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Stop Fake: 「ボグダン・ブトケビッチ:ドンバスで市民を150万人殺す必要があるだけ」+ マレーシア航空17便撃墜事件

Stopfake.org 8/9/14掲載の記事からの翻訳です。ウクライナ人ジャーナリストで歌手のボグダン・ブトケビッチ氏が誤った報道をされたこと、国連の会議でのチュルキン氏のスピーチについて、また風刺サイトのニュースがどのようにセンセーションを巻き起こしたかについて扱います。

更に、ロシアとウクライナのメディアの仕事についていくつかの記事を書いたロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのエレナ・セルデュクへのショートインタビューもあります。スロビアンスクを訪問した後、すぐに私達を訪ねてきてくれました。

ウクライナのテレビで語るBogdan Butkevich

ビデオからの翻訳:


ストップフェイクの司会者:7月31日、ロシアのテレビチャンネルLifeNewsは、ウクライナのテレビチャンネルhromadske.tvのビデオを紹介しました。
そのビデオでは、ウクライナのジャーナリスト、ボグダン・ブトケビッチがドンバスでの殺人を奨励しているとされています。

ボグダン・ブトケビッチ:単なる不況の地域ではありません。そこには複合的な問題があるのです。しかも、一番重要なのは、不要な人間がいっぱいいることです。ドンバスは単に資源として利用すればいいのです。私は、すぐに適用できるような解決策を持っているとは思っていません。しかし、今やるべきことは、どんなに残酷に聞こえても構いません。が、ある種の人々は、単純に殺されるべきなのです。

ロシアのテレビLifeNewsの男性ホスト:ブトケビッチの演説は、(番組の女性)司会者にショックを与えませんでした。彼女は熱心に講演に耳を傾けています。

ストップフェイクの司会者:同じ日にテレビチャンネルのロシア24も同様の報道をしました。ロシアチャンネル1も7月31日のニュース番組でウクライナ議会に関する報道でブトケビッチに関するニュースを取り上げました。

このニュースはウェブで拡散されました。しかし、そのビデオは編集されていたのです。
「ボグダン・ブトケビッチ:ドンバスで市民を150万人殺す必要があるだけ」と題されたこの動画は49秒でした。

素人目にも、映像を見ていると3つの継ぎ目があることに気が付きます。これは、このビデオが完全な映像ではなく、4つの異なる断片をつなげていることを意味します。

そして、フル動画は31分52秒あります。ブトケビッチの映像は、他の記者がSkypeで話している7分間を除いても、(編集された)49秒のつなぎ目の(あるビデオの)20倍の長さがあるのです。
19分目の所からの映像にご注目ください。

ボグダン・ブトケビッチ:単なる不況の地域ではありません。そこには複合的な問題があるのです。しかも、最も重要なのは、経済分野で、雇用できない不要な人材がいっぱいいることです。
経済構造全体が非効率的で、想像もつかないと思います。(私の言葉通りです)信じてください。

ストップフェイクの司会者:継ぎはぎ編集された映像に反応したジャーナリストは、
「殺害に関して言うなら、武器を持ち交渉を拒否したテロリスト達は殺されるべきだと言った」 - 彼は自身のFacebookページに書き込みました。

司会のナスティア・スタンコは49秒ではなく20分以上ブトケビッチの話を聞いていたので、彼が(市民ではなく)テロリストを殺すことについて話している(←皮肉)こと、それとは別に150万人の失業者について話していることをよく理解していました。そのため、映像の中で司会者がとても落ち着いていたのです。

最後に、この動画はHromadskeが2014年4月29日に作成したもので、継ぎはぎ編集版の映像は3カ月後の7月31日に登場しました。

なぜ、ロシアの主要テレビ局が3ヶ月前の映像を突然流すのか、それはニュースのスタンダードというより、むしろ編集者のポリシーの問題ではないでしょうか?

ヴィタリー・チュルキン国連常駐代表は7月28日、ニューヨークで記者会見を行いました。チュルキン氏は講演の中で、いくつかの大胆な発言をした。

Vitaly Churkin 

チュルキン国連常駐代表:私はテレビで報道を見ており、ピレーは今日、平和な市民の損失の見積もりを述べました。 約10万人です。

ストップフェイクの司会者:どうやら、国連人権高等弁務官ナヴィ・ピレーによる報告書について話していたようです。

しかし、ピレー弁務官はウクライナで10万人が死亡したと発表したのではなく、戦闘地域からウクライナの他の地域に逃げてきた人達だと発表しました。

犠牲者の数については、国連人権高等弁務官事務所が7月26日までに作成した報告書によると、対テロ作戦開始以来、1129人が殺害されたとされています。また、東ウクライナの武装集団が、教師、学生、鉱山労働者、地元の政治家を含む人々を拉致、拘束、拷問、処刑し続けていることを強調しました。

国連によると、812人以上の(民間)人が犠牲になっています。しかし、映像の中の死亡者が10万人という数字は、本人ではなく、通訳の言葉です。チュルキンは英語で話しました。通訳の声によって、チュルキンさんの言葉は完全に小さくなっています。
その後、国連のウェブサイトはソースのビデオを公開し、この発言が翻訳の際に誤訳されたことを明らかにしました。

実際、チュルキン氏は1,100人の死者について話していました。それにもかかわらず、歪曲されたバージョンがインターネットのロシア語圏の人々に紹介され、特にRussia todayのテレビチャンネルのウェブサイトに掲載されたのです。

ロシアの新聞「モスコフスキー・コムソモレッツ」は、ドイツのマスメディアを参考に、ボーイング777型機の撃墜を認めたウクライナのSu-25パイロットとされる人物に関するニュースを発表しました。

記者達は、この記事には爆弾発言が出てくるかもしれないと思いました。名前は明かされていないが、パイロットが戦闘機の大砲でマレーシア航空機を撃墜したことを認めました。

この告白は、ボーイング社の残骸に空いた穴の写真の公開と奇妙に一致しており、一部の専門家によれば、これはブクミサイル攻撃によるものではないとのことです。 - モスコフスキー・コムソモレッツ紙

同じニュースが、ロシアのマイナーな通信社にも再掲載されました。しかし実際には、このニュースは完全なフェイクです。

モスコフスキー・コムソモレッツ紙が言及しているこのウェブサイト Wahrheit für Deutschland は、英語、ドイツ語、ロシア語の 3 つの言語で、ニュースソースが風刺的なウェブサイトであることを赤字で示しています。 資料の元のソースは、Allgemeine Morgenpost Rundschau ウェブサイトであると述べられています。

このサイトの印象セクションには次のように記載されています。 Allgemeine Morgenpost Rundschau は風刺的な Web サイトです。 つまり、ここにある全てのコンテンツは完全にフィクションであり、場合によっては大幅に歪曲されていることさえあります。 記事のいずれかが誤って現実と一致した場合、我々はそれとは何の関係もなく、現実(の方)を非難してください。

最近、マスメディア、ブログ、ソーシャルネットワークは、米国がNATO加盟国なしでウクライナを同盟国として認めたという情報を積極的に広めています。

例えば、UAinfo.org は次のように書いています。 「米国上院は、ウクライナ、ジョージア、モルドバが NATO に加盟せずに米国と同盟を結ぶことを許可する法案を可決しました。現在、言及された国に対する直接の武力攻撃の場合、米国はこれらの国を外部からの攻撃から保護するために軍隊をこれらの国に送ることができます。」

実際には嘘です。 これは「ロシア侵略防止法」という法案についての話です。5月1日にボブ・コーカー上院議員によって提出されました。 更に、法案の可決を追跡する govtrack.usというウェブサイトは、この法案が可決される可能性を2%と見積もっています。したがって、米国はウクライナに同盟国としての地位を与えませんでした。


(右)Elena Serdiuk

マレーシアのボーイングの撃墜は、ウクライナでの出来事に対する世界のマスメディアの態度を劇的に変えました。ユーロマイダン以来、ウクライナとロシアのマスメディアの仕事に関する記事の著者であるゲストのエレナ・セルディウクと話し合います。

エレナはクラマトルスク出身で、長年米国に住んでおり、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの修士課程の学生で、数日前にスラビアンスク(ボーイングが落ちた地域)から戻ってきました。

こんにちはエレナ!
アメリカとイギリスのマスメディアは、ウクライナでの出来事をどのように報道していますか? ボーイングの悲劇の後、彼らのレトリックは変わりましたか?
エレナ・セルディウク:こんにちは、マーゴ!
ええ、レトリックは確かに変わりました。今週は明確になりましたね。 多くの西洋(メディア)のタイトルは、最初のページにプーチンの似顔絵や写真を載せることにしました。 したがって、これらのイベントの報道は、ロシアにとってかなり否定的です。

(メディアの表紙を見せながら)
この数、ほとんどのこれらのタイトルを見ても、この悲劇へのロシアの関与についての疑いの余地はありませんね。彼らがカバーすると、プーチンとロシアが関与していたことが明らかになります。 直接的に関与していると。

ストップフェイクの司会者:これはウクライナにとっていいサイン(兆候)だと思いますか?

エレナ・セルディウク:はい、そう思います。何故なら、過去にイギリスとアメリカのマスメディアがウクライナでの出来事をかなり中立的な観点から報道し、それはかなり物議をかもしたからです。 ウクライナの立場はしばしば十分にカバーされていませんでした。 これらのよく知られているメディアがタイトルで立場を示すことは非常に重要です。

ストップフェイクの司会者:マスコミによって作成された意見とスラヴィナンスクへの訪問について、あなたの印象はどうですか?

エレナ・セルディウク:そこでは全てが非常に難しいと思います。 残念ながら、人々はまだ十分に知らされていません。 私が話した多くの人々は、なぜ彼らは爆撃されたのかと私に尋ねました。

そのため、なぜ彼らの都市が部分的に破壊されたのか、彼らはまだわかっていません。民間人の中には犠牲者も出ました。残念ながら、彼らの多くは今でもキエフ当局を非難しています。

ロシアのマスコミの影響下にある人は多いと思いますが、占領中も見ていました。 これは、かなりほったらかしにされているケースと言えるかもしれませんね。

その場にいた人達に話しかけたのですが、どうやって会話を始めればいいのかさえわかりませんでした。と言うのも、自分の意見を言い始めると、人は擁護し始め、人はそれを聞きたがらないからです。「なぜ、そう思うのですか?」「どこで学んだのですか?」「ニュースで聞いたの?"」と言う様なをことを尋ねました。

その結果、何も答えが返ってこなかったり、「どこかで聞いたことがある」「一般的に知られていることだ」というような答えが返ってきたりすることがよくありました。具体的な情報源の名前は出てこないんです。スラビアンスクに住んでいて、退職する前はドネツクで働いていたと言う、ある女性の話を聞いて驚きました。彼女は「私はウクライナ語がわからない」と文字通りこう言いました。したがって彼女は1+1ニュースを見ても言ってることが理解できないと。

そして、ロシア語話者に、ロシアのマスメディアに比べて、ウクライナのマスメディアが単純に(ウクライナ語だからと言う理由で)の無視されると言うのは、深刻な問題だと思います。

例えば、スロビャンスクの中央広場にレーニン記念碑がありますが、それはまあ別の話です。レーニン記念碑にはウクライナの旗があり、緋色のパイオニアネクタイのように結ばれていますが、それもまあ別の話です。同時にウクライナのラジオが大きなスピーカーを使って放送されていますが、広場にとても大きな音が聞こえています。でも広場には誰もおらず、誰もそれを聞いていません。そして、それが全体的にネガティブな印象を与え、まるで強制されているかのようです。

私は、この地域は非常にデリケートな地域であり、言ってみれば問題があるため、このような攻撃的な対応ではなく、もっとデリケートな方法で行うべきだと考えています。

ストップフェイクの司会者:では、ソフトパワーはこのような場面で役に立つのでしょうか?

エレナ・セルディウク:はい、役立つと思います。

ストップフェイクの司会者:エレナ・セルディウクがスタジオにいらっしゃいました。


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