採用は、量より質でしょ!企業編

「他に候補者いないの?」。企業の採用の仕事をしていて、Hiring Managerに言われると辛い言葉だ。全く応募がないならまだしも、求人に対し、決して少なくない応募があるのに、まだまだ欲しがる。

例えば、新規店舗開店などで、まとまった人数を採用するならまだしも、たいていの中途採用はそれぞれのポジションで1名。条件に限りなく近い人が応募してきて、不合格にする理由が見たたらなければ、その人を採用すればいいはず。だが、企業は”より多くの人から優秀な人を採用したい”と、母集団を形成したがる。そもそも、集団を形成できるほど、応募が来ないのは、企業側のアピール不足が大きい。そういったことを棚に上げ、候補者の数にこだわる。

誰だって、好かれたい。出来るなら、多くの人から好かれてちやほやされたい。これは企業も同じだ。

応募多数=人気企業(モテてる)、そういう感傷に浸りたいだけだ

1名しか採用できないのだから、仮に100人応募があっても、99名はお断りをしなければならない。不合格にされ、気分があがる人はいない。つまり99名が、その企業になんからの負の印象を持たせるリスクが生じるのだ。今は、SNSであっという間に拡散される時代。99名とは言わないが、数名の不合格者たちが、その企業のことを悪く描いたら、事実かどうかは関係なく、「なんとなくヤな感じ」と、応募者しない大多数の人が思ってしまう。それにより、採用への影響が出たり、企業の商品やサービスの売り上げにだって営業を及ぼしかねない。企業はそういう目に見えない影響を考えず、”数の中から選ぶ”という”モテたい意識”から脱却できない。

応募が多いということは、書類審査や面接設定に時間がかかるし、最初に面接した人の印象も薄れ、正しい判断がしにくくなる。評価の良かった応募者も、待たせている間に他社から内定をもらい、誰もいなくなることもある。更に更に、あれこれ選り好みしている間に、今働いている社員の負担が大きくなり、その人たちが退職すれば、追加採用をせまられる。

婚活のように「他にもっといい人がいるかも」と思っていると、いつまで経っても、採用できない。

運命的な応募者を待つより、応募者に対し謙虚になるべきだ



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