詩「春」

ほら見てよ
カッコいいのがいい
ってきみが言うもんだから
空がカッコよく晴れたよ
すごくカッコいい
風もカッコいいよ
散歩中の柴犬が帰りたくなくて
かいぬしさんとリードを引きあってる
いやいやいやいやいや
ってなるのカッコいいなぁ
疲れて歩いてたら
肩に鳥のふん落ちて来たひと
無条件にカッコいい
そうやって
誰がどこでどうなって
カッコよかったのかを知りたい
わたしとか
きみとか
あったとしても
なかったとしても
泣くほどでもなく
持て余すほどでもない
きみがそういうものだったとしたら
すごくカッコいい
もしかしたらわたしも
ちゃんとあったのかもしれないように



2024年4月 麻生有里
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