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日本は元気にならなくていい
知っている人も多いと思うけど、いま、日本ってわりと世界から注目されている。日経平均株価も、今年の出だしは2万7000円くらいだったのが、3万3000円まで上げた。
さらに、欧米の富裕層からは、治安が良くて静かな国ということで、いざというときの逃げ場所の候補の1つに上がっているらしい。
逃げ場所というとピンと来ないかもしれないが、アメリカのとりわけ大都市圏は、コロナ以降、おどろくほど荒廃が進んでいる。
たとえば以下のCNNのニュースでは、TVスタッフがサンフランシスコのドラッグストアに取材に入るんだけど、その30分間に3回盗みに入られ、カメラの前を商品を持ったまま外へ出ていく男性すら映っている。
ポートランドでは、ホームレスが増加したので移住を考えているという人にインタビューしている。
今日の記事はアメリカの荒廃をテーマにしているわけではないのでこのくらいにするけど、ぼくが誤情報を流しているのではなく、検索すればこの手のニュースや動画がわんさか出てくるので時間のある人は自分の目で確かめてほしい。
とくに西海岸がひどいみたいで、シリコンバレーの巨大IT企業も次々にテキサスあたりに拠点を移しているそうだ。
なぜこうなったのか
なぜこうなったのかというと、コロナでリモートワークが進んでオフィス街が閑散としたころに、コロナで収入を失い、部屋を追いだされた人々がテントを張って住みついた。
ホームレスといっても、それまでまじめに働いていた普通の人たちだが、どうしても治安は悪くなり、ドラッグの乱用や盗みが横行する。
ただし、フロイド氏殺害事件以降のBLM運動で警察の予算が大幅に削られたこともあり、警察力が足らず治安を維持できない。
なので、危険を感じた市民は余力のある人から都市部を逃げ出すため、中心部ではさらに治安が悪くなり、悪循環が重なって、元には戻れないところまで来てしまった。
東アジアが注目されている
そんな中、大金持ちは「財産をどこに逃がそうか?」という話になっているらしく、かつてはオーストラリアやニュージーランドが候補だったそうだが、このところ俄然東アジアが注目を集めているのだそうだ。
日本の治安の良さと静かさも注目されており、欧米の金持ちの財産が流れ込んで株価が上がっているということなのだそうだ。
日本はなにも変わっていない
さて、ここからが本題なんだけど、日本が注目を集めているといっても、日本人がとくになにかをしたわけではない。
失われた30年などといわれて、ずーっとジリ貧でやってきて、世界から周回遅れになってきただけだ。さいわい
内向きな国民性
だったので、世界の動静には見向きもせず、「日本すごい番組」などで現実逃避しつつ、吉野家の牛丼を食べ、ダイソーで日用品をそろえて、静かに弱っているうちに、前を行っていた国々が勝手にコケていった。
かつて日本と言えば、
元気がなくて、閉鎖的で、しょぼい国
だったのが
治安が良くて、静かで、おちついた国
という風に世界の見方が変わっただけで、ぼくらはなにもしてない。
元気はなくていい
これまで
日本を元気にしよう!
などとさかんに言われてきたけど、実際のところは、元気が足りなかったおかげで相対的に地位が上がっているのだとすれば、結局、
元気がなくて正解
だったということだ。
ただし、これで万々歳ということにはならない。なにもしないで浮かぶということは、なにもしないでもまた沈むということなので。
ゆっくり弱るのがポイント
こないだ紹介したエスパー小林氏の『大予言』という本の中にも
これから日本は少しずつ衰退していく
と書かれていた。ただしポイントは「衰退」ではなく「少しずつ」である。ここに日本の活路があるのではないか、というのが今日言いたかったことだ。
他の国が、いそがしく発展したり、いそがしく衰退したりしているうちに、日本はゆーっくりと弱っていく。そのよわりかたがあまりにゆっくりなので、やがて相対的にましな場所になってしまう。
そのうち、また遅れていくだろうが、それでも愚直にゆっくり衰退していけば、ふたたびましな場所になることもあるだろう。
大事なことは、ひたすら現状維持でいくことであり、町中華の店が
古臭いし、味が古い
などと言われても、ファミレスと比べて焦ったせず、その日その日を愚直に営業していると、やがてファミレスがつぶれ、一周回って
町中華が意外とおいしい
みたいな言われ方をするのと同じく
日本ってまだ潰れてないの?
みたいな感じで生き残っていくのかもしれない。
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