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からだの話

2018年度の秋と冬は、自分でももはや笑えるくらいに大変なことが続いた。そのなかでも特に大きかった、体の話を書いてみたい。

12月に病院を受診した。きちんと下調べをして予約までした、大きめの病院だ。やや緊張して問診票を書き、待合室のソファーに座る。周りをみると、平日なのに結構多くの人がいる。待合室には、リラックスできるようにか、LEDのキャンドルとブランケットが置いてある。

実は私は高校生の頃からずっと生理不順で、それも結構なレベルでの不順だった。なんだかおかしいな…とはずっと思っていたのだけれど、2年に1回くらい病院に行って、一通り検査をして「異常はないですね。様子を見ましょう。」というのを繰り返してきた。全く異常がないわけではないよな、、と思いつつ、でも原因不明だし、ストレスなのかなぁなんてひとりで納得していて、なんとなくそのままずーっと来てしまっていた。

それでもやっぱりおかしいよなぁと思って、今回レディースクリニックを受診した。いつもと同じように問診の後にエコーと血液検査をして、多嚢胞性卵巣症候群ですね、とあっさり言われた。

きっとまた「異常はないですね。様子を見ましょう。」と言われると思って、軽い気持ちで受診していたから、急に目の前に降ってきた病名にクラクラした。あれから数日の記憶は、つい数ヶ月前のことだけれど、あまりない。起きていると考えてしまって苦しいから、ひたすら眠るようにしていた気がする。


多嚢胞性卵巣症候群というのは、簡単にいうと、排卵ができないという卵巣の機能不全だ。ある程度育った卵胞が、排卵されずにたまっていくから、卵巣の周囲に(エコーで)丸く抜けてみえる卵胞が連なり、「ネックレスサイン」と呼ばれる特徴的なエコー所見を示す。

決して珍しい病気(正確には単一の病気ではなく症候群)ではないそうだ。ただ、原因が不明なのだ。生まれつきの体質的なものらしい。原因がわからないから、根本治療がない。

牛でも同じような異常があるから(私獣医)、病態や所見はすんなりと理解できた。ただ、排卵ができないということは、自然妊娠ができないということ、その事実は心にずっしり沈み込むように重くて、25歳の私には、なかなか受け止めきれない。(不妊治療が功を奏すれば可能性としてゼロではないそうだけれど)

今は、ホルモン剤を飲んで、対症療法的に治療をしている。このホルモン剤がまた、副作用が強くてなかなかキツイのだが、体のためだと思って頑張って飲んでいる。まだ飲み始めて1ヶ月半くらいだから、副作用が強く出やすくて、体調は仕事への影響もあるし、正直、わりとつらい。

気持ちも当初よりは落ち着いたけれど、やっぱり波はあって、急にふと悲しくなる。時間がかかるんだきっと。そして、それでいいんだ。立ち上がっては泣いて、少し進んで疲れたら眠って、そうやってゆっくり進んでいけばいいんだ。


自分が病気だとわかって、本やSNSやブログ、いろんな媒体でいろんなひとが発信している文章を読んだ。知らない人だし、それぞれ体も病気も違うけれど、身体の不調と妊娠できないかもしれないことへの恐怖を抱えているのは私だけじゃないんだ、と思えたことで私は救われたから、私も 書くことにしたんだ。

いま、苦しい人のもとに、届きますように。一緒にがんばろうね。

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