「立夏」
目が覚めて、ベットに寝そべったまま窓を開けると、湿気をたくさん含んだ空気が入ってきた。雨の匂いがする。遠くの山の木が、また一段と濃くなっている。
一階に降りて窓の外を眺めると、昨日までは見当たらなかった小さな虫たちがたくさん飛んでいて驚いた。
今日、2020年5月5日は二十四節気の「立夏」。
暦の上での夏の始まりの時。
その名のとおり、今日は蒸し暑い一日だった。
うちは古い一軒家で、二階にはクーラーが無い。
二階は寝室と私のアトリエの二部屋になっていて、夜は山の風が吹いてきて気持ちが良いのだけど、昼間は結構暑い。今日の作業は久しぶりに首筋に汗をかいて、そろそろ覚悟をしないとなぁ・・・と思う。
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吹きガラスの現場は暑い。溶けたガラスは窯の中で常時1350度くらいに保たれている。一度溶かしたら、窯がダメになるまでは基本的に火を止めない。
更に作業するための炉も同じくらいの温度で火をつけているから、真夏に大きな焚き火を部屋の中でしているようなものだ。
だから、みんな夏を乗り切るために色々な工夫をする。塩を直接舐めながら作業をする人もいるし、スポーツドリンクは必須。梅干しを持ってきたり、最近は塩飴を携帯する人も増えた。
ガラス工房に勤めていた頃は毎日工房に行っていたから、徐々に身体が暑さに慣れていった。だけど今はだいたい週に1、2回しか吹きの作業はしないから、なかなか慣れることがない。そこで「覚悟を決める」。大げさだけど、もう暑い季節なんだよ!と身体に言い聞かせておくと、ちょっとだけ違う気がする(気休めだけど)。
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最近は庭の植物のスケッチをすることが増えた。やっぱり毎日描いて、自分の線をもっと信頼出来るようになりたい。もっと伸び伸びと生命力を出せたらと思うのだけど、なかなか思うようにいかなくて、受験の時のデッサンを思い出す。たくさん描くしかないのは分かっている。
実は今年に入ってからipadで下描きをしてみたりしているのだけど、どうしても紙と鉛筆を選んでしまう。
単に慣れの問題だとは思うんだけど。
デジタルはほんっっっとうに便利だし、もっと使いこなしたいんだけどね。
まぁ結局ガラスには筆で描くのだから、好きなんだろうなぁ、作業的に。
今日は暑かったから朝顔の施釉をしました。
銀線で作った朝顔の中に、色の釉薬をいれるところ。
今年はすでに色々育てちゃってるから、朝顔はやらないつもりだったけど、やっぱり種を蒔こうかなぁ〜でも、どこに?
庭も毎日色々な場面を見せてくれます。
今年は描きたいものがたくさんあって追いつけない。
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