大人からはじめるバイオリンマニュアル(4)〜かまえる〜
前回は弓の持ち方入門編でしたが、今日はかまえかたいってみます。
身体の使い方から場所をさぐる
バイオリンランドのテキストには、かなり詳細な絵があり、参考になります。足をハの字に開いて、左足と同じくらいの方向にバイオリンが向いている絵。左手を右肩に乗せて「ちょうだい」の手をしながら、楽器の肩をつかむ説明で、かなり構えるポジションがわかるかと思います。
足の開き加減とか、足のつま先の向きとか、ちょっとしたところで変わってしまうので、若干これでいいのかな?と思うことがあるかと思うのですが、もう一つレッスンでやっている方法をお教えします。
バイオリンを弾くときに使う筋肉
意外だと思われる方も多いと思うのですが、バイオリンは腕で弾くというよりは、肩甲骨周りの筋肉を使っています。ボディーマッピング的に言うと、腕は肩甲骨から生えているイメージです!
左では、肘を入れるのですが、肩関節を回してあげているのは、肩甲骨。右手はアップの最後で肩をたたむのですが、これも肩甲骨から動かすイメージです。
肩甲骨を動かすかまえをさぐる
ここ数年、ずっとパーソナルトレーナーの先生について筋トレをやっているのですが、スポーツ関係の指導者の方って、理論理屈がすごく詳しいんですね。身体の構造とか勉強されています。よく考えたら、身体の動かし方を教えるんだから、当たり前だろうと思うのですが、昭和の時代とちがって、根性で乗り切るだけの筋トレと違います。すごく合理的て感動します。
音楽の世界もかなり頑張ってはいると思うのですが、まだまだ「イメージだけ」とか、「そう教わったから」とか、「昔の偉人の専門書にそう書いてあったから」ということに頼りすぎているきらいがあります。
ラットプルダウンという種目があるのですが、肩甲骨周りのコリを解したり、肩甲骨周りに効きます。バーを肩幅より広く持って、胸の前まで勢いよく引くトレーニングなのですが、バーを持つ広さが狭いと、肩甲骨に効かずに、肩に効いてしまいます。親指に変に力を入れすぎると腕が疲れます。
この種目を習いながらハッとしたのですが、「生徒さんたち、もし構えが狭かったら、肩甲骨使いたくても使えないってことだよな」と。先生に習った体操で、肩甲骨を使って腕を上下する腕の幅を確認する方法があります。
この動画を観ながら、肩甲骨を使える腕の幅で、一番狭いところを探してください。その左手の上にバイオリンが乗るというイメージで楽器の向きを決めると、とても自然に構えられます。
楽器が遠すぎで、弓が届かないという方は、なるべくテールピースの近くに顎を乗せて、なんなら、あごあてもテールピースの上に来るタイプに変えるといいと思います。
場所がきまったら・・・
楽器の場所が決まったら、あごのせに顎を乗せていきます。最初、わかりにくかったら、肩当てを外してやってみるといいかと思います。
1)鎖骨の上に裏板を載せる。
2)さっき決まった場所に、バイオリンの向きを合わせる
3)顎を乗せたら、肩をなるべく下げて、視線は譜面台に向けたまま、頭で重しをするように、乗せます。バイオリンが下がってしまい、肘が体についてしまうようだったら、その足りない分を補うために、肩当てを使います。
私はスポンジを使っています。肩当ては、最初はクンで、マッハワンのときもありました。今は、バイオリン型をしたスポンジを、自動パン切りナイフで薄くして使っています。
こんな感じです。
自分の構えが正しいかどうかは、少し弾いてみないとわかりません。左手は、G線のハイポジションまで押さえられて、4の指を使っても隣の弦に指が触れないで押さえられるか。右手は肩を無理に使わずに全弓使えるか。どの弦も先弓まで届くか。
このあたりは、youtubeで弾き方を勉強していても、自分のやっていることが正しいかどうかフィードバックできないので、難しいかもしれませんね。そんなときは、飛び込みでレッスンにおいでください。笑)一緒により良い構えを探っていきましょう。