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ジャニーズバッシングで気を付けること

BBCの報道からジャニーズ事務所の性被害の実態が明らかになっている。

国家的アイドルグループ(敢えて国民的と言わない)のトラブルの余波は尋常なものではない。

ジャニーズ事務所の問題は既にあちこちで取り上げているので、わざわざここで引用はしない。

しかし、リベラルの視点として個人的に悩ましい部分もある。

確かに故ジャニー喜多川氏によって多くの性被害者が出た。
かつては文春がジャニーズ事務所と裁判にまでなっている。

そんな中、ジャニーズの起用を取りやめる企業が出始めた。
日本航空、アサヒグループHDが代表的だが、この他にも取りやめたところ、これから取りやめるところが出てくるかもしれない。

また、「ジャニーズ事務所」という看板も変えないという姿勢に、本当に再生の気持ちはあるのかと疑いを感じる。

だが性加害の根絶に、悩ましい問題もあるのは事実だ。

それは、事務所の姿勢以前に所属するタレントやアイドルたちの熱烈なファンの存在だ。

ジャニーズ所属タレントの起用を取りやめた企業に対し「〇〇さんは何も悪いことはしていない。仕事がなくなるなんてあんまりだ」といった非難の声が上がり始めている。

また、長島さんの気になるツイート(X)もある。

上記の懸念を防ぐためには、市民運動の人たちがジャニオタ達への「歩み寄り」も必要ではないかと思う。

というのも私自身周りにジャニーズのファンがかなり多くいるのである。

ジャニオタ達にとって、推しはファンであるだけでなく心のよりどころ、もっと言うならばファンの間はタレントたちは「ライフパートナー」だと思っている。

ペットが生活の伴侶と言われて久しい。もちろんペットとアイドルは同一視してはいけない。私は心理学などの専門家でもプロでもないが、「単なるファン」という軽いレッテル貼りをジャニオタ達に押し付けてしまうはかなり危険ではないだろうかと思ってしまう。

ここで性被害を非難しジャニーズの性加害の根絶を訴える側と、俗にジャニオタ達の感覚がずれている気がしてならない。

ジャニオタ達に即刻「ジャニーズを解体しろ」や不買運動のような形で「ジャニーズ起用企業は使わない」ということを言っても、逆にジャニオタ達には不信感を募らせるばかりではないだろうか?

まずは何故非難が必要か、どうしていち芸能事務所の問題を大きく取り上げなくてはならないのか?その説明を丁寧にする必要があるのではと思う。

そしてこちらも、普段ジャニオタ達が何を見て何を感じ、どんな価値観を持っているのか、そのようなことにも関心を持っていく必要はあると思う。

そして周囲にファンがいる者としてひとつ言えるのは、ジャニーズのファンたちは心に傷を抱えたり、傷つけられたりした過去があるケースも多い。

その癒しと心の回復に推し活は役に立つというのは精神医学でも言われている。

その推し活がたまたまジャニーズだった。
そうしたファンたちに一方的に「性加害を起こした事務所のタレントのファンをすぐやめろ」というのはあまりに暴論だ。

ジャニーズの性加害の問題は決して無視するべきではない。
しかし、ほぼ戦後から歴史を作ってきた巨大事務所でもある。
そしてそのファンの数も膨大である。

ジャニーズの性加害問題は、時間をかけて丁寧にファンたちに向き合うことを求められているのではないか。

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