麻生有里

詩の者です。書いたり読んだり同人活動など。普段はどっかの店員をしてて、たぶん風景に溶け…

麻生有里

詩の者です。書いたり読んだり同人活動など。普段はどっかの店員をしてて、たぶん風景に溶け込みすぎてどこにもいないかのように、そのへんにいます。

最近の記事

詩「春」

春 ほら見てよ カッコいいのがいい ってきみが言うもんだから 空がカッコよく晴れたよ すごくカッコいい 風もカッコいいよ 散歩中の柴犬が帰りたくなくて かいぬしさんとリードを引きあってる いやいやいやいやいや ってなるのカッコいいなぁ 疲れて歩いてたら 肩に鳥のふん落ちて来たひと 無条件にカッコいい そうやって 誰がどこでどうなって カッコよかったのかを知りたい わたしとか きみとか あったとしても なかったとしても 泣くほどでもなく 持て余すほどでもない きみがそういうも

    • 詩「物件」

      物件 近いのがいい 駅にも市役所にも商店街にも 猫とか鳥とか 出会ってしまったなら そそくさと逃げてくのがいい 裁判所の上でさえずって そのまま月も掬われて 雨がやんだら 猫が路地から抜ける * 何回も来てたって それでもいいじゃん? 保護フィルムの上から 画面をかわいがって 憤りもせず 目を閉じて肺を開く 近いところに貼り付けた 一寸先の薄い闇と わたしのようなわたし * 満月の夜には 恋人から電話がある 近く近く近く ベランダから放つ話たちよ さあ あっけなく続いてゆく

      • 行くべき場所の話

        今年行くべき場所を、遠くの見知らぬ人が決めてくださったそうです。明日行こうと思います。今日も行ってましたし、来週も行くと思います。 今住んでいる街に、なおも行く。常に行きつづけるのです。それは今年、私に課せられたもっとも過酷でやさしい試練です。乗り越えることができれば、もしかしたらどこかのサイトでレビューの星の数が増えるような気がします。星が増えれば星屑や星影も増えますから、ステージでワルツが歌われることもあるかもしれません。しかしそんなことより私は、愛すべき殿さまのことを歌

        • 初回投稿。

          あまり考えてないですけど、何かします。何か。