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ランニング不要論争に欠けている考え

みなさまこんにちは。

本日は、ゴルフだけではなくスポーツ全班における

トピックについて考えてみたいと思います。

それは、走ることを競技の一部としていない

ゴルフスイングや

野球のバッティングや投球動作

のパフォーマンス向上に

果たして

ランニングや走り込み練習は必要か否かというテーマです。


ランニング不要論とは


数年前、現役大リーガーのダルビッシュ投手

ピッチングの上達に走り込みは必要ない

というような発言があり

その言葉はSNS上で独り歩きしていき

やがてランニングの不要派と必要派で

その意見が交錯するようになったのです。

その後

ダルビッシュ投手本人はYOUTUBEのインタビューで

罰走など、指導者の感情論で

とにかく長時間走らせるような

ランニングについてやめるべきで

一方、目的のあるランニングやコンディションニングは

必要だとその発言の真意を説明しましたが

結果として現役の大リーガーが

これまでのスポーツ界での慣例に一石を投じたことにより

多くの野球選手や野球指導者、筋力トレーナー達の

ランニングがスポーツパフォーマンスに与える影響に関する

考えが表面化しました。


ゴルフも

飛距離UPやスイングの正確性を上げるために

ランニングをトレーニングに取り入れることも

あるので是非考えてみましょう。


必要派と不要派それぞれの主張


ランニング必要派の意見

は主に 現役時代にランニングを強制的または自主的に
多くこなしてきた40〜60代の世代が多く

下半身強化と持久力の向上、
走りは運動の基本であるというもので

一方

ランニング不要派の意見

は主に 現代のスポーツ科学に触れてきた

若い世代が多く

持久力がそれほど必要ではない競技においては

瞬発力を鍛えるべきでランニング以外の

スクワットなどの筋力トレーニングで

代用できるというものでした。


象徴的なイチロー選手の発言


そんな中、現役引退後もトレーニングを続けているイチローさんが

近頃盛んに取り上げられる

ランニング不要論に対して

『野球選手は走れなきゃだめ。理由関係なく、必要とか不必要ではなく。
立ち姿や歩く姿、走る姿が不細工ではいけない。』

と発言していました。

この発言はまさにランニング必要派の意見

を象徴していて

不要派と意見が対立した要因ではないかと

わたしは感じました。

なぜなら、不要派はデータで表せるような

具体的な数値を求めているからです。

それに対して

必要派の説明はやや抽象的で

経験則から走り込みは

下半身が鍛えられて、パワーと安定性が増すという内容でした。

これでは筋トレよりも優れていると点を明確には示せなかったのです。

現代のスポーツ科学は要素主義


現在は昔と比べて多くのトレーニング方法が

確立されていて、身体の各部位ごとに

筋力の強さを測りその部位ごとにトレーニングすることが出来ます。

トレーニング法が研究されてきた背景には

スポーツパフォーマンスを

細かく分解して分析する要素主義があります。

それは、技術練習と身体の強度を高める練習を

分けて考えるところから始まり

身体の強度を高めるトレーニングも

各部位ごとに鍛えられるように発展してきました。


要素主義の良い点悪い点

このような要素主義の良い点

効率的にピンポイントで筋肉を強化し筋肉量を増やせるところです。

その結果、技術練習においても

スピードが増してプラスに発揮されることもあります。


しかし、その一部分の筋肉の強さが

パフォーマンス全体にどのように

影響するのかを見誤ると

マイナスにもなりかねません。

なぜなら筋肉はアクセルにもなりますが

同時にブレーキの役割も果たします。

またタイミングやバランスが崩れた局面では

筋力をうまく発揮することが出来ません。

つまり、筋肉の配分や使い方によって結果は

悪化する可能性も秘めているのです。

このように要素主義は

分析しやすく証明しやすい

ところだけに絞ってデータを抽出している

側面もあるのです。

歩きや走りなど複数のパーツが連動する

単純ではない動きの質
(バランスの良さ、安定性、動きの正確性)

については現状分析できないのです。

筋力とは運動において

重要な一つの要素でもありながらも

一つの要素にしか過ぎないのです。

当たり前と感じるかもしれませんが

身体のコントロール性と強さを

両立させてはじめて

パフォーマンスは向上します。

ランニング賛成派は全体主義


一方、ランニング賛成派は

筋力トレーニングが開発される前から

伝統的に行われてきたランニングを

行うことによって

下半身が全体的に鍛えられると考え

身体の全体の調和を優先する全体主義です。

科学的なデータとしては表すことが出来ないが

経験から判断しているのです。

もちろん、賛成派の中には

それ自体が要素主義か全体主義か

深く考えずに自らの経験から、

筋トレより走り込みを優先すべきだと主張しているのかもしれません。

両者ともに自らが知っていること

経験してきたことが正しいというスタンスで

意見をぶつけているような印象を受けました。


良い選手は必ず走りが優れている


さて、果たしてどちらの意見が正しいのか?

それはひとまず置いておいて、


トレーニングやランニングに対して

その選手がどのような意見を持っているか

に関わらず

その立場の垣根を超えて言えることは、

どの競技の分野においても

良い選手は走りが良く

また調子が良い選手は走りも良いということです。


その要因を知ることは

どちらの立場の人にとっても

有益ではないでしょうか?

走るという行為は、

野球の投球動作やバッティング、

ゴルフスイングなどの専門動作と同様に

無意識のうちに覚えた立ち方や歩き方

延長線上にあるからなのです。


具体的には

バランスの良さであり

すなわち軸の有無になります。

どのスポーツにおいても

軸の役割は大きく、走りにも影響します。

また走りによって軸を鍛えることも出来ます。

ここで大切なことは、

軸の形成において

ランニングと普段の身体使いや技術練習

がそれぞれ相互関係

なしているということです。


ランニングは良いトレーニングにも悪いトレーニングにもなり得る

ランニングと身体の使い方

この関係性は相互に影響し合っており

鶏が先か卵が先かの関係性です。


普段の身体の使い方が

走りに影響をする側面と

走り込みで覚えたの身体の使い方

普段の身体の使い方や

投球フォーム、打撃フォーム、ゴルフの

スイングにも影響するのです。

詳細は次回以降 詳しく書きますが

例えば

軸が通り大腰筋とハムストリング優位

ランニングするのか

前ももやふくらはぎ、腰に力が入った状態


ランニングをするのか


で その後のパフォーマンスに

天と地の差が付きます。


ですから

良いランニングをした後に

技術練習や別のトレーニングを行うと

そちらでも良い効果が生まれるのです。

しかし、注意したいことは、

マイナスの影響も同様にあるということです。

悪い軸でランニングをすると

癖が強くなり技術が低下する可能性も

十分にあるのです。


ランナーにも調子や選手としてのピークはある


ですから走ることも普段の練習や筋トレ

と同じくしっかりとした

目的意識を持つべきなのです。

ランニングやトレーニングも

決して容易でありません。

なぜなら

ランニング推奨派も筋トレ推奨派も

いずれ選手としてのピークを迎えることが

物語っています。

それらによって良い影響を受けていた

トッププロですらも

いずれはその恩恵を受けられなくなり

パフォーマンスが落ちるということです。

走りを専門する陸上選手でも

良い走りができなくなるのです。

これは軸という

身体意識 脳の働きを見れば理解できます。

つまりは老化です。脳の老化です。


コンディションを知る術にもなる


では、どうすればいいか?

それは自身の身体の状態を意識する術としてのランニング

軸を形成するためのランニングをしていくべきです。

正しく軸が身体に備わると

自然とに体幹、下半身の筋力トレーニングになり

身体も整っていき何より爽快に走ることが出来ます。

良い指導者は走りだけで選手の状態を判断できる


そして指導する立場に関して言えば

選手の走りを見てコンディションを判断できたり

上達のための道筋を示せるようになるべきだと考えています。

まとめ


ランニングや筋トレを含めるトレーニングは

筋肉を鍛えるという点
持久力を鍛えるという点

のみに焦点を当てていると

その本質はいつになっても理解できません。

脳を鍛える、軸を鍛えるという、身体の状態を知り整えるという観点で

ランニングやトレーニングを考えると見方は大きく変わることでしょう。

ランニングは

必ずしも必要な唯一のトレーニングというわけではありませんが

正しく取り組むことで  持久力の他に力強さ、正確性 も

充分に身につけることが可能になります。


そして、ランニングは奥が深く

質を追求すればいくらでも追求できます。

だからこそ、

ただ量をひたすら走れば良いというほど

簡単な問題ではない

わたしは考えています。


次回  良い走りと悪い走りの違い


について具体的に説明して、走る際に意識するべき点を解説します。



最後までご愛読有難うございます。




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