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毒親にならないために②

にゃりぺよが息子に向き合えない期間はおよそ8ヶ月続きました。
その日もにゃりぺよは、泣きながら息子の世話をしていました。

涙が止まらず、うわごとのように「死にたい」と繰り返していたとき。
突然、息子がにゃりぺよの涙を拭ってくれたのです。

相変わらず息子が何を考えているのかわかりません。
でもそのときは、何だか心配そうな顔をしているように見えました。

にゃりぺよはこんななのに、なんでこの子はこんなに優しいんだろう。
にゃりぺよはやっぱり涙を流しながら息子を抱きしめました。

夜、にゃりぺよは夫にその日のことを話しました。
そして同じく泣きそうな夫と相談し「今後は息子に怒らない」ことを決めました。

当然善悪を覚えてもらわなければ困るので、叱ることはします。
しかし自分の感情で怒っても仕方ないので、それを無理をしてでもやめることにしました。

初めは息子の失敗やイタズラに怒鳴りそうになりました。
そのたび深呼吸、目をつぶって冷静になる、大きな声を出して転がる…などなど、とにかくスッキリ!発散!を意識して抑え込みました。

にゃりぺよが意味のない大きな声を出すと、息子が面白がります。
もっとこんな顔が見たい、そう思うとまた涙が出てきました。

ときおり暴飲暴食をしたり、にゃりぺよは悪くないのだとSNSに訴えてみたり
不安定な状態でありながらも、息子に怒ることだけは抑え続けました。

そのうち通常の成長なのか、にゃりぺよが怒りすぎなくなったからなのか
息子の過剰だったイタズラや失敗がなくなりました。

それでもやはり生きているので仕方なく、つまらなければイタズラをして、毎日息をするように失敗をします。
そんな息子を見て、今でもときどきは「も~、いい加減にして!」と思ってしまいます。

でももう、にゃりぺよに怒鳴られて怯えている息子を見たくありません。
息子の笑顔を見るたび、にゃりぺよはつらそうな顔も思い出して、死んだら地獄に行って償いたいと思います。

だから今はイタズラにも「こら」と優しく言えます。
一緒に指さしで、何がいけなかったのか確認ができます。

息子が失敗しても、その理由を考えて愛おしく思います。
にゃりぺよが毒親から足を洗えたのは、息子の優しさがあったからです。


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