退するかもしれない。そうなると、商店街はすでに消滅しているので生活が成り立たなくなるおそれがあるという。

この話のポイントは、イオンの近くに引っ越した夫婦も、ショッピングセンターのテナントにはいった商店も強制されたわけではないということ。良かれと思って自ら決断している点にある。

また大手スーパーも地元を追い詰めようと思って進出したわけではない。復興のために良かれと思って出店したわけだが、経営が厳しくなれば撤退せざるを得ないし、そうなれば結果的に地元は追いつめられる。

みんな良かれと思ってやっているのに貧困が生まれる状態が「構造的貧困」と呼ばれるもので、グローバル化の中で世界中に広がってる。

宮台氏の挙げる例にはこういうのもあった。
自給自足で暮らしていた南の島に宣教師がやってきてコーヒー豆の栽培を教える。島は、コーヒー豆を国際市場に売ることで豊かになっていく。

しかし、やがてグローバルな安売り合戦が始まって島のコーヒーは半値で買いたたかれる。しかしすでに自給自足のインフラは壊滅しており逃げ道はなく、安い値段での労働を強いられる。

この場合、宣教師はよかれとおもってコーヒー豆の栽培を薦めたわけだし、島民たちも「自分の意思で」それを選んでいる。しかし、長期的に見れば自分たちのクビを絞めているのである。

ぼくらも、便利だからといって大手のサプライチェーンにばかり依存しているといきなり窮地に立たされるかもしれない。そういった場合に備えて、逃げ道の確保はやっておいたほうがいい。というわけでコメの確保や野菜の栽培、トイレットペーパーの備蓄をやっているという記事はすでに書いた。

しかし必需品だけでなくエンタメも備蓄してますよ、というのが今日の話です。

この記事ではよくAmazonプライムビデオのことを書いているけど、全面的に信用しているわけではなくて、楽しめるうちのできるだけ楽しんでおこうと思っているのが本当のところだ。

日本でプライム会員がスタートした時は年間3800円だったけどその時点でに欧米では倍の8000円くらいしていたのである。いずれ日本も値上げになるだろうから、そのまえに楽しんでおこうと思って急いで加入した。

その後4800円への値上げされたが、プライムビデオは月に4本以上は観ているので月額400円なら元はとれている。しかし、今後、スポーツ配信サービスのDAZN(ダゾーン)みたいに急に値上げしないとも限らないわけで、6000円を越えたら考えるつもりだ。

通販はヨドバシドットコムや楽天。本はブックオフオンライン。映画はゲオオンラインやマイクロソフトストアで十分に代替できる。

しかし、今後のインフレー>賃上げー>オンラインサービス一斉値上げという可能性もある。アマゾンも楽天もヨドバシもゲオもはなんもかんも値上げになった場合は、それらにすがりつくより、すでにためこんでいる音楽コレクションや映画のコレクションで楽しむつもりだ。

DVDは、ゲオオンラインで1枚50円のセールのたびに大量に借りて外付けHDDにため込んでいる。LDもまだ見ていないのがかなりあるし、実はVHSもある(笑)。かつて妻の会社から放出されたやつを大量にもらってきてまだほとんど見ていない。ビデオデッキも4台ある。これからはVHSの時代なのだ!

ストリーミングが快適なうちはこういうのはムダなもので、ミニマリストならまよわず断捨離してしまうだろう。ミニマリストはカッコいいので、ぼくだってできるならそうなりたい。

しかし、ミニマル(最小限)でいられるにはいつでも外側から安定供給を受けられることが前提だ。大手からはしごを外されたらどうするつもりなのだろう?

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