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やっぱりBがスキ

今の時代に「B面」みたいなものは存在するのだろうか?B面と言って若い人に通じるのかな~?B面とはレコードの裏側のことである。昔の音楽ディスクは、表だけでなく裏側にも音が入っていた。たとえば、「およげたいやきくん」がA面で、「いっぽんでもニンジン」がB面だった。

あるいは、いまの社員食堂には「B定食」が存在するのだろうか?ちなみに正しいB定食は、A定食よりも20~50円安くなければならない。

日本プロ野球では、上位の3チームをAクラスと呼び、下位の3チームをBクラスと呼ぶ。なので、「B」がやや残念な立場というイメージはいまも健在なのだろう。

ネットで検索したところ、げんざい、小学校の通信簿は、「A > B > C」の3段階評価だそうである(ぼくのころは5段階評価だった)。ここでも、Bは「やや残念な感じ」を醸し出している。

一方、恋愛の世界では「C」が最強だ。Cがヤリたいあまりにムリをして、人生を踏み外す男たちが後をたたない。

それにしても思春期の若者は、それまで小学校でさんざん「A > B > C」の世界観をうえつけられておきながら、価値観がとつじょ「A < B < C」に反転し、ひたすら「C」を目指す自分に違和感をおぼえないのだろうか?反抗期だからむしろしっくりくるのだろうか?それとも「C」のことでアタマがいっぱいで、それどころじゃないのか?

しかし、ぼくに言わせれば、Cへ突進していくのはガキであーる。Bがダイジよ!

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ところで、ぼくは深夜に仕事を終えた後、「このままでは寝れない」と思うことがよくある。ほんとうは眠くてたまらないのだが、それでも「このままでは寝れない」と強く思う。ありませんか?

昨晩(というか今朝)もそうだった。それでウトウトしながらレーザーディスク(LD)と呼ばれる装置で、映画『シャイニング』の「B面」を見たのである。この映画は143分あり、レーザーディスクでは、A面、B面、C面に分けて記録されている。A面はオープニング。C面はクライマックス。それらにくらべてB面はやや地味だ。主人公ジャック・ニコルソンの精神がホテルの悪霊にじわじわと侵されていくあたりの場面を、うつらうつら見ていた。

ちなみに、『シャイニング』は、A級ホラー映画である。ぼくの知る限り、「A級ホラー」と呼ばれるのは『シャイニング』だけだ。「ホラー= B級映画」と決まっており、ホラー自体が本来はうらぶれた存在である。A級ホラーという言い方は「高級駄菓子」と言っているのに近い。

ともかく、A級ホラー映画のB面をみつつ、「「A」がトップで「C」がフィニッシュ。なぜ「B」は目立たないのだろう…」と思ったしだいです。

ちなみにスターウォーズ三部作の中で、ぼくがスキなのはトップでもフィニッシュでもなく、第二作目の「帝国の逆襲」だ。世間では一番評価が低い。しかし、中途半端なところからはじまり、中途半端なところで終わる大河っぽい流れがスキである。映画評論家の、故水野晴郎先生も「帝国の逆襲が一番イイ」と言っていた。

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