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ヒモとダメンズはちがう

日本には300万人の未婚男性が余っているそうだ。アメリカには900万人、中国には3000万人、インドには5000万人の未婚男性があまっているといわれる。

「未婚・既婚」というのは法律上のことなので気に入らない人がいるかもしれいないが、このデータのポイントはそこにはにはない。まさかインド人全員に恋愛観をたずねるわけにもいかないので、婚姻届け以外にデータの取りようがなかったのだろう。

また、ミクロに見れば性の多様性をかんがえなければならないが、このデータが示しているのはあくまでマクロな傾向だ。「あぶれている」男性が全世界的に増えているという傾向はたぶんまちがいないのである。

さらに、自由経済がひろまるほど貧富の格差が拡大するように、自由恋愛がひろまるほど、モテと非モテの格差もひろがっていく。ただし、見方を変えれば非モテ男性にもチャンスが来ているともおもえるので、そのあたりの考えを書いてみよう。

「簡単にモテる」というのはそんなにいいことではないと、ぼくは思っている。

「女性心理」などとエラそうなことはいえないけど、すくなくとも目の前の異性がなにを望んでいて、なにをいやがっているかをあるていど敏感に気づく努力を積んだうえでモテるようにならなければ、ろくなことにはならない。

なにかのアドバンテージがあって簡単にモテているような男性はそのあたりの技術開発がどうしても遅れており、たとえば、紀州のドンファンのようにお金でモテている人は典型的な技術後進国である。

ドンファンがお金目当てではない人を本気で落とそうとするような人だったらいいけど、そもそもお金を持っている男性はそのあたりを勘違いしている場合が多いので、そんなめんどうくさいことはやらない。

そして、お金目当てで迎合してくる女性ばかりを相手にしていると、相手の心理を読む力はさっぱり磨かれない。

さらに、お金目当てですりよってくるような女性はたいがい自己評価が低く、そのうえ他に本命のオトコがいてそこに貢いだりしており、そういうオトコというのはだいたいダメンズである

なので、ドンファンも、貢ぐ女性も、貢がせるダメンズもだれも幸せにはならず、共依存で不幸へまっしぐらだ。そうなる確率は、お金のない男性よりもドンファンのほうがはるかに高い。

一方、お金やステータスがなくても、容姿がイマイチでも、異性がなにを望んでいるものかをすばやく察知する力を磨いている男性はモテる。

その究極は「ヒモ」だ。ヒモはダメンズとは違う。

ぼくの考えるダメンズは女性を風俗で働かせて食い物にするようなタイプだが、ほんとうに優秀なヒモは女性社長に「自分が食わせてやってもいい」とおもわせるくらいにサービスできる癒しの人である。

もしかするとマーガレット・サッチャーの旦那さんもこの手の人だったのかもしれないが、お金やステータスでモテている人にこの手のタイプはなかなか見当たらない。

なぜなら、この技術は知恵をしぼって磨かなければ手に入らないからであり、放っておいてもモテる人がそこまでがんばる必要はないのである。

そして、これまではそこまでがんばる必要のない男性優位の時代だったわけだが、これからはちがう。つまり、未来対応型のヒモ候補は非モテ男性の中にしかいないのである。「非モテ男性=ヒモ育成枠」なのだ。

もちろん、育成枠からメジャーリーグに上がれるのはほんの一握りであるのとおなじく、非モテからヒモに成り上がれる人もほんの一握りにかぎられる。

だからこの文章は300万人に向けたものではないが、努力せずにモテる条件の整っている人は「育成枠にすら入っていない」ということはいえるだろう。

一方、非モテ男性はすくなくともジョニー・デップになる心配はしなくていいし、がんばって知恵をしぼればメジャーに昇格するチャンスは十分にある。

明日のメジャーリーガーは

あなたかもしれない

のである。

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