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僕がインターネット広告代理店を退職する理由

はじめまして。
ゆるといいます。

僕は2023年2月にインターネット広告代理店(以下広告代理店)に営業として約1年半勤めてきたのですが、2024年6月いっぱいで退職します。
グループ全体で2000人くらいいるので業界内だと結構大手の代理店です。

なぜ辞めるに至ったのか、今後インターネット広告代理店でのキャリアを考えている方の参考になるように書けたらと思いますのでお付き合いいただけると嬉しいです。


インターネット広告代理店に入った理由

2022年のコロナ禍の真っ最中に大学3年だった僕は、大学在学中にこれと言ってやりたいことを見つけることもできないまま就活時期に凸入。
先行きの見えない時代の中で以下を軸に就活を実施していました。

【①会社に依存しないスキルをつけられる&成長産業】

就活時に「これからは個の時代」「終身雇用が当たり前の時代は終わった」なんてことを耳タコで聞いていた僕は、20代はばりばりに働いてあわよくばフリーランスができるくらいにスキルをつけてやろうという気概で業界研究をしていました。

インフラなどの安定した業界には目もくれず、コンサルティング、デジタルマーケティング等の実態のわからない業界に関心を持ち、ESを出し続ける日々。

実際でデジタルマーケティングは需要が今後も右肩上がりに伸びていくのは目に見えていることだし、インターネット広告に限った話でいえばコロナ禍にはマス広告の売上を超えるなど事実ベースでも成長産業でした。

大学3年の時の僕の考え
「この業界イケてるしよくわからないけど入ったらバリバリ働いてスキルつけたろ!!!」

【②課題を抱えている人と二人三脚で課題解決ができてその結果、自分もクライアントも喜ぶ仕事ができる】

加えて、僕自身が学生時代の経験から、誰かしらの課題解決に携われることに価値を感じる人間であるという自己分析に行きつきこのような軸も持っていました(今考えると何の仕事でも当てはまるんですけどね笑)

一応軸を決めるにあたっては自分の原体験が大事ってことも耳タコでしたので、学生時代のインターンシップやボランティアの経験で誰かの役に立てたことが嬉しかったという文脈からこの軸を考えたのでした。

一つ目( ①)の軸が先行して決まったものだから、インターネット広告代理店もこれに当てはまるよね、ってことで僕の就活の軸はMECEのMの字もなく説得性をほぼ持たないまま決まっていきました。

志望理由を噛み砕くと

①②をひっくるめると、要するに、「専門性を持って誰かの課題を解決できる」ようになりたかったのですが、、、、、浅い、軸の深掘りが浅すぎる、、、

インターネット広告代理店、この軸に当てはまってはいますが戸口が広すぎてこの時点だとインターネット広告代理店でないといけない理由がこれと言ってないんですよね。そうなるとやはり自分が潜在的に持っている「やりたいこと」や「適正」とあっているか分からないまま入社となってしまうのですよ(自己分析大事、ほんとに)

加えて今いる会社、
AIが判定するとかで、志望動機よりも本人の原体験から会社にマッチしているか決めて採用の材料にするとかで、
2022年の面接では志望動機を一切聞かないというなかなか尖ったスタイルをとっていました。
(志望理由で就活の軸の話とかになってたらもしかしたら落ちてたかもね)

面接を通り抜けた僕は、ここでばりばり働いてスキルつけて出世だ!
と、やる気に満ちた気概で入社するのでした。

入社前と後のギャップ

スキルの観点

この点は僕が望んだ通りでした、
デジタル広告の運用経験やメディアの知識など、この業界にいる限りは活き続けるスキルを得られるという点で、
僕が過去に就活軸としていた、会社に依存しないポータブルスキルをつけること自体は可能だと思います。
実際に2,3年働いた結果独立する人も多いです。

ただし情報は毎日のようにアップデートされるし、それをキャッチできていないとあっという間についていけなくなる。、
日進月歩し続ける業界であることを日々実感しています。

顧客の課題解決

ここには明確なギャップがありました笑
社会人になる以前、顧客とは常に対等でありながら事業を成長させることが理想でした。

この点が我ながら理解が浅かったなあと反省ですが、
やっぱり顧客が上ですよ(お金もらってんだから当たり前ですね)
顧客からしたら事業成長の手段としてお金を出していて、どうしても代理店を下に見てくる人もいます。
構造上仕方ない部分ではありますが、僕としてはそこがなんだか悲しく感じる部分でもあったりするんですよね。

僕は他社の僕の場合は保険の広告を配信していましたが
そもそも論、代理店として向き合う「課題」の解決に対していまいち熱くなれなかったのも入社前とのギャップの一つだったりします。

大学時代に自分が一助となれて嬉しかったのは誰かのマイナスをプラスの状態にするという「課題解決」だったことに1年経って気づきました。(下記の1個目の方が僕が解決したい課題だった)

▼福祉的な課題解決
・誰かの人生上の課題

▼企業の持つ課題解決
・売上を上げたい

辞める選択「自分の感情に素直に」

あとはシンプルに残業時間多すぎる問題
ここまで就活軸とのギャップが〜とか言ってきましたが結局これがきつい!きつい!(何度でもいいたい)

時間にして月50〜70時間くらいは残業しています。(20:00に終わると早い、22:00終わりが普通くらい)
個人差があるとは思いますが僕の場合は40超えるあたりから多いなあという感じ。

duda/残業が少ない仕事・多い仕事は? 平均残業時間ランキング【91職種別】より
https://doda.jp/guide/zangyo/

会社の中でももっと少ない人もいればもっと多い人もいたりとばらばらなんですが、先輩を見てもこの問題が改善することはないんだろうなーと半ば絶望しながらこの1年間働いてきて、ふと思ったんですよね。

自分のやりたいことでもないし、そんな中で長時間拘束されている状態って人生の損失すぎやしないか?

耐えた先に自分の理想とするものがあるとかだったら頑張れるんですけどね。
この業界でそれを見つけることは難しいだろうなと
転職をするという判断するに至りました。

どんな人が向いているのか

僕はお世辞にもインターネット広告代理店が向いていないタイプの人間だったと思うのですが、仮にも1年間勤めてきたのでなんとなくどんな人がこの業界に向いているか分かるようにはなってきました。
今現在この業界を考えている人がいたら、自分に適性があるかという観点で見てみて欲しいです。

▼マーケティングでキャリアを築きたい人

これに集約されると思います。マーケティングでのキャリアビジョンがないとモチベーションの維持が困難になるほどには業務量が多いんですよね。。。

ですので、
モノがどうしたら売れるか突き詰めて考えたい人が最初に選択するキャリアとしてはかなり良いのではないかと思います。
顧客の商品をどんな人にどのようなコミュニケーションでアプローチしたら買ってもらえるかを科学していく過程に携わることができるので、ものを売るために必要な視点を養うことができます。

ただし、注意して欲しいのは、インターネット広告代理店で携われるのはあくまでプロモーションの領域であって、商品の設計などの上流工程には携わることはほぼ不可能です。
あくまで顧客が持っている商品を欲しているユーザーのインサイトを分析したりクリエイティブを考える立ち位置であることは理解しておく必要があります。

よくある転職先としては事業会社のマーケティング部署などが挙げられるので、ゆくゆくは事業会社のマーケターとして活躍したいという思いがある人には本当にお勧めできます。
(個人的には体型的にネット広告の知識を得られるという意味で広告営業、
媒体に特化した運用経験の蓄積が強みを生むという意味で広告運用の部署を経験しておくと強いかなと思います。)

最後に

激務な業界ほど、目的意識がはっきりしていないと続けることが困難になるんだなあと実感した一年でした、
自分のモチベーションが高くない以上、十分なパフォーマンスは発揮できない上でに、やる気のある社員との温度差が生まれるので居心地もなんとなく悪くなってきます。

インターネット広告は今後も必要とされる業界であることは間違いないですし、目標とやる気さえあれば人材としての価値を高めていける業界です。
自分がどうなりたいのかをしっかり考えた上でこの業界でキャリアを歩む方がいらっしゃいましたら心からお勧めできます。


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