見出し画像

先天性食道閉鎖症A型という疾患をもって生まれた息子のこと①

先日、友人がやっているen活という会で、息子のことを話す機会を頂いた。

6歳の今でも食事には日々頭を悩ませることも多いけど、

「意外と息子くんのお食事の困りごと、知られていないよね」
というお話から。

何度も息子の疾患のことを話してはいたけど、
生まれてからのこと、経過や大変だったこと、食事の困りごと、
親の気持ちを誰かに詳しく話したのは、
病院や療育以外では初めてだったかもしれない。

何故か。

私の話は誰も興味ないだろう、というのが1つ 笑、
きっかけがあまりなかったというのが1つ。
後は、詳しい話を聞いて、いま同じ疾患で治療を頑張っている子やお母さんが不安になってしまうと困るというのが1つ。

なので、文章でも詳しく書くことを避けてきました。
ことばで話すと声のトーンや表情で明るく話せるけど、
文章だとどうしても、伝わり方が変わってしまう。
そして治療法なんて、その子によっても違うしね。
誰かの希望の1つになればいいとは思うけど、
不安になっては元も子もないので。

ただ、母親の気持ちや大変だったこと、
そこから色々な人の手を借りて、
今こうして生かしてもらっていることは伝えてもいいのかなと
誰かには届くのかもしれないと思ったのと、
同じように困っている当事者だけでなく、
支援する立場の人にも届くといいな・・・と思って
ざっくり話した内容をまとめます。

お腹にいる時から、エコーで「食道閉鎖症疑い」という診断を受けたので、出産予定だった病院から県立の病院で出産することが決まります。
先生方は言葉を選んで丁寧にお話をしてくださいました。
NICUに入院すること、あとは生まれてからまたお話すること・・・

生後、やはり疑いは確定診断になりました。
上と下の食道が繋がっていない状態で生まれたので母乳やミルクは口から飲めません。生後3日で小さな身体に胃ろうを造って、母乳はお腹のお口から飲んでいました。

身体が少し大きくなるのを待って、1か月経った頃に食道の手術をします。
食道閉鎖症のA型というのは、上部食道と下部食道の距離があいているタイプで、1度の手術では上と下を繋ぐことはできず、何度かに分けて手術をしました。

その後、手術の合併症があり、母乳やミルクはストップ。
約2か月、点滴で過ごします。
点滴はしていたけど、元気にしていてくれたのが救いでした。
一進一退のときもこの子は絶対治る!っていう根拠のない自信を頼りに、
先生と治療の相談をしたり、ちょっと気持ちが折れそうなときは先生やスタッフさんに励まされたりしながら過ごしていました。

そうこうしていると、合併症が奇跡的によくなって、
やっとNICUを卒業する光が見え始めます。

結局、4か月間はNICU、その後小児の外科病棟にうつって、もう1つ手術。
初めて口から母乳を飲んだのは5か月のとき。
それまでお口は使わなかったけれど、
病院ではおしゃぶり(哺乳瓶の乳首)をずっと加えて、
お口のトレーニングをしてもらっていたり、
PTさんが顔に触れて感覚統合をしてくれていたんだな、
と今になって思います。

風邪を引いて退院時期が延びて、生まれてから7か月間の入院を経て
初めましての我が家へ。

母乳を飲むことは出来るようになったけれど、
筋力が弱い息子は、すぐ疲れてしまって量が飲めないので、
口を鍛えつつ、胃ろうからも母乳やミルクを注入。
当時はイルリガートルという、点滴バックのようなものにミルクを入れて、
ゆっくり時間をかけて滴下していました。

1歳を迎える直前に、ミルクを飲んだ直後に吐くことが増えて、
何だかおかしい・・・と。
逆流を押さえる手術をしていたのですが、それが再発したようでした。
母親の勘って当たるんですね^^;

そんなこともあり、1歳のお誕生日は、外科病棟。
普通は家族だけのお誕生日が、保育士さんがお部屋を飾りつけしてくれたり、ピアノを弾いてくれたり、看護師さんが歌ってくれたり、
賑やかなバースデーになりました。

退院してから、1歳を過ぎてから初めての離乳食。
普通は半年くらいからスタートする離乳食、
我が家は少し遅めでした。

医療ケアしながら初めての子育て、
離乳食もてんやわんや、始めて2週間くらい経った時に外来で、
「もう1歳過ぎているから2回食でいいよ」
と先生から言われたけど、
離乳食作りもまだ慣れない中、あまりの展開の速さについていけず、
頭が大混乱・・・
そんな離乳食スタートでした。

しばらく経ったころ、息子の動きも激しくなってきたときに
胃ろうからの脇漏れが目立つようになります。

胃ろうに負担がかからないよう、ズリバイをしないでハイハイに持って行こう、とPTさんが考えてくれていましたが、それでも動くと摩擦で胃ろうの穴が少しずつ広がっていきました。

その穴が広がるとまた厄介。
母乳やミルクを飲んでるそばから、お腹の口から漏れる。
頑張って飲んでも、どんどん漏れていく。
普通、授乳間隔は3時間あけばいい方ですが、
その当時、我が家では1時間ほど。

授乳が終わって、片付けしてるうちにまた授乳タイム。
飲んでも漏れるから体重はなかなか増えない、
一体どうしたらいいのか分からない。
肌着も1日何枚もお洗濯。

訪問看護師さんや先生とも相談してたけれど、
なかなかいい手が見つかりませんでした。

しばらくして、息子の身体が少し大きくなってきたので
胃ろうのボタンをサイズアップしたら、漏れが収まりました。

②に続きます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?