見出し画像

打ち合わせしながらの食事は両立しない

以前、すぐに食事をしながら打ち合わせをしたがる上司がいた。11時を過ぎると、「よし、みんなでランチを食べながら打ち合わせをしよう!この近くにいいイタリアンの店がある。ちょっと待ってろ」と言って、そそくさ電話で予約を入れる。

「今日はちょっとリッチなランチをただで食べられてラッキーじゃない?」と同僚には言う。基本、あまり食べることに興味がない私にとり、”何を食べるか”ではなく、”誰と食べるか”が最も大事だ。いくら上司のおごりとはいえ、内心快く思っていない上司ならば、なおさら食事をするなど苦痛でしかない。

科学的根拠は乏しいが、一般的に「男性は、同時に二つの行為ができない」という。また、食べることは本能的欲求で、打ち合わせは知的な生産的行為で、この理論が正しければ、人間の生理的な欲求とは相反する二つの行為を成立させるのは、特に男性の場合は難しい。「食べて飲んだ、リラックスしたら、いいアイディアがでるかもしれない」という考えもあるだろう。果たしてそうだろうか。

ランチミーティングの前提はいい。打ち合わせができればそれでいいだろう。そう思い、店に行く、席につく、注文をする、料理が出てくるまでは午前中にしていた仕事の話題をする、料理が運ばれる、話を中断し食べる、話題が逸れる、食べ進んで、デザートやコーヒーが運ばれることは、この集まりの趣旨など、お腹いっぱいで忘れてしまう。そろそろオフィスに戻らねばならない時、「話の続きはまた午後に」と結局持ち越すことになる。

また、打ち合わせならば、話の内容を記録すべきだ。だが、食事の席に手帳を持ってきて、テーブルで議事録を取る人がいるだろうか。第一、テーブルセッティングされ、そんなスペースはない。今時なら、スマホで録音したりやテキストを打ち込むこともできるだろうが、その人だけ、食べることが制限される。それでリラックスした雰囲気で食事をしながら、実のある仕事をしたと言えるだろうか。

どのみち、食事をしながらの打ち合わせなんて、誘った側の「優雅さの自己演出」だと私は思う。ならば、集中して打ち合わせをして、そのあと、仕事の話はなしで、食べることに専念する方が、仕事もはかどり、生理的欲求も両方満たされるのではないか。

追記:7ukyoさんの画像を使わせていただきました。ありがとうございました。

「人生経験の引き出し」がいっぱいあります。何か悩み解決のヒントになる話が提供できるかもしれません。