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火星は解放を与える星

火星はマレフィック(凶星)とされています。事件や事故、思わぬトラブル、離別などーーいわゆる災いと争いをもたらす星でもあるからです。現実世界の視点で見ると、確かにマレフィックと言えるでしょう。



私の出生図のディセンダント(7ハウス起点・他者)には火星が乗っていて、アセンダント(1ハウス起点・自己)には天王星があります。これは対人関係(特にパートナーシップ)で相手と衝突する配置であり、典型的な離婚相です。期待を裏切らずw実際に離婚を経験しています。



トランジット(現在運行中の星の配置)を確認すると、運行中の天王星と私の天体がスクエアやオポジションになる時に、手に油を被って深い火傷をしたり、思わぬアクシデントに巻き込まれたりしています。



また、30代後半の時には、原付で走っていると、右折禁止を無視して突っ込んできた車にはねられ、救急車に乗ったことがありますが・・・これは火星とキロンが緩い合(オーブ13度)であることがひとつの要因かもしれません。



キロンと天体が合である場合、その天体の年齢域に高度医療を受けるーーという意味があります。私の場合、救急医療は受けましたが、高度医療までは受けていません。また、これが必ず当てはまるというわけではありません。ただし、該当する年齢域に、原因不明の体調不良や怪我に見舞われたーーというお話はそこそこあります。(まだ考察中で断定はできません)



離婚、トラブル、事故、火傷・・・あら、やだ。火星、怖いですねえええw
しかし、それでも!!!ユリシスは火星がマレフィックだとは思っていません。囚われとしての月・土星と同じく、形式上はマレフィックーーという認識です。なぜなら、火星とは自我を融解させる天体だからです。ホロスコープが魂の視点から描かれた「人生の歩き方」である以上、霊的進化・意識進化という観点から読み解かざるを得ません。



人生には時間割があります。生まれた時は誰しもが太陽そのものです。そして、月の時代、水星の時代、金星の時代の間に「私の創り出したい世界観、私が守りたいもの、私の美学、私の信念、私の喜び、私が引き受けるもの・・・」を明確にしていきます。



そして、25歳~35歳の太陽期で、それらに彩られた明確な自我を確立するために、自己を世界に表現していきます。太陽を獲得するとは孤独な道です。それなのにそれなのに、35歳~45歳の火星期で「せっかく獲得した太陽としての自我の土台」を融解(世界と融合)させていくのです。



火星は太陽(本質的自己)を世界に打ち出していくための能動性そのものです。私とは異なる他者、私とは異なる価値観やシステムに対して、あるいは私の守りたいもの・私の美学と喜びを脅かす世界に対して「怯まずに真正面から戦いを挑んでいく」のが火星時代です。



火星期、私はいつも戦っていました。自分を突き動かす莫大なエネルギーを止めることができませんでした。呆れるほどに熱かったです。人ともぶつかりました。思い返すと、なんて若かったんだろうと赤面の想いが湧くこともあります。でも、占星術を学び、それでよかったのだと思えます。



一度、自己を徹底的に貫いてみることで、他者や世界とぶつかり苦悩します。バイタリティと行動力のすべてを太陽を表現するために使うのです。そうすることで、自我が滝に打たれて磨かれ、まあるくなっていきます。「私」を打ち出すだけでは世界と調和ができない、他者にも同等に大切な守りたいものがあるのだ、このままではこれ以上進むことができないーーと覚る段階がやってきます。



それは太陽がバランスと調和を得た瞬間です。そうして、ようやく戦いから解放されます。自己を一方向に打ち出していくというアンバランスさから解放されます。エゴの衝動的エネルギーから解放されるのです。これこそが火星の与える恩寵です。(火星が凶星凶星・・・と言われると、なぜだかちょっぴり胸が痛みます)



だからこそ、その次には木星期が待っていてくれます。木星は普遍性の星です。私だけの幸せや発展、私だけの正しさや美学や信念ではなく、それをさらに洗練させて、全体性・普遍性を宿した太陽へと、木星が拡大させてくれるのです。しかし、それは人生の時間割(月・水星・金星・太陽・火星)を終えていなければなりません。(勿論、土星の課題もね)そうでなくては木星は上手く働くことができません。



本来、私たちは誰もが天才であり、物質的精神的に豊かに満たされてあるべき存在です。木星が上手く働いていないと感じる場合、どこかに「やり残した宿題・クリアしていない課題」が必ずあります。



月の偽りの自己像に囚われたままである、水星の人生ナビが上手く作動していない、金星の「私の美と喜び」を許可していない、太陽の個性と能力を発揮していない、火星の自己を打ち出す強さを発揮していない、土星の課題から逃げている・・・そういったことがよくわかるのが出生図のリーディングです。



火星から「解放」を与えられるからこそ、木星時代に入ることができます。そして、キロンを受け入れ、共にトランスサタニアンの次元に進んでいきましょう♡




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