コミュニティの高齢化は深刻
内閣府の出している「高齢化の国際的動向」というデータによれば、世界では、
のだそうである。
のだそうで、高齢化は日本固有の問題というわけではない。
それでも我が国がトップランナーであることにかわりはなく、欧米各国と比べれば2060年までは断トツの1位であり、アジア諸国と比べても2050年前後に中国に追い抜かれるとはいえ、「Aクラス入りは確実」という状況だ。
スポーツチームを見ればわかるが、チームの若返りというのは難しい問題だ。まだまだやれるベテラン選手をあえてベンチに下げて若手を起用するくらいでなければ、気づいたときには手遅れになる。
しかし、アスリートの世界ならいやでも若い選手が入ってくるし、企業も同じで、いやおうなく血が入れ替わるのでまだましだが、それ以外の世界になると高齢化はとても深刻だ。
たとえば怪談界では、20年前にトップを走っていた人たちがいまでもトップを走っており、ファンも含めて全員で年を取って行っているのでそのことになかなか気づかない。
いまでもトップは稲川淳二さんで、ファンとしてはずーっと活躍していただきたいのだが、稲川さんご自身の体験談は次第に古くなっている。
自分の体験を語る時、稲川さんはかつて
といって切り出したものだが、平成に入ると次第に
と言うようになり、最近では、
と言うようになったが、聞く側も一緒に年を取っているので、違和感なく聞いてしまっている。
また、怪談の世界には、基幹の1つとして「女性向け隔月刊の実話怪談マンガ雑誌」というのが3冊あって奇数月の同じ日に3冊が同時発売される。
最近、これの読者層が高齢化しているような気がしてならない。読者の投稿体験談がマンガになるんだけど、たとえば読者Aさんが「クルマに乗っていわくつきのトンネルに入って行くと、
などというコマがあって「エ゛ッ、カセットテープ?」などと二度見してしまうわけである。知らないうちに、おじさんおばさんだけの世界になっていそうで心配だ。
スピリチュアル系でも似たようなものではないだろうか。イベントに集まってくる人たちがしだいに高齢化していないか。昭和の頃は若い会員がほとんどで現在は大半が還暦・・みたいなことになっていないだろうか。
オウム真理教の後継団体である「アレフ」とか「ひかりの輪」も、おじさんおばさんばかりになっているのではないだろうか。
ぼくの個人的な思い出として、1990年代に学生運動らしき人たちが集まってヘルメットをかぶって走っているのに遭遇したことがあるんだけど、よく見ると、
ということがあった。「ラジコン愛好会」とか「切手同好会」みたいなものもきっと同じ状況にあるのだろう。
さて、ぼく自身もう十二分にオッサンなのだが、いま頻繁に接触しているコミュニティが2つあって、そのひとつは20代が主力を占めているが、もうひとつにおいては、なんと50代のぼくでもまだ若造の部類に入ってしまうのである。
そして、両方に足をかけて眺めていると、後者に対して(年齢層の高いコミュニティに対して)かなりの危機感を覚えてしまう。
世界の最新情勢を論じたりもするわけだが、とはいえ、外国の60代首相の最新動向を日本の60代があれこれと語っているわけであり、若い世代の考えや感じ方がまるで意識されていないことがある。
また、盛んに批判はするけれども、「ではどうしようか」と切り出すと
ということになってうやむやにおわる。
貴重な情報を持っているにもかかわらず、若い世代に伝えられていない。全員で年を重ねてすこしずつ先細っていくことがまるで「お約束」のようになっている。
とはいえ、人に文句を言っても仕方がない。自分で考えて、勝手に進めていくしかない。「他人のパイをうばうようなことは決してしない」けれども、新しいことをはじめなければならない時期に来ている。そういう危機感を覚える。
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