見出し画像

外に出よう

保護犬。
愛情をかければ必ずいつか慣れてくれる。
とは言いますが、
やはり必ずとは言えない場合が時々あります。

家庭で飼われていた経験がある保護犬は
比較的早く慣れてくれると思いますが
時間がかかってしまうことが多い
野犬出身の子たち。
今、我が家にそんな野犬出身の子がいます。

ドッグトレーナーの先生曰く
ご飯をあげていればそのうち
懐くとのことでしたが、
(その言い方も微妙…)
半年以上経ちますが懐きません。
いや、もちろんうちに来た時に比べたら
格段に変化はありましたが。

寄っていけば逃げる。
人前ではご飯を食べない。
排泄も人前ではできない。
人がいる時は寝れない。

ビビリション、ウンチは当たり前。
嫌がることは極力やりたくないので
馴れるまではとにかく放っておこうと決め込みましたが、半年経っても変化なし。

うーん…これはマズイかも、と思っていた時
とある譲渡ボランティアさんから
無理にでも外に出したほうがいいと教えてもらいました。

逃げたら一生戻ってこないだろう…
嫌がるのを承知でリード5本を着け
意を決して外に連れ出しました。

最初はもちろんパニック。
逃げようと必死だし
リードは噛むしビビリウンチ。
歩けないし動けない。

それでも毎日連れ出しました。
10日ほど経った頃…変わったんです。

散歩だと分かるとヒィヒィと鳴いていますが
自分から玄関に行き、震えながらも
リードを着けさせてくれるように。

野犬として育ってきた子。
やっぱり外が好き。
この子の変わるきっかけは外にあったんです。

今ではしっぽをしっかりとあげ、
散歩が大好きな子になり
まだ充分に馴れはしないものの
それなりにリラックスした姿を家のなかでも
見せてくれるようになりました。

一歩一歩。
歩みは遅くても
そんな変化がたまらなく可愛らしく愛おしい。

野犬にはそんな魅力があります。

あなたに四季の移り変わりをまた感じてほしい。
その可愛い鼻で風がどんなだったか思い出してほしい。
雨が降るなか散歩に行っても
あなたには暖かい家があることを知ってほしい。

そんな思いを込めて今日もあなたと外に出る。
何年経ってもいい。
いつか私にしっぽをあげてくれることを願って。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?