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「天ぷらそば」と「かけうどん」どちらにしますか?

本記事を読むと、以下のことがわかります。

・ほんのりおもしろい
・ほんのり甘酸っぱい

オッサンのスポーツ

さて、アメリカで三大スポーツと言えば、アメフト、バスケ、ベースボールで、もう一つホッケーを加えて四大スポーツとする言い方もあるけど、お金の動きが他の三つとは1ケタ違うので、ここでは除外する。

三大スポーツの中でも圧倒的な人気を誇るのがアメフトで、次にバスケ。一方で、人気が低下しているのがベースボールと言われ、最近では、「白人の中高年男性のためのスポーツ」みたいなことすら言われているが、これは日本で野球が占めている立場に似ている。

日本でもWBCの時期に「野球ハラスメント」という言葉が出回ったくらいだから、野球にはオッサンが自分の価値観を押しつけてくるイメージが強く、したがって女性や若い人にはあまり人気がない。その理由はだいたい同じで、歴史の重さにあるだろう。

伝統の難しさ

アメリカでベースボールのプロリーグが設立されたのは1876年で、一方のアメフトは1920年なので44年のひらきがあり、バスケになると1946年なのでおじいさんと孫よりも年が離れている。

おじいちゃんは「ベーブルースがどうたら」と伝統を押しつけてくるので、若者には煙たい。

日本も事情は似ており、プロ野球とJリーグ発足では、発足に59年の差があって、高校球児は「全員丸坊主」であるとか、プロ選手は「茶髪・長髪・ひげ」が禁止であるとか、若い人が煙たがりそうな規則が多い。

伝統を尊重すること自体は悪いことではないし、選手もオトナになれば、先人が道を切り開いてきた苦労を身にしみてわかるようになり、そのおかげで今の自分があると思えば、伝統を軽んじることはできなくなる。

企業でも歴史のあるところほど役員や社員はその重みに苦慮しているように見えるが、だれがわるいというものでもなくてどうしてもそうなるのだろう。

とはいえ、国会は1つしかないのでシルバー化しても平気だろうが、プロリーグはいろいろあるので、若い人はシルバー化したリーグからは遠のいてしまう。

パの中でも、ダルビッシュ投手、大谷選手を輩出し、新庄監督を迎えた日本ハムの功績は未来を感じさせるものだ。現在ハムは最下位でネットでは新庄監督を軽んじるようなことを言う人がいるが「そういうあんたらの視野の狭さが野球を老化させているのだ」ということをまるでわかっていない。

その「見えない圧」をとりのぞくために一番いいのは、たぶんぼくみたいなオッサンがなるべくだまっていることなのだろう。今日はそういうつもりではなくほんのりと面白いことを書こうと思ったのに、なぜだかこうなってしまった。あとでちょっと削ります。

ほんのりおもしろい話

同じプロ野球でもセ・リーグが本家で、パ・リーグは分家みたいな立場にある。正確には「セ・リーグ」、「パ・リーグ」ではなく、2020年からは

「JERAセ・リーグ」vs「パ・リーグ」

である。ここ数年、セ・リーグだけ冠スポンサーがついて、パ・リーグは「単なるパ・リーグ」だったわけで、簡単に言えば、

「そば」と「うどん」どちらにしますか?

と聞く代わりに

「天ぷらそば」と「かけうどん」どちらにしますか?

と聞いているような状態で、あきらかに違和感があった。

3年遅れてようやく今年から、パ・リーグもパーソルグループというスポンサーがついた。

ようやく「天ぷらそば」vs「きつねうどん」みたいな状態になったのだが、わざわざ3年のタイムラグを設けたあたりに「見えない圧」が感じられる。プーチンがわざと会談に遅れてくるようなことに近いといってもいい。

「なぜセ・リーグだけ先に冠がついたのでしょうか?」と現場の人に聞いても「諸事情がどうのこうの」と言われるに決まっているけど、外野にいるぼくの目には、

磯野家でカツオのおかずがタラちゃんより1品多い

みたいなことに見える。なぜカツオが1品多いかと言うと、長男だからだろう。ようするに発想が家父長制なのだ。まあ、詳しいことはナベツネさんに聞いてください。

価値観なのか、差別なのか

家父長制を重んじている人に悪気はないのだろうし、「長男のほうが次男より偉い」というのは、礼節を重んじる儒教道徳の良き価値観とみることもできる。

だが、見方を変えれば「白人の方が黒人より偉い」と言っているのと同じで、ベースボールにも「白人男性の歴史」っぽい匂いがあって、これが若い人たちから煙たがられているのだろうが、なんだか似ている。

以上、細かいことにたらたら文句をたれているようだが、このあたりの微妙な空気はジェンダー問題などとも似ており社会を硬直させる元凶のように思えるので書いているんだけど、むずかしいな。

グダグダな座談会

そんな中で、今年はパーソルグループのスポンサー就任を記念して、「パリーグ6球団監督合同会見」という動画が公開されたのだが、これがまたグダグダだった。

セ・リーグの合同座談会はNHKが撮影し、監督がホテルに一堂に会してテーブルを囲んで、まさにプロの撮影なのだが、パ・リーグ座談会は、ZOOMの遅延などもあって見ていられない。

司会の沢尻さん(元投手)が各監督に「今年の一歩目をどのように挑んでいきますか?」をたずねたところ、まず新庄監督が

今年からプロ野球に参戦します!

とややわからないことを言ったあとで、楽天の石井監督が

今年の一歩目は左足から出ようと思ってます。当然、次は右足から出るんですけど・・

と言ってしまい、次のロッテ吉井監督が、

これ、おもしろいこと言うコーナーですか?

と反応していた。最悪だったのは、その後、メディアからの代表質問としてTBSのアキモトさんという人が質問したさいに、パーソル・グループを「パーソナル」グループ」呼んでしまって、

「パーソナル」ではなくて「パーソル」ですので、まぎらわしくてすいません

とパーソル和田CEOにあやまらせてしまったのだった。冠スポンサーにつくメリットは知名度を上げることにしかないはずだが、メディアがそこをまちがえたらおしまいだ。おもわず江尻さんが、

アキモトさんよろしくお願いします!!!

とフォローしているのが悲痛だった。

それにしても、この差はどこから生まれるのだろう。パ・リーグがZOOMでグタグタしているのに、なぜセ・リーグはホテルの集まって、きれいなライティングでNHKが撮影するのだろう?


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