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大人からはじめるバイオリンマニュアル

はじめに

お家にいることが増えて、ギターをはじめ楽器売れ行きが上がったそうです。英会話を始める人も増えたとか。

家にいる時間が増えて、能動的に何かできることをはじめたい!って思いますよね。実は、私もギター買いました笑)ギターの文化ってすごいですね。とにかくすぐに曲が弾ける!というか、コードを鳴らして弾き歌いとかじゃんじゃんできて、おもしろいです。

同じ弦楽器でも、バイオリンはまだまだ敷居が高いなと思います。楽器の性質上、ギターのようにはいかないかもですが、バイオリンも楽しさでは負けてないですよ!弾けたら、みんなでアンサンブルできたり、ピアノ伴奏と演奏できる素敵な曲もいっぱいあります。

教室の約半分は大人の生徒さんで、そのほとんどは大人からバイオリンをはじめて持ったという生徒さんたちです。大人から始める生徒さんを30年近く教えてきた経験から、練習時間が短い大人の生徒さんでも、オーケストラに入れたり、弦楽オーケストラの曲を一緒に楽しめたりするのは証明済みです。バイオリン、ビオラをこれから始める人、そして今まさに始めている人にも、何か役に立ちそうなことを、少しずつ書き溜めていこうと思います。

まずは地図をえがきましょう

私のカリキュラムは、少し他の教室とは違っているかもしれません。教科書を一曲一曲はしからやって進んでいくということを、10年ほど続けて・・。ということはあまりやりません。たぶん、鈴木バイオリン指導曲集の4巻まで進んだ。私がんばってる!とか新しいバイオリン教本3巻まできたぞ。ということが好きな人もいますし、その方法が合ってる方もたくさんいらっしゃると思うのですが、私はよくある伝統的なテキストは使いません。

その代わり、3年に一回弦楽オーケストラの発表会をします。発表のために、自分のレベルに合った曲を譜読みして、本番のためだけに結成されが生徒だけのオーケストラに参加しながら、今年は初級だけ、3年後は中級までこれた。上級の曲にも少し参加できた。などなど、そこで自分の進み具合を確認する感じでしょうか。

あえてわかりやすいように、レベルを生徒さんに示しています。

入門レベル:開放弦と指番号、2番くらいまでのレベル

レベル1 バイオリンランド2巻後半レベル

レベル2 バイオリンランド3巻レベルで第1ポジションのみ

レベル3 ポジション移動はできないけど、難しいシンコペーションやタイのリズムも読める

レベル4 ビブラートもポジション移動もできるし難しいリズムも読めるレベル

これは本当に大雑把なくくりです。ひとりひとりできること、苦手なこと、得意なこと、音楽経験みんな違います。

バイオリンランドという教材は全員が使うので(経験者以外)、クラス向けには以上のように知らせれば、大体わかってもらえるのですが、少し補足をしたいと思います。

レベル別:到達内容

入門レベル

1)ボウイング:すべての腕の関節をつかって、肩甲骨もつかって、きれいな全弓レガートができるようにします。

2)左手:まずは手の中心2番(中指)が、きれいに押さえられるようにします。そのあと1番(人差し指)の音程が取れるようにします。


レベル1

3)3の指がでてきて、半音、全音の知識ができます。簡単な音階がひけるようになります。

レベル2

4)4の指が使えるようになります。スラー、デタシェ、マルトレ、スピッカートなどができるようになります。部分弓も使えるように、しかも全弓じゃなくてもボウイングが安定してきます。


レベル3

5)ここでポジション移動のない、いろんな調整の曲を学びます。できれば、時代も色々な曲を。このへんでソルフェージュも強化。音階練習、練習曲も併用して、本格的なレッスンに移行していきます。楽典的なことも勉強します。

6)ポジション移動を学びます。合わせてビブラートなども学びます。名曲もいっぱい体験しましょう。

これで上級クラスに参加!という感じです。上級クラスは、ランニングでいうと、「ジョギングをはじめてフルマラソン走れちゃった」という感じでしょうか。制限時間のゆるいホノルルマラソンくらい?

走れたらサブ4とか狙いたくなるじゃないですか。そうすると、筋トレが必要?じゃあ楽典やソルフェージュを強化しましょうとかセブシックやってみましょうなど、その人それぞれメニューが変わってきます。バロックバイオリンをはじめちゃう人も。ビオラの持ち替え始める人も。みんないろんな志向性が出てくるので、自由にやってもらいます。大人の生徒さんで1年でこのレベルまで行った生徒さんもいらっしゃいます。子どもの生徒さんで、小学校3年生ころにはじめて、5年位でこのレベルに到達した生徒さんとか、年中さんではじめて4年くらいで到達など。もちろんのんびり10年くらいかけて到達する生徒さんも。一歩ずつ進んでいれば、必ずそこに到達します。

レベルが変わるのは、教科書が進んだからではなく、私の中でこのくらいできてれば、次のレベルに行っても大丈夫かな?というものがあり、判断しています。なので、曲集のテキストを使っていても飛ばしていくこともあります。身につくまで同じレベルの曲を、何曲もじっくりやっていくこともあります。

大まかなルートがわかったところで、次回は初心者向けに書いてみます。

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