アンガーマネジメントは自分の力を発揮するためのもの その1 考えたこともない逆転の発想でした

最近立て続けに「アンガーマネジメント」に関する記事を読んだ。

アンガーマネジメントとは、怒りや悲しみ、劣等感などを自分の中で整理して、その状況を客観的に見ることで、怒りなどの強い気持ちを適切にコントロールし、問題解決を図るというスキルのこと(だそうだ)。

アンガーマネジメントを身に付けることで、職場や家庭など、人と人の感情が触れ合う場所で効果が発揮されることが期待されている。
よく例に挙げられるのは育児などにおいてだ。例えば、小さな子どもの育児に右往左往している親は、子どもが自分の言うことを聞かないとすぐに叱りつけてしままう。また、それを後で後悔することもあろう。しかし、その時に自分の怒りをコントロールする術を身に付けていれば、怒りを感じた時にすぐにその怒りを表さない方が、実は効果的であるということが理解できる。それが理解できればその効果を実感できるし、実感できればこれから怒らずに済む。
怒りを感じても、その怒りを自分の心の中で落ち着かせられれば、子どもがなぜ自分の言うことを聞いてくれないのかを、考えることもできるし相手にその理由を尋ねることも可能になるだろう。

アンガーマネジメントを詳しく調べていくと、その怒りにはタイプがあったり、そのタイプに応じてコントロールの仕方があったりと、これまた興味を引かれる。
人の怒りは平均して6秒ぐらいしか継続しないから、カチン!ときたら心の中で6秒数えてみましょう、とかできるものなら実践してみたい。(こう書きながら6秒数えられたことがないような気がする……。)

で、思い出したのが、ずいぶん前にとあるスポーツチームのトレーナーの言葉なのだ。当時、チームにトレーナーが帯同しているなんて、プロの野球かサッカーのチームぐらいしか考えられなかった。その有効性が実証され、だんだんと広がり今のような形があるのだろう。そのチームは、新しいものを率先して取り入れようとする気概のあるチームだった。そして、不勉強な当時の私にってその方の言葉は、全てが新鮮だった。

私もその時は何人かの子どもに教えていた。
これはよく聞く話。
試合になると練習のような力が出せない。だから、結果として実力を発揮できず負けてしまうことがよく見られた。
それが私は本当に悔しかった。もちろん一番悔しいのは選手自身だ。選手は真面目にひたむきに練習に取り組んでいた。時間も使っていた。だから、私も勝たせてあげられなくて申し訳ない気持ちだった。
ジョコビッチが『試合で出せる力は練習の20%~50%ぐらい。だから、練習で200%の力を身に付けるしかない。』と言っていたのを目にしたとき、やはり練習するしかないと思った。
練習方法を工夫し、時間を費やし、ひたすら練習するしかないと思っていた。

そんな時に出会ったのが、そのトレーナーだった。
あるチームの練習を見に行ったとき、その監督さんに紹介していただいてお話しする機会を得た。挨拶程度の時間しかないと思っていたが、たまたま時間があったの、そこで立ち話になった。すごくラッキーな話だ。その方は雑誌などでも紹介され始めていたが、私にとっては眉唾もの。別世界の話だと思っていたそんな時代の話だ。

(そのチームの練習を見学させてもらいながら)
私:みんな本当に上手ですね。
トレーナー:そうですねえ。
私:見ているだけで勉強になります。私のチームは練習は上手なのですが、本番になると力が出せないんですよ。
ト:(頷きながら)はいはい。よく聞く話ですよね。
私:そうなんです。結局、練習するしかないなと思っていますが……。
ト:確かにその通りですが、なぜ力が出せないのかは考えたことありますか?
私:そうですね。やはり緊張してしまって……。
ト:そうなんですよね。多くの選手がそう言います。緊張して力が出せなかったと。(目の前の選手を指して)彼らも言います。でも、緊張はした方が良いんですよね。
私:そうなんですか?
ト:試合の前はした方が良いです。問題は、試合に入ったある瞬間にその緊張を忘れられるかどうかです。
私:忘れる?
ト:そうすると力が出せますよ!
私:そんなことができるんですか?考えたこともありませんでした。どうすればそんなことが……。
ト:できますよ。怒るんです。
私:えっ?

(その2へ続きます。)


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