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ぼくは「うるさ型」が苦手

ぼくが一番ニガテな人のタイプに「うるさ型」というのがある。

ちなみに、ぼく自身はかなり直観的に動く方だ。理屈は後付けで考えていることが多い。

しかし、うるさ型はちがう。
論理ありきである。

こちらの矛盾を突いてやたらと論理的に攻めてくる。だまって聞いているとどんどん袋小路に追い込まれてしまう。直観的には「こいつのいうことは根本的にまちがっている」という印象を受けるんだけど、なかなか有効に反論することができない。

しだいにめんどくさくなり、しかたなく「はいはい、わかりました」ということになって押し切られてしまうことが多い。しかし、それから2~3日してふと「あいつのいうことはここが間違っている!」ということに気づくのだが、すでに後の祭りだ。

だいたい、そういうヤツのギロンってのは、自分の理屈を通すことが自己目的化しており、視野が狭いし、センスがないし、かたくなである。全体を良いほうへ導きたいなどとは思っていない。

こういう非生産的な理屈っぽい人ってあなたのまわりにもいないだろうか。

ちなみに、ぼくの知っているこの手のうるさ型は圧倒的に中年男性に多い。ヤフコメで「常識」をふりかざしているようなうるさ型の大半は中年男性だ。

つい最近までこの手のうるさ型に対しては有効な反撃手段がなかった。「泣く子と地頭とうるさ型には勝てない」のである。しかし、最近意外なところで解決策が見つかった。

日経ビジネスに「ハラスメント大全」という記事が載っており、この手のうるさ型にはちゃんと名前が付いていて、「ロジハラ」と呼ばれていることを知った。

【ロジハラ】
ロジック(ロジカル)ハラスメント。正論や詰問で相手を追い詰める言動を指す。例えば、失敗の原因を考察する時、部下に「なぜそうなった」と何度も詰問する行為も行き過ぎればロジハラになりかねない。

ちなみに日本には約80種のハラスメントがあり、マタハラ、ズムハラ、ソーハラ、オワハラ、カスハラ、シルハラ、エアハラ、スメハラ、ヌーハラなどなど。

ちなみにヌーハラとは「麺類をずずーっとすすって人を不愉快にさせること」=ヌードルハラスメントだそうだ。

スメハラは体臭や香水がキツイことで、スメルハラスメントである。

元祖セクハラ以外はみな和製英語だそうで、「XXハラ」が増殖し続けているのは「略語が多い日本語ならではとも言えそうだ」と記事にある。

なにかいやなことがあっても、なんとなーくモヤモヤするだけで表に出せないときに、それに「ハラ」をつけてやればいいわけだ。

極端な話、鈴木部長と一緒にいて不愉快に感じる場合は「スズハラ」、佐藤課長がイヤな場合は「サトハラ」でいいわけだ。

気に入らないことはなんでもハラスメント呼ばわりできるということであり、80種類もあったらそれ自体がハラスメントである。

昨日も書いたけど、名前を付けるということには強力な力がある。

レッテルを張ってしまうと、そこで思考が停止し、それ以上有効な話し合いができなくなる。「それをいっちゃあおしまいよ」なのである。

一時期「コロナ脳」という言葉が流行ったがこの手のレッテル貼りだった。「老害」というのもこれであり、一言で話し合いをぶち壊すことができる。

「在日認定呼ばわりするネトウヨ」の場合は「在日認定」呼ばわり自体がレッテル貼りだが、そういう連中をまとめて「ネトウヨ」呼ばわりするのもレッテル貼りである。

そういうわけで、レッテルを貼ることには危うさもあるわけだが、弱者が有効な反撃を加えるための手段にもなる。

セクハラなんかはまさにそれで、困っていた人はずいぶん助かっただろう。そういうわけで、理屈っぽくでうるさいだけの非生産的なオッサンは「ロジハラ」なのである。

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