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ホームセンターがない(汗)

世界には、もちろん都会もあれば田舎もある。しかし、産業革命以降の大きな大きな流れとして、世界は着々と都市化してきた。具体的な数値を上げるのがメンドイので省くけど、おそらくまちがいないだろう。

「都会か田舎か?」この問題についてはけっこう前から考えていて、それは大学時代に英米文学を専攻したというバックグラウンドが大きいと思う。

一口に「英米」というけど、英と米ではだいぶ事情が異なる。英/米を専攻している日本人同士のあいだでもカラーがそうとう異なる。マーク・トウェインに造詣の深い亀井俊介東大名誉教授のとなえる「アメリカ文学田舎者論」というのがあるけど、この言葉に集約されている。

アメリカ文学を専攻している連中は、洗練されたブリティッシュな文学を愛好する人々からは「田舎者」と見なされる。ぼくなどは完全なるど田舎出身でわりに酒と腕力に自信あり系だったので、アフタヌーンティーを愛好する人々からは、典型的なヘミングウェイ風アルコール漬け野蛮人と見なされやすかった。

それはともかく、イギリス志向の人を観察しているとおおむね都市型のライフスタイルを好むようだ。困ったことが起これば「お金を払って誰かにやってもらえばいい」という発想である。

いっぽう、アメリカ志向の人はまよわずDIY(Do it yourself:自分でやろう)である。今日のツイッターでもアメリカの大都市圏の商店街が略奪を恐れて店を板でおおう様子を投稿したけど、「業者にたのんでやってもらう」などという人はいない。みなさんホームセンターで板を買ってきて自分で打ちつける。

ちなみに北海道でも3年暮らしていたんだけど、あそこもDIYが基本だ。土地が広いので、クルマのタイヤくらいは自分で取り替えられないと死ぬ。ぼくですら吹雪の中でタイヤを取り換えたことがある。

そして、いま首都圏のベッドタウンで暮らしているんだけど、これがかなりの都市型なんだよなあ。歩いて行ける場所にホームセンターがない!ウチの田舎ですら、デカいのが近所に2件あるのに。首都圏はめぐまれているので、自分でどうにかするという発想があまりないのだろう。

ぼくは自分で何やかやするのが好きなので、いまはしかたなく自転車で30分かけてホームセンターにいく。

しかし、これまでの数百年間、世界は都市化を続けてきたわけだが、これからはどーなのだろうか?

都市化とグローバリゼーションというのは、複雑に相互依存したネットワークが前提で成り立つ。しかし、複雑なネットワークはいざというときにあまりにぜい弱だ。ウイルスだけでなく、台風が来ても、地震が来てもマヒしやすい。

今後、社会は、あるていどのことは自分でやれるDIY型コミュニティへ向かうのではないか。手始めに、ベランダで野菜を育てるくらいのことはやらねばなあと思っているところです。

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