ポステコグルーがこのサッカーを貫くためには?【ノースロンドンダービー振り返り】
やっぱり一人で打開できる選手は欲しい
とっさん(インテルファン):第35節のアーセナル戦は、以前から僕らが良いって言ってるビスマとかサールのようなドリブルでプレス回避できるタイプの中盤の選手はベンチスタートやったね。ベンタンクールとホイビュアがスタメンでした。
ポール(マンUファン):ビスマは最近ボールロストが多かったりして、シーズン前半戦ほどの凄さがないという印象やな。相手が対策してきて、そうなってしまってるのかもしれない。ということもあり、あんまり個人に頼りすぎるのも良くない、となってるんかなと。中盤2枚の人選はそういう影響もある気はしますね。
とっさん:なるほどね。この試合出てた中盤の選手はパス&ゴーが得意な選手が多いなっていう印象やったね。一人でドリブルでどうにかするというよりも。ただ、プレッシャーを突破するのもパス中心だと前半あんまり上手くいってなかったなと思って。だからやっぱり中盤はビスマとサールの方がいいんじゃないと思ってしまった。その2人ありきでしょこのサッカーは、って。 ビスマの予想できない動きみたいなのがあるからこそ前半戦の会心劇だったのかなと。この試合のメンバーで上手くいってないってことは。相手の予想外のプレーをするドリブラーに頼らざるを得ないようなチームの作り方してるんじゃないかな。
ポール:この試合はビスマとサール両方スタメンじゃなかったから、どっちかだけでも出ていればよかったかもね。
クルゼフスキのキープ力
とっさん:ただ唯一光明になってたのがクルゼフスキーのサイドでのポストプレー。後半はラインの間で受けるプレー。クルゼフスキーにどうボール届けるかでビルドアップが成立するみたいな感じでしたね。
ポール:さすがでしたね。ああいうプレーやらせたらすごいねクルゼフスキー。なかなか替えがきかないことやってる。前節のニューカッスル戦はブレナン・ジョンソンが右でスタメンやったんやけど、ビルドアップがどうにもこうにも繋げてなくて。そこで後半からクルゼフスキー出てきて、おおーってなったんよ。さすがクルゼフスキーってなったね。だからクルゼフスキーは武器として持ってていいよね。
とっさん:もちろんね。持っておいたほうがいいんだろうけど。この試合それしかないっていうのが悲しいところだなと思って。クルゼフスキ―を活かすなら片方のサイドに集まっフォローできるような感じでクルゼフスキーにボール渡してあげるとかがあっても良かった。
ウドジェが崩しのキーマンだったのかも
ポール:点がなかなか取られへんかったね。
とっさん:2得点したけど、それもね相手のビルドアップのミスだったりしたよね。まあ、結構サイドから仕掛けるシーンは作れてたけどね。前半はヴェルナーが仕掛けるシーンとか何回かあったし。ただヴェルナーの負傷交代もあって、クルゼフスキー頼みになっちゃったなっていうところでしたね。後半は攻撃牽引してたのが左サイド出たソン・フンミンやったなという印象だった。良かった時のサイドで旋回するとか、インナーラップするとかっていうプレーはあんまり見れなかったのは結構寂しいなって思った。崩しの局面は意外とウドジェがキーマンやったのかもなと思う。
ポール:それはそうかもしれない。ウドジェはケガで今シーズンは終了、EUROも間に合わないみたいやから残念やね。
とっさん:苦しい状況でクルゼフスキーだけじゃ厳しいからマディソンもなんとかして欲しかったなと思うよね。調子良い時はできるわけやから。ベンタンクールはそういうタイプじゃないから難しいけどね。
今後もこの戦術を貫くために
とっさん:来シーズン以降、CL出場することになってもこの、絶対に後ろから繋いでいくぞっていうサッカーを続けるんですかね。オレはちょっと厳しい感じはするな。
ポール:勝つためにはロングボール使うとかの武器もあった方がいいんだろうけど、ここまで明確にコンセプトがあるなら、このやり方のチームで行ってほしいなと俺は思ってる。
ソン・フンミンの起用法
とっさん:たしかに、このやり方に特化しても面白のかもね。この戦い方を継続して強くなろうってところで言うと、フォワードにどういうタイプを置くのがいいのかなと思ってるんよ。ソン・フンミンをフォワードに置くのがどうなんだろうって思うんだけど。でも、じゃあソン・フンミンどこに置く? って言われると難しいなと思ってて。どう思う?
ポール:左じゃダメ?
とっさん:サイドはチャンスメーカーが張っておいたほうがいいなと思うんよ。ソンって得点王になったことある選手やん。だからサイドはポテンシャルを一番発揮できるポジションではない気がしてて。じゃあワントップに他の選手おいてその下にソンかってなる。けど、そこはマディソンがいるし、サイドバックとポジションチェンジしながらポゼッション助けるっていうタスクやから、違うかなと。
ポール:そうやな。マディソン、最近降りてきてるボール触ってる回数めっちゃ多いと思う。
とっさん:インサイドハーフ化するのが当たり前になってるよね、マディソンが。だから戦術とソンのミスマッチもちょっと感じる。チームとしてはサイドから切り込んでエグってクロスみたいなところが一番の狙い所やと思う。そのフィニッシャーがソンやったら分からないでもないけど、崩しにソンが絡まずゴール前に待ってるっていうのもソンの無駄遣いな感じがする。
ポール:そうやね。
とっさん:最近のトレンドだと左右同じやり方をする必要はないやんか。だから右の大外はウィングの選手がやって、左の大外はサイドバックのウドジェでいいんじゃないって思う、偽サイドバックやらせずに。で、ソンは中に入る。アンカーの横で助ける動きをマディソンとかにやってもらえばいいんじゃないかと。
ポール:確かにね。そういうオプションはあっていいよな。
とっさん:あとは、ソンを割り切って外に置くのもありやと思う。ソンのポテンシャルを全て発揮しなくても勝てればいいと考えたら。クロスマシーンに特化してもらう。それでもソンはある程度やりそう。
中盤にボール散らすタイプがほしい
ポール:それで納得してもらうっていう手もあるよね。右足でも左足でもいいボール上げてくるだろうし。
俺が気になるのは、ボールを散らすタイプの中盤の選手がいないなーと思うんよね、今のスパーズ。ビスマにしろサールにしろそういうタイプでもない、持ち運ぶのとかは上手いけど。ロドリみたいなタイプがなかなかいないのかなと。
とっさん:この戦術でやるんやったらそういう選手は結構必須な気がするよね。チームのへそに一人据えて、その選手以外がポジション変えていくみたいなチームの作り方。例えばウィンガーは張る、アンカーの選手は常にセンターバックをフォローしながら動く。その代わり中盤のポジションチェンジには参加しない。旋回して流動的に動くのはサイドバックとインサイドハーフっていうイメージ。
ポール:そうね。
カウンター対策
ポール:あとは、カウンター対策が課題かなと思う。スパーズのシステムって基本は2-3-5で、後ろ2枚やんか。このカウンター対策どうするっていう話で、この試合もカウンターからサカにやられた。またニューカッスル戦の話やけど、2点カウンターから失点してるんよ。イサクが上手かったっていうのはあったんやけど。後ろ2枚にしたらやっぱりカウンターを受けるリスクは大きいよねっていう話を前もしたと思うんやけど、最近の試合はそれが出たんかなと思って。
とっさん:フォーメーション変えたほうがいいんじゃないかみたいな?
ポール:いや、そこも俺はこのままでいってほしいんよ。見てて面白いから。だから何とかならないかなと思うんやけど。このCBの2人、スピードある方やと思うんよ、ロメロとファンデフェン。
とっさん:そう思う。特にファンデフェンは何回かめっちゃ速いなっていうシーンは今シーズンあったしね。
ポール:それでも失点してしまうかっていうところがあって。これはもう、次のファンダイクみたいな選手を連れてきて、個人の能力で解決するしかないのか…
とっさん:そうね…。ロメロはミドルブロックぐらいの方があってるとは思うな個人的には。ミドルブロックで守ってるアタランタで見てたときに、エグいなこいつって思ってたから。
ポール:そうなんや。まあリスク取ってこのサッカーしてて面白いなと思うから、頑張ってこのサッカーを貫いて上まで行ってほしいんよ。
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