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男性のセクシーについて。

 私の大好きな、映画ドラマシリーズの「sex and  the city」のワンシーンに、主人公キャリーの恋人Mr.ビックが、壁にもたれながら小さいエスプレッソカップと、ソーサーを手にしながらキャリーに微笑みながら会話するシーンがある。

 Mr.ビックはダンディで渋いが、私は全くタイプではない。彼の事をキャリーは「sexyすぎて、いつも私は翻弄されてしまう」という様に語っていたが、正直どこがやねん。と思っていたし、体の大きいお金を持ってるおじさん。位の認識だった。

 ある時ふと、自宅にあるsex and the cityのDVDを流しながら家事をしていると、冒頭に挙げたエスプレッソカップのシーンを目にして全身に電流が走った。


 えっっろっっっ!


 本当に何てことないシーン。朝のクローゼットの中、キャリーに自分の考えた事について提案をしているシーン。マグカップでもなく、右手に小さい小さいエスプレッソカップ。左手にはカップを乗せていたソーサーを持って。

 なぜこんな何気ないシーンに、私はこれ程まで欲情してしまったのか考えた。



「違和感」ではないだろうか。



 大きくワイルドで、引き締まった体の男性が持つ想定のない、小さい小さいコーヒーカップ。移動する時は置いておけばいいのに、律儀に手に持って移動させたソーサー。



 保守的なロングスカートだと思っていたら、大胆なスリットが入っていたデザインの違和感。

 清純でどこかあどけなさの残る彼女の、タバコを吸っている姿を見かけた時に見た陰、違和感。

 甘いメイクや、柔らかそうな細い髪の毛の彼女が口を開いた時にハスキーボイスだった時の違和感。


 違和感を感じた時、想定外のものを見た時、自分にない魅力や知性、儚さを感じて魅了されるのかもしれない。


 我が家ではエスプレッソは飲まないし、一応豆から挽いてコーヒーを毎日飲んでいるが、飲んだ気がしないから、特大サイズの300円くらいで大昔に買ったマグカップで飲んでいる。

 コーヒーとは日常にあって、色気もトキメキもなく毎日義務感のみで通う、近所のスーパーに近い感覚でいた私にとっては、かなりの衝撃だった。

 

 他にも、絶対的に自信を持った男性。自ら才能を自慢したりしないし、過信もしない。褒められれば謙虚に笑うけど、内面から滲み出る揺るぎない自信。


 こういう男性にも震えるほど魅力を感じる。


 先程例に挙げた、女性の違和感や色気の出し方の方が明快だし、イメージもしやすい。

 最近は艶めかしいエロスだけのsexyだけではなくて、もっとヘルシーな爽やかなsexyの方が支持されていると感じるし、sexyの定義も受け取り手の数だけあると思う。


 なので、男性のsexyを語ろうと思うと本当に難しいなと思う。


「違和感と自信。」


 今の経験値の浅い、若人の私に言える精一杯の見解はこれである。

 

今後酸いも甘いも経験し、女性として更に深みを増し、しわとたるみも目立つようになる頃には、艶めかしい温度のある言葉を放つ、違和感を持った女性になりたいと思う。






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