9,両親の目がある環境での夫は

地元へ引っ越すと、同時に私の両親が孫に会うために家へ来ることが増えた。孫の顔を見にくる事と,少しでも預かって孫の世話をすることとは全く別で、孫を見るには必ず条件をつけてくる親だった。それは今思えばひどいもので、孫達を見て欲しいなら毎月10万円渡す事だった。そんな親でも目が近くにあると夫は暴れるのが少なかった。世間体を気にする夫だったので、顔を合わすとニコニコ笑顔で優しい夫を演じていた。しかし、両親が子供へプレゼントしたおもちゃを捨てるような醜い事をする一面は本性なんだなと、夫の行動には不快感しかなかった。一応、親の目があるおかげで、過去の様な事件のようなDVは数年静まった。子供が小さいうちは…と私も女優であるべきと自分に言い聞かせ、機嫌を損ねない様に…そんな月日を送り、しかし夫婦であるうえ、夫婦関係はあり子供を授かることになった。しかし、子供が授かって身動きがとりにくくなると、夫はイライラが増え始めた。些細なことで怒鳴る。仕事のイライラを持ち帰ってきて家で大声で切れる。ものを破壊する。仕事がしんどいなら、帰りに飲みに行ったり出かけてきたらいいのよと言うと、…「俺は友達なんかいないんだから、嫁のお前が話を聞く義務がある!だから聞け!」と、延々と分からない仕事の話を聞かされた。ただただ共感するのが正しい聞き方だった。小さい子供がいて妊婦だった頃は、いつも寝不足で放心状態だった。夜な夜な1時過ぎまでは聞かされていた。仕事に復帰していないから出来たことだと思う。ただ、子供を産んで保育園に預けれる状況になれば仕事を始めることは自分の中で決めていた。それが私と子供が平和に生きる術だと思っていた。

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