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ギリギリにならないと準備しない

だれでも毎日やっている移動と、たまにしかやらない移動がある。そして前者の代表は、通勤である。

日常の移動

やりなれた移動にはムダがない。電車通勤の人なら、通いなれた路線で乗り間違えたり迷ったりすることはまずないし、服装や、所持品もだいたい決まっているので、手間取ったり、忘れ物をすることもない。

前の日からあれこれ心配したり、緊張したりすることもなく、なにも考えずに会社までの往復をソツなくこなすことができる。そう考えれば一見コスパがよさそうだが、膨大なくりかえしの上に成り立っていることなので、見方を変えればものすごく時間のかかっている「特技」だともいえるだろう。

非日常の移動

一方で、知らない土地や知らない人に会いに出かけることや、長距離移動などが非日常の移動だ。

こちらは一発勝負なので通勤のようにソツなくこなすことはできず、大事なものを忘れたり、駅で迷ったりする。なので、一発勝負の移動をする前には、それに応じた準備が必要になってくるのだが、ぼくはわりとギリギリになってから準備にとりかかるほうだ。

前々からそういう傾向があったのだが、最近は特に顕著になってきて、ギリギリにならなければ取り掛からないようになってしまった。それはなぜだろうということを考えてみた。

物質的な理由

理由は二つあり、物質的な理由と精神的な理由だが、物質的な理由としては、あまり前々から準備してかかっても、結局は無駄になってしまうことが多いからだ。

最近の移動で一番大事なものといえば、スマホをはじめとしたIT機器である。そういう大事なモノほど毎日使っているので、移動当日の朝にならなければパッキングできない。

スマホの充電器を2日前にパッキングしてしまったら、生活に困るのでギリギリにならなければ荷物に入れることはできないし、タブレットや、ノートPCも同じだ。あるいは毎日飲んでいるクスリとか、毎日塗っているハンドクリームなどもそうで、あまり早くパッキングしてしまうと生活に支障をきたす。

大事なものほどギリギリにならなければ荷物に入れられず、事前に準備できるのは、あとでどうにでもなるような品物だけなので、いくら前もって準備してもギリギリになってやり直すことになる。ならば1回で終わらせた方がいい。

ぼくが事前にやっているのは荷物のリストを作っておくことだけで、10年ほど前から「長距離移動用のリスト」を作ってあって、それを移動の1週間前に眺めて、今回いるものといらないものを分けておくことくらいだ。

そのあとはいったん忘れる。そして、ギリギリになってからリストの通りにバタバタといろんなものをパッキングしていくわけだ。

精神的な理由

次に精神的な理由だが、あまり前々から準備してかかると気持ちがつかれるからだ。これが結構大きいかもしれない。

チケットを予約したり、路線をザっと調べるなど最低限のことは前もってやるんだけど、問題ないとわかったら、いったんすべて忘れることにしている。そうやって直前までは目の前のことに集中する

中途半端に荷物をまとめはじめたり、「何時のバスに乗って何時に着いて、ここで乗り換えて」みたいな細かいことを何日も前から詰めていると気疲れするし、気持ちがそちらへ向かってしまって、目の前のことに集中できない。

それに、今はネットの乗り換え情報や道案内などが発達しているので、細かいことは移動しながら調べたのでも十分に間に合う。それが体感でわかってきたので、あまり細かいことを事前に調べる気にならないのだろう。

そのうえで、いくら調べても、現地に行かなければわからないことはわからないのだ。迷いそうな場所はネットで調べても迷うので、実際に迷ってから土地の人に聞く方が早い。

まとめ

以上をまとめると、ギリギリにならないと準備しない根本的な理由は、結局、IT機器とネットだということになるだろう。IT機器が大事だからこそ直前までパッキングできないし、常時ネットを使えるからこそギリギリでなんとかなる。

いまほとんどの人はこうだろうし、移動慣れしている人ほどそうなっているだろうし、いろんな仕事を抱えている人ほどそうなるだろう。「準備はギリギリ」でいいのだと思う。

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