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水星を読み解くためのヒント

頭が良いとはどういうことなのだろうかと考えることがあります。知的能力・知性といえば水星ですね。能力そのものという意味では太陽も関わります。一般的に、水星と太陽は8度以上離れた位置にあり、かつ異なるサインである方が知的能力が高いと言われます。(理想的には15度という説も)水星、金星、火星は太陽に近すぎるとその熱で焼かれてしまい、天体の力が阻害されると考えられているからです。コンバストと呼ばれるものですね。水星コンバストについては確かにそうであると感じます。



また、水星はアスペクトの状態がストレートに現れる天体であるとも感じます。水星のソフトアスペクトがかなり優勢であるチャートの持ち主たちは、場面に応じて的確な判断ができ、客観的な理解力があり、さらに人の気持ちも理解できるという総合的な頭の良さを持っている人がとても多いからです。



そして、水星の位置も大変に重要です。1ハウスと7ハウスに水星を持っている人たちは賢さが際立ちます。(これは私の完全な私見です)それもこの複雑な世の中を生きていく上での総合的人間力と言えるような頭の良さです。人や社会と無駄にぶつからずとも、自分らしく生きる術を知っている人たちです。そして、物事や他者をよく観察しており、本質をサッと感じとります。



水星が位置しているハウスは水星が活躍する主な現場ですね。1ハウスと7ハウスは対人の軸です。私と他者、私と世界。故に、この方々の知的能力はこの世界を生きていく上での様々な知恵として、存分に発揮されていくことになり、それがあらゆる場面で応用の効く躍動する知性となっていくからだと思います。イキイキと躍動する知性ーー様々な状況や相手に応じて柔軟に働くことができ、視野の広い知性を発揮できること、それが本当の頭の良さではないかと思います。



3ハウスや9ハウスにある良い状態の水星も知的能力に優れています。しかし、この場合の頭の良さは対人面で生かされる聡明さや複雑な社会を生きていくための総合的知恵ではなく、学問的賢さです。いわゆる学校のお勉強が得意だったタイプ。そして、自分の興味がある分野では頭角を表しますが、興味のない分野はからきし弱いという傾向もあります。



何かの分野では素晴らしい知的能力を発揮できるものの、視野が狭くバイアスがかかりやすい傾向もみてとれます。頭脳だけが強く働き、身体感覚が抜け落ちる、神経過敏・一点集中で視野狭窄になり本能的肌感覚が弱くなるということもあるかもしれません。大学教授、何かの専門家や研究者、知識人のような方々に多い配置です。5ハウスにある水星も主観的に働く性質を持ちます。



そして、水星のサインも影響があります。ドミサイル(本来の居場所にあり最も力を発揮しやすい)に当たるのは乙女座・双子座の水星です。エグザルテーション(ホームではないけれど高揚する位置にあり力を発揮できる)に当たるのが乙女座の水星デトリメント(阻害されるエネルギーがあり本来の力が発揮しにくい)に当たるものが魚座・射手座の水星です。フォール(天体のエネルギーとサインの資質が相殺されやすい)に当たるものが魚座の水星です。



魚座水星はフォールでデトリメントて・・・わりとボロカスですやん・・・そう思うかもしれませんが、魚座水星を持つ皆様、ガッカリしないでください!魚座水星だと頭が悪いとかそういう意味ではありませんよ。
魚座は曖昧さや境界線の薄さを持つサインですので、水星の性能に問題を抱えることがあるということでしょう。水星は客観性と合理性を伴った天体であるのに、そこに正反対の海王星的影響が働くために、それが問題を引き起こすこともあるわけです。



これは魚座だけではなく、水のサインの水星(蟹座・蠍座)全般に言える要素です。水星は中立的かつ客観的であるべきなのに、主観や感情を通して事実を認識したり、事実を正しく認識できない状態で判断を下してしまう癖があるーーということが時に大きな弱点にもなり得るわけなんです。一方で、魚座水星はイマジネーション力や直感的で感覚的な理解力に優れています。水星の範疇を超えた、感覚的に全てをキャッチできるような共感性、対象物と一体化するような天才的理解力を持っているとも言えます。



デトリメントに該当する射手座水星の弱点は「大局的な思考が癖づいていること、一塊の構造的に捉えることがデフォルトであること」かもしれません。教科書通りの順番で理解していくことが苦手とも言えるかもしれません。私自身が射手座水星ですが、全体像が理解できないと細かいことが頭の中で整理されないのです。なぜそのような構造になっているのかという全体像が見えない段階では思考が混乱し、今、何を学んでいるのかわからなくなります。



そして、次々に思考が飛躍していくので、細かいディテールを見落としやすいのです。水星は細かいことをカテゴリ分けしたり、フットワークが軽くて柔軟であるべきなのに、腑に落ちないことがあるとそこで立ち止まり、水星というナビゲーションシステム自体がフリーズしてしまうという傾向があるように思います。反対に、細かいことをすっ飛ばして、大胆に本質を直感的に掴むという優れた理解力を持っています。本質をガッツリ掴めば、あとは全て応用が効きますので、そこが射手座水星の強みと言えそうです。



また、山羊座水星を持つ方は非常に頭が回ることが多いなと感じます。抜け目がないのです。あらゆる可能性を考慮して、現時点で最もベストな方法を弾き出す、スーパーコンピュータのような性能を持っていると感じます。水星が明晰で危機管理能力が高いということなのでしょうね。



ということで、知性に恵まれた頭の良い星座は何か❓と考えた時、様々な答えが考えられますよね。一般的には風の星座です。または火の星座も該当します。水星に守護された双子座と乙女座は知的能力に優れたサインですが、1ハウスと7ハウスの軸で発揮される知的能力が「非常に性能が良い総合的な知性」と言えるならば、天秤座と牡羊座が生きた知性として最も優れたサインとも言えそうです。



学問的な頭の良さや要領の良さ・小利口さだけではなく、牡羊座・天秤座軸的な知性=総合的人間力と調和的知性を獲得できるような視点を意識していくことが大切なことだなと思う次第です。12星座の要素は誰しもが持っていますので、あくまでこの現実世界の中にしっかり足をつけて、生身の体験を通じて、人間らしい知性を磨いていきたいものです。

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